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筑波山3往復の苦行 [登山]

黒戸尾根往復日帰り!

甲斐駒ヶ岳へのクラシックルートである黒戸尾根は、日本3大急登に名を連ねる標高差2200mの非常にハードなコースである。ここを日帰りすると、周りの山ノボラーから「それにしても健脚だねぇ~!」と賞賛の声が寄せられることになる。

今般、ひょんなことからこの黒戸尾根について、お互いのブログを訪問しあっているOさんと一緒に歩くという計画が持ち上がっている。

Oさんは超健脚山ノボラーの名を欲しいままにしており、私は勝手に平成の天狗と呼ばさせていただいているが、毎週のようにとても信じられない長距離と標高差の山行を重ねられている。

一方の私と言えば、股間に天狗を持つ男という異名を持つものの、昨年末からキジ撃ちを連発するという失態もあったのだが、震災前後の2ヶ月弱のブランクによる体力の落ち込みが著しく、最近は駅の階段ですらキツイと感じる体たらくである。

とはいえ、私も気力・体力が最も充実していた昨年の10/16に、黒戸尾根を日帰り往復することに成功しているのである。その時は、直前(10/9)にトレーニングとして筑波山を3往復しているのであるが、今回もゲンをかついでその時と同じ次のようなコースに再びチャレンジしようと考えた。

1.御幸ヶ原コースで登る
2.白雲橋コース(弁慶茶屋跡まで)→おたつ石コース(つつじヶ丘まで)→迎場コースで下る(酒迎場分岐まで)
3.白雲橋コースで登る
4.御幸ヶ原コースで下る
5.白雲橋コース(酒迎場分岐まで)→迎場コース→おたつ石コースで登る(弁慶茶屋跡まで)
6.白雲橋コースで下る

果たしてmakiwarikunは今の落ち込んだ体力でこのロングコースを歩き通すことができるのであろうか?

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

日程:2011年6月19日(日帰り)
天候:曇り[曇り]

コースタイム:
5:02 男女川恋歌碑駐車場 →5:25 御幸ヶ原コース登山口 →6:26 御幸ヶ原(5分休憩) →6:43 女体山山頂→7:34 つつじヶ丘→8:00 白雲橋コース分岐→9:03 女体山山頂直下→9:45 筑波高原キャンプ場(15分休憩) →10:28 裏筑波コース登山口 →11:10 筑波高原キャンプ場(10分休憩) →11:55 女体山山頂直下 →12:45 つつじヶ丘 →13:25 筑波山神社 →13:35 男女川恋歌碑駐車場

直線距離:21.066km
沿面距離:21.945km
累積標高(+):2090m
累積標高(-):2091m
所要時間:8時間33分




筑波山グラフ.jpg
GPSデータグラフ表示

この日も前回(5/21)と同様、市営第一駐車場の向かいにある男女川恋歌碑駐車場に車を止めた。登山口への途中にある市営第二駐車場のトイレで用を足し身軽になる。しかし、自宅ではあんなに気張っても出なかったウン〇なのに、山に近付くと必ずといって良いほど便意を催すというのはどういう訳だろうか?やはり山にはウン〇の神様が住んでいらっしゃるということか…
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男女川恋歌碑駐車場(5:07)


まずは、予定通り御幸ヶ原コースで1往復目の登りにかかる。まだ元気なうちに最も険しいコースを登るのが筑波山3往復時のセオリーである。(セオリーって言っても、そんなんする奴めったにおらんやろ!)

御幸ヶ原コースは、震災以降は一応通行止めになっているのであるが、5/3と5/21の2回、このコースが全く問題のないコンディションにあることは確認済みなので、少々気が引けるのであるが、早朝で誰も居ないことを良いことに、ここは無視して進むことにした。

登山口から1時間後に御幸ヶ原に到着したのであるが、昨年の10/9には45分で登っていることを考えれば、やはりその頃と比べると相当に体力が落ちているようである。
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御幸ヶ原(6:27)

この日の御幸ヶ原からの眺めはこんな感じ。雲海が下方に広がっているので、まるで2000m級の高山に登っているような気分になる。
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御幸ヶ原からの景色(6:28)

白雲橋コースは女体山山頂のすぐ脇から下っているので、とりあえず女体山山頂の写真を撮ったが、この日は真剣モードなので女体大好き!などという芸術作品を撮っている暇はない。
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女体山山頂(6:43)

予定通り、白雲橋コース~おたつ石コース~迎場コースと経由して下っていく。
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つつじヶ丘(7:34)

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酒迎場分岐(迎場コース&白雲橋コース分岐)(8:00)

2往復目の登りは白雲橋コースであるが、登山口までは下りきっていないので、厳密には往復したことにはならない。(およそ0.8往復といったところか…)

そしてなんとかこの日2回目の女体山山頂まで辿りついたのであるが、既にヘロヘロに疲れていたので、御幸ヶ原コースを下るという当初の予定を急遽変更して、裏筑波コースを下ることにした。3往復目の登りは最も好きな裏筑波コース以外は登れる気がしなくなったからである。

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裏筑波コース(10:13)

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裏筑波コース登山口(10:28)

3往復目の登りを裏筑波コースにしたのは正解であった。体は疲れ切っているのであるが、渓流沿いの気持ちの良いコースに不思議と足が前に出る。

ところが人体の不思議とはこのことか、渓流が終わり樹林帯に入った途端、一挙に疲労感に襲われ足が鉛のように重くなったのである。「やっぱり俺はスランプなのか?あの頃のスタミナはもう戻らないのか?」と自問自答しながら、それでもなんとか一歩ずつ歩を進める。

そして疲労困憊の状態で筑波高原キャンプ場に辿りついたmakiwarikunは、この時の状態を表現する一人写真を撮ることにした。スベリギャグのチャンピオン(チャンプ)が筑波高原キャンプ場でスランプにうなだれている姿をご鑑賞いただこう。題して「チャンプがキャンプでスランプ」だ!(決してキジ撃ちをしている姿ではないよ!)
チャンプ.JPG
筑波高原キャンプ場にて(11:17)

一人写真を撮って元気を取り戻したmakiwarikunは(どんな体や!?)、この日3回目の女体山山頂に辿りつき、1往復目と同じ白雲橋コース~おたつ石コース~迎場コースと経由して下っていくことにした。
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渋滞する女体山山頂直下の白雲橋コースの岩場(11:59)

そして出発から8時間半後、なんとか無事に男女川恋歌碑駐車場に戻ることができた。時間は掛かり過ぎであるが、累計標高差2000m以上、直線距離21kmの道程を歩き通せたことで、ほんの少しだけ自信が回復した。

【感想】
・新たにGARMINオレゴン300というGPSの上位機種を購入したので、今回試しに使ってみたのであるが、流石に精度が高いのには感心した。今まで使っていた入門機種では特に標高の計測の狂いが目立っていたので、ブログで公表する際には手作業で修正する必要があった。
・今回からルートラボというWeb地図サービスを使ってみたのであるが、自分の歩いたコースと標高が良く分かるので、なかなか面白いと思った。これも超健脚のOさんの記事が無ければITオンチの私には全く使うことが出来ない代物であった。(感謝!!)

6月18日現在の体重 72.4㎏(目標達成まであと7.4㎏減)
前回(6月6日)計測時より0.9㎏の減少となった。最近はトレーニング再開の効果が現れているのか、まずまず順調な推移である。この調子ならば、年内の目標達成は確実か??!!



奥久慈男体山の散歩 [登山]

バタフライ効果という言葉を聞いた事がおありだろうか?

バタフライ効果とは、ある場所での蝶の羽ばたきが、そこから離れた場所の将来の天候に影響を及ぼすという例がその言葉の由来であるが、通常なら無視できると思われるような極めて小さな差が、やがては無視できない大きな差となる現象のことを指す。

実は、6月4日(土)に丹沢主稜縦走(大倉~搭ノ岳~丹沢山~蛭ヶ岳~臼ヶ岳~檜洞丸~西丹沢自然教室)を予定していたのであるが、その前日(3日)の飲み会に参加してしまったが為に、このバタフライ効果を身をもって知ることになってしまった。

バタフライ効果1:お腹の調子が悪くなる。
今夏の山行計画を協議するために、2日(木)にmakiwarikun山の会の会合が居酒屋で行われたのであるが、2夜連続の飲み会参加により、makiwarikunのお腹はややピーピー気味になってしまった。

バタフライ効果2:アキレス腱を痛める。
お腹の調子が思わしくないので、キジ撃ちマスターを返上したいmakiwarikunは、丹沢主稜縦走を翌日(5日)に延期することとして、4日は午後からバドミントンの練習に行くことにしたのであるが、そこで左足のアキレス腱を痛めてしまった。平坦な場所での歩行ならばほとんど痛みを感じないので大丈夫だと思っていたのであるが、男体山の健脚コースの急登の前に、バドミントンの練習時以上の痛みに襲われてしまった。

バタフライ効果3:天候が崩れる。
5日の早朝の天気予報では、所によっては午後から大荒れになると告げている。ゴール地点となる西丹沢自然教室には17時過ぎに到着する予定なので、行動中に雨に降られる可能性が高い。しかも、終盤の檜洞丸への登りは、道が荒れているので雨でぬかるむと非常に苦労する筈である。そこで、午前中に登れる山ということで、急遽、行き先を奥久慈へと変更した。筑波山はさすがに飽き飽きしていたし、男体山ならクサリ場の練習にもなると考えたからである。

バタフライ効果4:水分が足らなくなる。
気温の上昇を見込んで、スポーツドリンクを凍らせていたのであるが、丹沢へは自宅から4時間ほど掛かるので、その間に程よく溶ける筈であった。ところが、奥久慈へ行き先を変えたことにより、その半分ほどの時間で登山口に到着してしまったので、氷の溶ける量が全く不十分となってしまった。

バタフライ効果5:トレイルランニング大会
なんとこの日の男体山は、『奥久慈トレイル50km』というトレイルランニング大会のコースとなっていた。しかも、タイミングの悪いことに、健脚コースを登り終えた所がトレランのコースになっているのであるが、自分がそこに到着した時に丁度先頭集団が通過しているところだったので、全員が通過するまでは相当の時間が掛かると思った。
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以上の度重なるアクシデントによって、すっかり心が折れてしまったmakiwarikunは、男体山山頂直下のあずまやでトレイルランナーの方々の力強い走りを15分ほど鑑賞した後に、登ってきた健脚コースを下山したのであった。以下がこの日の結果であるが、これではまるで隠居爺さんの散歩ではないか。当初、予定していた丹沢主稜縦走に比べると僅か10分の1程度の歩行距離となってしまった。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

日程:2011年6月5日(日帰り)
天候:曇り[曇り]

コースタイム:
7:20 大円地の駐車場 →8:25 男体山山頂直下のあずまや(15分休憩)→9:32 大円地の駐車場

直線距離:2.455km
沿面距離:2.704km
累積標高(+):463m
累積標高(-):463m
所要時間:2時間12分

男体山グラフ.JPG
GPSデータグラフ表示


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大円地の駐車場(7:15)

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健脚コース途中の展望台からの眺め(8:02)

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健脚コースのクサリ場(8:15)

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男体山山頂直下のあずまやの前を走るトレイルランナー(8:32)

【感想】
・アキレス腱の痛みがあったにしても、標高差400mを登るのに1時間も掛かっているようでは、黒戸尾根の2200mの標高差はとてもじゃないが登れる筈がない。震災前後の2ヶ月のブランクで落ちたスタミナを戻す為には、まだ少し時間が掛かりそうである。

・登山口付近に『スズメバチに注意!』との看板があるが、途中で本当にスズメバチに狙われた時には、生きた心地がしなかった。すぐさまその場所から走り去って事なきを得たが、本当に怖かった。

・山行を予定している日の前日の飲み会に参加した場合、結果として山に行けなくなった確率は現在まで100%である。今後は山行を予定している前日の飲み会には参加しないようにしたい。

6月6日現在の体重 73.3㎏(目標達成まであと8.3㎏減)
前回(5月14日)計測時より1.0㎏の減少となった。今後も山に向かえば体重は順調に減少を続ける筈である。


山とバドミントンの両立は可能か?(筑波山トレーニング) [登山]

先日、パソコンを買い換えた。OSはもちろんWindows7(64bit版)である。責任の重い職務の者に対して、仕事をリモートコントロールによって自宅のパソコンで出来るようなソフトが配布されることになったのだが、その為にセキュリティ機能が改善せれたWindows7が搭載されたパソコンを購入する必要があると感じたからだ。例の震災以降、会社はバックアップセンターを新たに関西地方に設置するなど、どこぞの政府とは違い、リスクマネジメントとしてなかなか素早い対応である。

話は変るが、そもそも『Windows』とは、窓の複数形から分かる通り、同時に複数の「窓=アプリケーション」を開くことが出来る、マルチタスクのOSの事である。私もパソコンで何かする時には、ほとんどの場合、複数のアプリケーションソフトを立ち上げているが、それができるのもWindowsのこの機能のおかげである。

人間の中にも、同時に複数の事をこなすことができるマルチタスクな方が居るが、私はその対極に位置するシングルタスク人間である。一つの事に熱中してしまうと他の事を並行して行う事ができない、というか他の事をやる気にならない。学生(高校)の頃も、周りの者が部活と学業の両立を果たしているにも拘わらず、私は部活オンリーの生活だった(単なる落ちこぼれに過ぎないという噂もある)。当然ながらmakiwarikunは同時に二人の女性を愛することができない男でもある。

ちょうど1年前、山を始めてから迎える最初のシーズン到来に興奮を抑えきれない私は、週末は山登りに集中しようと思い、所属しているバドミントン部に半年間の休部届を提出している。自分の性格から考えて、山とバドミントンの両立は到底無理だと思ったのだが、今年は無謀にもその無理を通してやろう思っている。まさに『ミッション・インポッシブル』への挑戦だ[パンチ]

そこで何をしたか?昨年は、休部届を出したバドミントン倶楽部に対して、今年は1年分(4~3月)の部費を前払いするという正反対の行動を起こした。「今年は練習に出るぞ!」というmakiwarikunの意思表示に対して他の部員達は驚きを隠そうとしない。

果たしてシングルタスク人間のmakiwarikunは、本当に山登りとバドミントンを両立させることができるのであろうか?

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

5月21日(土) 先週の飲み会で大いにハメを外してしまったmakiwarikunは、この日13時からのバドミントンの練習にも出て、メンバーの方々に謝罪をしなければと思っていた。当初、「山は翌日の日曜に行けばいいや!」と思っていたのであるが、天気予報では日曜は天気が崩れそうだと伝えている。

「どうする?山に行くべきか、それともバドミントンに行くべきか…」

山とバドミントンの両立を目指すmakiwarikunは唯一の解決策を導き出した。つまり、早朝に山に登ってから午後のバドミントンの練習に出るというものだが、そのためには近場の筑波山に行くしかない。筑波山には5月3日に登ったばかりであるが、この際贅沢は言ってられない。今夏に再び黒戸尾根(甲斐駒ヶ岳)日帰りを予定しているので、トレーニングとしての山行を怠る訳にはいかない。


日程:2011年5月21日(日帰り)
天候:晴れ[晴れ]

コースタイム:
5:24 男女川恋歌碑駐車場 →5:39 白雲橋コース登山口 →6:47 女体山山頂直下→7:18 筑波高原キャンプ場 →7:52 裏筑波コース登山口 →8:30 筑波高原キャンプ場 →9:05 女体山山頂直下 →9:20 御幸ヶ原 →10:11 筑波山神社 →10:23 男女川恋歌碑駐車場

直線距離:13.674km
沿面距離:14.396km
累積標高(+):1699m
累積標高(-):1674m
所要時間:4時間59分

筑波山地図.JPG
GPSトラックデータ


筑波山グラフ.JPG
GPSデータグラフ表示


筑波山神社方面から筑波山に登る際には、いつも無料の市営第一駐車場を使うのであるが、地震の影響により使用禁止となっていたので、市営第一駐車場の向かいにある男女川恋歌碑駐車場に車を止めた。ここより神社寄りの駐車場は有料(500円くらい)となる。
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男女川恋歌碑駐車場(5:24)


5月3日に続き、この日もまだ「御幸ヶ原コース」は閉鎖中で通行止めとなっていた。
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御幸ヶ原コースの閉鎖を示す筑波神社下の案内板(5:35)


1回目の登りは、久しぶりに「白雲橋コース」を歩くことにした。このコースは、急だが距離の短い「御幸ヶ原コース」と緩やかだが距離の長い「迎場コース」+「おたつ石コース」の中間的なコースである。

「白雲橋コース」は、女体山山頂のすぐ下に出るが、この日は山頂には寄らずに、すぐ隣の「裏筑波コース」を下ることにした。先日、歩いたばかりであるが、やはり自分の好きなコースを歩きたいと思った。

「裏筑波コース」の筑波高原キャンプ場より下は、沢沿いの気持ちの良い道が続いている。
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沢沿いの快適な裏筑波コース登山道(7:48)


「裏筑波コース」の登山口まで降りるやいなや、回れ右してすぐさま登り返した。
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裏筑波コース登山口(7:52)


筑波高原キャンプ場は「裏筑波コース」のほぼ中間に位置するが、お腹にやや不安を抱える者にとって、ここにトイレがあるのは非常に心強い。前回は地震の影響により修理中であったトイレは復旧していた。
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復旧した筑波高原キャンプ場のトイレ(8:30)


「裏筑波コース」で再び女体山山頂直下に辿り着き、男体山方面に歩を進めるが、この日も『男体比べ!』をやろうという訳ではない。ここまでかなり疲れたので、御幸ヶ原のベンチで休憩するためである。

御幸ヶ原で10分ほど休憩した後に、通行止めの「御幸ヶ原コース」を使って筑波山神社まで下った。通行止めと言っても特に荒れた場所がないことは前回確認済みであるし、この日も多くの方がこのコースを使っていた。

そして最後に、スベリギャグのチャンピオン(チャンプ)が筑波高原キャンプ場でジャンプしている一人写真をご鑑賞いただこう。題して「チャンプがキャンプでジャンプ」だ!
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【おまけ】
・午後からのバドミントンの練習は、やはりというべきかイマイチ動きが鈍く精彩を欠いた。山に登ってからバドミントンをやるというのは無謀な考えなのか?

・翌日(5/23)は、所属しているもう一つのバドミントン倶楽部に2ヶ月ぶりに顔を出した。調子に乗った私は、こちらの倶楽部でも部費を年度末分まで前払いするという暴挙に出た。ここには最近5ヶ月で2回しか練習に出ていないくせに、本当に大丈夫なのか?

茨城での男体づくし(奥久慈男体山、筑波山) [登山]

前週、丹波山村から大菩薩嶺までの往復30km近いロングコースをキジ撃ちすることなく歩き通すことができたことで、完全復活に向けて幸先良い1歩を踏み出すことができた。次に越えなければならないハードルは、以前、不覚にもキジ撃ちしてしまったコースを今度は無事に歩く事により、脳裏に残るキジ撃ちへの不安を払拭することだと考えた。

そこで、ゴールデンウィークの初日である4月29日に、約2ヶ月前にキジ撃ちへの万全の対策を講じたにも拘わらずあえなく敗退した奥久慈男体山から袋田の滝までのコースを再度歩くことにした。

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

日程:2011年4月29日(日帰り)
天候:晴れ[晴れ]

コースタイム:
6:58 袋田滝本町営駐車場 →8:01 月居山(後ろ山)山頂 →8:29 第一展望台 →10:13 男体山山頂 →10:35 大円地越 →11:05 大円地山荘 →12:10 西金駅

直線距離:14.259km
沿面距離:14.736km
累積標高(+):1258m
累積標高(-):1343m
所要時間:5時間13分


男体山地図.JPG
GPSトラックデータ

男体山グラフ.JPG
GPSデータグラフ表示


前回(2月27日)は、男体山から袋田の滝へ歩いたのであるが、今回は気分を変えて逆から歩くことにした。袋田滝本町営駐車場は無料であるが、ここより滝に近い駐車場は有料となっている。
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袋田滝本町営駐車場(6:59)


滝に向って川沿いの道を歩いていくと、少しずつ滝の姿が見えるようになる。
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袋田の滝(7:14)


やがて、袋田自然研究路の入口である急な階段が現れる。
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袋田自然研究路入口の階段(7:16)


途中で生瀬の滝の展望台に向う。生瀬の滝は、袋田の滝のミニ版といった感じである。
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生瀬の滝(7:25)


自然研究路には所々に天狗岩伝説などの説明板がありこれらを読みながらゆっくりと登る。標高差300mを一気に登る非常に急な階段が月居山(前山)まで続いているので、足は早くもパンパンである。
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自然研究路の説明板(7:37)


せっかく苦労して標高を稼いだのに、一転して道は急な下りとなっており、やがて月居観音堂にたどり着く。
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月居観音堂(7:52)


月居山は前山と後ろ山に分かれているが、鞍部には次のような道標が立てられている。前回、後ろ山から降りてきてこの道標を見たのであるが、袋田の滝への道が分からずに、結局、袋田駅方面への道を進んでしまった。袋田の滝は下方にある筈なので、前山に向かう急な登り道を見て、「この道が滝へ向う筈はない!」と判断したのであるが、キジ撃ち直後の呆然自失状態で判断力も相当落ちていたようである。
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前山と後ろ山の鞍部にある道標(7:54)


鞍部から5分ほどで後ろ山の山頂にたどり着くが、ここにはかって月居城が築かれていたとのことである。
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月居山(後ろ山)山頂(8:01)


月居山(後ろ山)で5分ほど休憩してから、男体山方面に歩を進める。月居山直下の登山道から5mほど離れた平坦地が前回のキジ撃ち場所であるが、今回はここまで何の不安もなくお腹は安定している。

第一展望台~第二展望台と順調に進んできたが、この辺りで段々と疲れだしてきた。反対から歩いた前回も途中で体調が悪くなったのであるが、このコースは細かい急斜面のアップダウンが多いので、思いのほか体へのダメージが大きいようである。
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第一展望台(鍋天山)からの景色(8:29)


なんとか男体山山頂に到着したが、ここではすっかり疲れ果ててしまっていた。実は、体調が良ければ男体山からは一般コースで下山した後に健脚コースで登り返し、出発地点までピストンで戻ることも考えていたのであるが、その無謀な考えはここで断念した。
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男体山山頂(10:13)


袋田の滝からここまで一人とも会わなかったのであるが、男体山山頂にも誰も居なかった。やはり、震災後にここを訪れる人は減っているのであろうか?
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男体山山頂標識(10:13)


男体山からは一般コースで下山したが、地震により崩落している箇所があるなど、道は結構荒れていた。やがて、大円地越というベンチが設置されている平坦地に到着した。
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大円地越(10:35)


大円地越からは樹林帯のうっそうとした中を進んで行くが、樹林帯を抜け健脚コースとの分岐を過ぎたところに大円地山荘というそば屋が現れる。当初の計画では袋田まで歩いて戻るつもりであったので、電車の時間を調べていなかった。そこで、大円地山荘でそばでも食べながら電車の時間まで適当に時間を潰そうと考えた。
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大円地山荘(11:05)


大円地山荘で西金駅発の次の電車の時間を尋ねると、12時19分ということであった。その次は更に2時間ほど先なので、絶対に乗り遅れる訳にはいかない。前回は西金駅からここまで1時間以上掛かった筈なので、ゆっくりとそばを食べてる暇はない。という訳で注文したとろろそばを5分ほどで一気に食べ、そば湯を飲むこともなく店を後にした。そばはコシがあって非常に美味しかっただけに、もっとゆっくりと味わいたかったのであるが、久しぶりに旨いそばらしいそばを食べることができた。
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とろろそば(11:16)


西金駅までは舗装された道をひたすら歩くだけであるが、途中、地震により崩れてしまい通行止めになっている箇所があった。
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西金駅(12:19)


この日、奥久慈での前回の悪夢を払拭しキジ撃ちすることなく歩き通すことができたことで、完全復活に向けて更に1歩前進することができた。そこで、希望の光が差し込んできたこの時の気持ちを一人写真で表現してみた。

題名「明日への希望」0805希望のポーズ.JPG
月居山山頂にて(8:05)

キジ撃ちの恐怖を完全に払拭するために越えなければならない最後のハードルは、東京都最高峰の例の山である。近いうちに必ずリベンジに行くから待ってろよ!

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

そしてその4日後、完全復活を果たすべく東京都最高峰の例の山に向かうつもりであった。ここを訪れる人は必ずといって良いほど強烈な便意に襲われるので(オレだけか?)、ウン〇の神様が住むというあの山である。

ところが、当日の朝4時に起きて天気予報をチェックすると、テレビでもインターネットでも午後からは雨が降ると言っている。ウン〇の神様が住む”魔の山”は万全のコンディションの中を万全の体調で歩きたいので、急遽予定を変更し、雨が降らない午前中に登れる山ということで筑波山に向かうことにした。


日程:2011年5月3日(日帰り)
天候:曇り[曇り]

コースタイム:
5:53 裏筑波コース駐車スペース →6:39 筑波高原キャンプ場 →7:18 女体山山頂 →7:40 男体山山頂 →8:57 筑波山神社 →9:39 つつじヶ丘 →10:00 弁慶茶屋跡 →10:26 女体山山頂直下 →10:54 筑波高原キャンプ場 →11:24 裏筑波コース駐車スペース

直線距離:13.725km
沿面距離:14.291km
累積標高(+):1613m
累積標高(-):1613m
所要時間:5時間30分


筑波山地図.JPG
GPSトラックデータ


筑波山グラフ.JPG
GPSデータグラフ表示


筑波山は自宅から最も近い山であり、一昨年の秋に山登りを始めた頃には、ホームマウンテンとして毎週のように登っていた山である。ところが、今年に入ってからはまだ1回も登っておらず、久しぶりにどのコースを登るのか迷ったのであるが、やはり一番のお気に入りコースである裏筑波コースを選んだ。
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裏筑波コース登山口(5:55)


裏筑波コースの登山口からは渓流沿いの非常に雰囲気の良い道であるが、このコースの事は以前2回も記事にしているので割愛する。

登山口から約45分で筑波高原キャンプ場にたどり着いたが、なんと地震の影響でここのトイレが使用禁止となっていた。このコースは中間地点のここにトイレがあるので、私にとって非常に安心感のあるコースなのだが…
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筑波高原キャンプ場トイレ(6:39)


筑波高原キャンプ場には登山者に対する注意書きが立てられていた。そこには御幸ヶ原コースと薬王院コースは現在も通行止めとなっていることが記されていた。
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筑波高原キャンプ場にあった注意書き(6:40)


登山口から1時間20分ほどで女体山山頂に到着したが、この日の景色は黄砂による影響のためか霞んでいた。
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女体山山頂からつつじヶ丘方面を臨む(7:20)


女体山から男体山に向かう途中にセキレイ石という奇石がある。このところ”男女の道”に非常に悩んでいるので是非ともセキレイに教えを請いたいと思った。

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セキレイ石(7:26)


男体山で素早く1枚の写真を撮った後に、自然研究路を一周した。ここには筑波山の自然に関する説明板が多く立てられており、makiwarikunお気に入りの道である。
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自然研究路案内板(7:51)


自然研究路を一周した後に通行止めとなっている御幸ヶ原コースで一旦下山した。
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御幸ヶ原コース下山口(8:07)


御幸ヶ原コースは通行止めとなっているくらいなので、結構荒れている箇所があるのかと思いきや、いつも通り全く問題のない状態であった。なので、私以外にも結構このコースを通行している人がいた。
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筑波山野鳥図鑑(8:40)


御幸ヶ原コースで下山した後は、白雲橋コースの登山口を目指して筑波山神社を横断する。筑波山神社では、今シーズンの安全登山と日本(特に東北地方)の復興をお祈りした。
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筑波山神社(8:57)


白雲橋コース~迎場コース~おたつ石コースを通り、2往復目の女体山山頂を目指した。
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迎場コース分岐(9:07)


つつじヶ丘から始まるおたつ石コースは凄い数の人が登っている。御幸ヶ原コースが通行止めだと知った方々が素直にこちらに流れてきたのであろうか?しかも、登っているほとんどの人は、その服装と装備から判断して明らかに一般ピープルである。こちとら山ノボラーの端くれであるし、しかもダブルストックの本格装備ときている。ここは意地でもカッコイイ姿を見せなければならないと、3時間以上の歩きによる疲れを全く見せずにガシガシと結構な急斜面をごぼう抜きで登って行った。「あんなストックがあれば楽だよね~」なんてのたまっているオバサンの声が後ろから聞こえるが、本当はほとんど限界なんですけど…
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つつじヶ丘からおたつ石コースを登る人々(9:39)


つまらない見栄のために残り少ないエネルギーを使い切ってしまったmakiwarikunは、弁慶茶屋跡にフラフラになりやっとの思いでたどり着いた。しかし、ここも休憩をしている一般ピープルで凄い混雑である。ここでも山ノボラーとしてへばっている姿を見せるわけにはいかないので、何事もないかのような涼しい顔をして先に進む。本当はメチャクチャ休みたかったんだけど…
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弁慶茶屋跡(10:00)

ところが、天の助けかお情けか、弁慶小屋から先は一般ピープルにとって岩場の難所が続いていることにより、所々で渋滞が発生していた。おかげで良い具合に休憩を取ることができ、なんとか山頂まで山ノボラーとしての威厳を保ったまま進むことができた。

女体山山頂からは裏筑波コースを下るだけであるが、こちらは一転してほとんど人のいない静かな道のままであったので、自分のペースで気持ち良く歩くことができた。


最後に、筑波山ならではの2枚組一人写真を撮影してみたのでご鑑賞いただきたい。一人写真の大家であるTerry師匠の二番煎じである感は否めないが、ゴールデンウィークのさなか、登山者が非常に多い中で一瞬のチャンスを逃さずに素早く撮影した苦心作である。

題名「女体大好き!」0717女体大好き.JPG
女体山山頂にて(7:17)

題名「男体比べ!」0740男体比べ!.JPG
男体山山頂にて(7:40)

これではいくらセキレイに男女の道を教えてもらっても、女性の気持ちを自分に向けられる筈がないか…

キジ撃ちマスターの小復活(丹波山村~大菩薩嶺) [登山]

震災の直前である3月9日にブログを更新して以来、1ヶ月半もの間、じっと息を潜めていた。最後のキジ撃ちで…じゃなかった記事で、未完成の『キジ撃ちマスターの歌』を公表していたので、当ブログをご訪問いただいている方々の間で「makiwarikunは山でキジ撃ちしている最中に地震に遭い、排出したばかりの自分のウン〇もろとも谷底に消えたそうだ…」という噂がまことしやかに囁かれていたらしい。

谷底にこそ落ちてはいなかったものの、落ち込んでいたことは確かである。山でのキジ撃ち連発で少々ヘコんでいたところにあの大震災である。前回の記事にも書いているが、これこそ山を止めろという神のお告げじゃないだろうかと思った。山だけではなく、震災後はしばらく何もする気にならなかったのであるが、ようやく最近、再び山に登り、バドミントンの練習に行き、ジムで汗を流す気力が湧いてきた。

makiwarikun復活の証として、まず手始めに前回未完成のまま公表した『キジ撃ちマスターの歌』を完成させることとした。題名も『キジ撃ちマスターの歌』から『失禁イヤだもん』と改名したのであるが、その理由はもちろん、『キジ撃ちマスターの歌』が名曲『失恋レストラン(1976年、清水健太郎)』のパロディから生まれたからである。

では早速、makiwarikun久々の自信作、 『失禁イヤだもん』をご鑑賞いただこう。元曲『失恋レストラン』の歌詞も並べてみたので、その世界観を比較してみてほしい。

 『失禁イヤだもん』                   『失恋レストラン』

苦しけりゃここでおやりよ              悲しけりゃここでお泣きよ
お尻ふくチリ紙もあるし               涙ふくハンカチもあるし               
お腹こわした君の体を               愛がこわした君の心を
やさしく隠す木々もある               やさしく包む椅子もある

ポッカリあいた道の奥に              ポッカリあいた胸の奥に
必死にウン〇を我慢する              つめ込むメシを食べさせる
だって失禁イヤだもん                そんな失恋レストラン
makiwarikunがやってくる             いろんな人がやってくる
好きなコーラでお腹こわして            好きな女に裏切られて
ストッパ忘れたmakiwarikun            笑いを忘れた道化師が
やっぱ失禁イヤだもん                すがる失恋レストラン
もう恐れることもない 今や            もうおどけることもない 今は
キジ撃ちマスター 始末もやってよ        ネェーマスター 作ってやってよ
落ち葉忘れず隠せる                涙忘れるカクテル

見よ!このクオリティの高さを!(自分で言うな!)

私は昔から替え歌に関してはかなりのこだわりを持っており、大学時代のバドミントン部仲間の結婚式を初めとして様々なシチュエーションで数多くの素晴らしい替え歌を披露してきた。なんとか笑いを取りたい一心で、その場に相応しくない歌詞になることが時々あったのは、若気の至りということで…(G氏よ、結婚式という一世一代の晴れの席で、悲惨な人生なんて歌ってしまい申し訳なかった!)

私の替え歌におけるこだわりとは次のようなものである。
1.元曲の歌詞を出来るだけ残しつつ、元曲とまるでかけ離れた世界観を表現する。
2.出来る限り元曲の歌詞の韻を踏む。
3.品詞は原則として元曲と合わせながら、違う言葉を用いる。

時々、テレビで替え歌選手権みたいな番組を放送している事があり、プロの技はどんなもんかと注意して観るのであるが、ただ面白いことを曲に合わせて歌っているだけという作品が多くてがっかりする。芸人ならば替え歌の何が面白いかを理解してろよ!と思わず突っ込みたくなる。(あるいは放送作家が書いてるのか?)

私が完璧な替え歌だと感心したのは、昔『ボキャブラ天国』という番組で目にした次のような作品である。槇原敬之の名曲『もう恋なんてしない』のサビ部分のパロディであるが、あまりの面白さに今でも強烈に印象に残っている。

[るんるん]もう恋なんてしないなんて言わないよ絶対 → [るんるん]毛根なんてしばいたって生えないよ絶対

う~ん、素晴らしい!私もいつかこのようなレベルの高い作品を創作してみたいものである。


さて、最後の山行から2ヶ月あまりが経過したが、整腸薬『ミヤリサン』の効果なのか日常生活においても下痢になることがめっきり減ったので、試運転がてら久々に山に向かうことにした。ターゲットは今年の1月30日にチャレンジしたものの、時間切れ(日没)のために大菩薩峠までしか行けなかった大菩薩嶺である。ここは今年に登った山の中でも珍しく便意を催さなかったという縁起の良い場所であることも、この山を選んだ理由の一つである。(その時の記事はこちら

リベンジなので当然ながらコースは前回と同じ丹波山村からのロングコースである。2ヶ月のブランクにより体力ガタ落ちのmakiwarikunは、果たして大菩薩嶺の頂を踏み、百名山をゲットすることができたのか?

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

日程:2011年4月24日(日帰り)
天候:晴れ[晴れ]

コースタイム:
7:10 ローラーすべり台駐車場 →7:16 越ダワ →8:17 藤ダワ →9:17 追分 →9:52 ノーメダワ →10:59 フルコンバ小屋跡 →11:36 大菩薩峠 →11:52 賽ノ河原 →12:23 大菩薩嶺頂上 →13:00 大菩薩峠 →14:55 追分 →15:35 藤ダワ →15:50 高尾天平 →16:20 ローラーすべり台駐車場

直線距離:28.698km
沿面距離:29.607km
累積標高(+):2693m
累積標高(-):2693m
所要時間:9時間10分

大菩薩嶺地図.JPG
GPSトラックデータ

大菩薩嶺グラフ.JPG
GPSデータグラフ表示


震災後は車に乗るのも自粛していたので、車を運転するのも久しぶりである。4時半に自宅を出て、道の駅たばやまに到着したのは7時前であった。ここで用を足して身軽にしておくことがキジ撃ちを回避するために重要であるが、ここにはウォシュレット付の綺麗なトイレがあるので気に入っている。
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道の駅たばやま(6:59)


前回と同じ、ローラーすべり台の村営駐車場に移動して車を止め、そこから道を隔てたところにある登山口から歩き出した。
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高尾天平登山口(7:11)


久しぶりの山道の感触を楽しみながら、1歩ずつゆっくりと歩を進めるが、ひんやりとした空気がとても気持ち良い。登山口から5分ほどで「越ダワ」という場所に到着した。ここには「工事中・迂回せよ」の標識が掛かっており、前回はこれに従って「高尾天平」へ迂回している。ところが、このコースの事を書いているブログ記事を探していた時に見つけたのであるが、なんと9年前にも同じ標識が掛かっていた事が分かったのである。そこで今回は、工事は既に完了しているのだろうと勝手に解釈して、この巻き道を通ることにした。体力面で大きな不安を抱えているので、少しでも楽な道を歩きたいという意識が働いたものだと思われるが、この判断はあまり良くなかったようだ。
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越ダワ(7:16)


巻き道は最初は快適で、崩れている場所の修復もなされているようであったが、後半部分は何箇所か修復されていない箇所があった。崩れている場所の通過に緊張を要したので写真は撮っていないのだが、木の根元や大きめの岩など、しっかりしている足場を探しながら慎重に進んだが、かなりの急斜面なので滑った時には果たして止まれるのか自信はない。
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越ダワ~藤ダワの巻き道(7:33)


なんとか難所を切り抜け巻き道を進んで行くと、やがて舗装道路に合流したが、道標が設置されておらず、どちらに進んで良いのか分からなかった。GPSで次のポイントである「藤ダワ」を確認すると、左方向(下り道)を示していたので、そちらに進むことにしたのであるが、登山道がなかなか見つからないばかりか、さらに進んで行くにつれ、GPSは「藤ダワ」までの距離が段々と離れて行きだした。途中で崖が崩れている場所があったが、先の地震で崩れたのであろうか。
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崖崩れ(8:02)


「これはおかしい!?」と思ったので、さきほどの合流地点まで戻ることにした。道に迷った場合には、とにかく分かる所まで戻るのが山での鉄則である。坂道をトボトボ登って合流地点まで戻り、「こっちは反対方向なんだけどなぁ?」と思いつつ右方向(登り道)に進んで行くと、道はやがてヘアピンカーブを描き180度回転しており、その舗装道路の終点が「藤ダワ」への入口であった。結局、この道迷いによって「高尾天平」を経由した場合よりも時間も体力も逆にロスしてしまう結果となった。人間、楽をしようとすると全くロクな事がない!(というか、地図を持たないで山に入るmakiwarikunの神経の方がどうかしていると思う。)
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藤ダワ(8:17)


「藤ダワ」から細かなアップダウンを繰り返しながら進んで行くと、やがて沢沿いの雰囲気の良い場所に辿り着く。1月に来た時には、川の水が凍っており、雪によって進むべき方向が少し分かりにくくなっていた場所であるが、せせらぎの音が耳に心地良い。
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沢沿いの道(8:55)


短い橋を3度ほど渡り、さらに緩やかな傾斜の登山道を進んでいくと、やがて「追分」に到着した。ここは、雲取山などの石尾根に連なる山々の見晴らしが良い場所であるが、ここでザックを降ろし、景色を楽しみながら5分ほどの短い休憩を取った。
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追分(9:17)

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前回(1月30日)に撮影した雲取山方面の写真(この日も同じ景色が広がっていた。)

「追分」から「ノーメダワ」までの道は、平坦で広い道が続いており、とても歩き易い。大菩薩峠までのこのコース、個人的には歩き易くて非常に気に入っているのであるが、距離が長いことが敬遠されているのか、ほとんど人と会うことがない。結局、この日も高尾天平の登山口から大菩薩峠まで往復20km以上の間に出会った人は1人だけであった。そのかわり、山に登りだしてからかれこれ1年半になるが、この日初めてカモシカの姿を目にすることができた。シカ、サル、リス、イノシシには何度も遭遇しているが、これでまた山で出合った動物が増えることとなった。願わくば、今年の夏は北アルプスでライチョウの姿を見たいと思っているが、クマさんとの鉢合わせだけは御免被りたい。


「ノーメダワ」のすぐ手前で、巨木が根元から倒れている姿を目にすることになる。台風になぎ倒されてしまったのであろうか?この姿を見てしまうと、大自然の猛威への畏怖と命のはかなさを感じずにはいられない。これは震災の後だからこう感じるのであろうか?

改めまして先の地震と津波で亡くなられた方のご冥福を心よりお祈りします。
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根元から倒れている巨木(9:48)


やがて少し広くなっている「ノーメダワ」に到着したが、ここにはベンチも置いていないので写真だけ撮ってスルーした。「ノーメダワ」で道は左右に分かれている。大菩薩峠を示す道標が左に進む道にあったので、今回も前回と同じくその道を進んだのであるが、ガイドブックの地図によれば右に進む道もフルコンバ小屋跡に通じているような感じである。次回はそれを確かめるために右の道を進んでみたいと思う。
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ノーメダワ(9:52)


「ノーメダワ」から約1時間で「フルコンバ小屋跡」という広い場所に到着したが、小菅村方面の道は崩落のために通行止めとなっていた。前回は通行出来ていたので、これも先の地震による影響であろう。
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フルコンバ小屋跡(10:59)


大菩薩峠に近付くにつれ、あまり日光が当らない場所では雪が少しだけ残っていた。もう雪はないだろうとアイゼンは持参してなかったが、凍っていて危ないと感じるような箇所はなかった。
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雪が僅かに残る登山道(11:13)


そして大菩薩峠に到着したが、前回よりも早いペースだったことに驚いた。間違いなくスタミナが落ちている筈なので、前半部分は意識してゆっくり歩いたのであるが、後半部分は雪がない分だけ前回よりも早く歩けたのだろう。
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大菩薩峠(11:36)


前回は雲に霞んでいた南アルプスと富士山であるが、この日は雄大な景色を復活したmakiwarikunに見せてくれた。頑張ってここまで登ってきた甲斐があったというものである。
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南アルプス(11:39)

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富士山(11:46)


大菩薩峠の標識の奥に見える小さいピークが「親不知ノ頭」であるが、峠からは10分程度で到着する。
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親不知ノ頭(11:49)


親不知ノ頭から下った鞍部は「賽ノ河原」と呼ばれる場所であるが、昔はここが大菩薩峠があったということである。風の通り道にあたり、遭難が相次いだため、明治のはじめに現在の場所に移されたそうだ。大菩薩峠から大菩薩嶺までの稜線は、この日も風がゴーゴーと吹いており、そこに至るまでの道がほぼ無風だっただけに、ここでも大自然の驚異を感じた。
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賽ノ河原(11:52)


そして遂に大菩薩嶺の頂上に到着したが、大菩薩峠の立派な標識に比べてその山頂標識のショボイことよ。山頂は森の中にあり、眺望が全く得られないので、ここは証拠写真1枚だけ撮ってサッサと来た道を引き返した。
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大菩薩嶺頂上(12:23)


大菩薩峠への尾根道は八ヶ岳や南アルプスを右手に見ながら歩けるとても気持ちの良い場所であるが、風は相変わらず強くていよいよ寒くなってきた。大菩薩峠に着いた時にザックから長袖のシャツを取り出し着込んだのであるが、そんなものではとても防ぎきれる寒さではない。車の中に薄手のダウンジャケットを置いてきた事を悔やむが完全にアフター・カーニバルである(ああ ”後の祭り”ね!オマエはルー大柴か!?)。
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大菩薩峠への尾根道(12:35)

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八ヶ岳(12:48)


大菩薩峠に建つ介山荘にはこの日多くの方が休憩を取られていたが、自分も大菩薩嶺を征服した証として山バッチを購入した後にベンチで食料補給させていただいた。
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介山荘(13:00)


復路ではさすがに疲れを感じたが、久々の山行でこれだけ歩ければ十分過ぎる結果であろう。心配していたお腹の方も実に安定しておりキジ撃ちの不安は微塵も感じなかった。makiwarikun完全復活の日は近いか?!
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復活の喜びを表現するmakiwarikun(14:57 追分にて)


【反省】
・やはり迂回せよという看板を無視して巻き道を通ったのは危険であった。その巻き道を100回通れば99回は大丈夫だと思われるが、おそらく1回は事故ってしまうであろう。登山では事故が起きた時には命に係わるので、1%の危険でも感じた時にはそれを回避すべきである。
復路では「藤ダワ」に到着した時には非常に疲れていたので、よっぽど楽な巻き道を通って帰ろうかとも思ったが、疲れているからこそ「高尾天平」に登る道を選んだのは正解であった。疲れた足では万一滑った時に踏ん張れないだろう。

奥久慈での悲劇(西金駅~男体山~月居山~袋田駅) [登山]

私が住んでいる千葉県というのは、山ノボラーにとっては実につまらない所である。県内の最高峰(愛宕山)はわずか408mしかなく、全国の都道府県の中で500m以上の山がないのは千葉県だけだ。従って、ちょっとした山に登りたくなった時には、どうしても奥多摩や丹沢に出掛けることになるのであるが、お隣の茨城県で登るのに良い山があればなぁ…と思っていた。

茨城県の名峰といえば百名山にも名を連ねる筑波山(877m)が有名であるが、筑波山には既に20回近く登っているので、さすがにもう飽きた。そこで、他にどこか良いコースはないものかと探していたところ、ブログを訪問させていただいている『昔の山男』ことtochimochi さんの記事で、奥久慈の男体山(654m)から袋田の滝に抜けるコースが紹介されていた。その記事によると、男体山はクサリ場が多くてなかなか楽しそうだし、最後に茨城県屈指の観光地である袋田の滝を観光できるのも良い。ということで私もtochimochi さんと同じコースを歩くことにしたのであるが、その前に私にはクリアしなければならない問題があった。

そう、このところ山に入るとかなりの確率で強烈な便意に襲われてしまうのだ。最近は”キジ撃ち”関連の記事ばかりで恐縮であるが、軽いタッチの文章に反して私にとっては極めて深刻な話であり、決して大袈裟ではなくこれからも山を続けるかどうかを左右する大問題である。山に入る都度”キジ撃ち”の恐怖に怯えているようでは、とてもじゃないが山を続ける気にはならない。

便秘症の方々から、下痢症の私の事が羨ましいと言われることがある。便秘症の方は、ウン〇の際には常に残糞感(残便感?)があるらしく、下痢になってみてスッキリ感を味わいたいのだそうだ。”隣の芝生は青い”とは正にこのことである。便秘症の人にはもちろんそれなりの悩みがあるだろうが、いつウン〇を漏らしてしまうかもしれないという恐怖に比べれば遥かに軽い悩みではないかと思う。

前回の雲取山では、自分なりに考えられる対策を完璧に講じたつもりであったのだが、その甲斐もなく無残にも下痢による”キジ撃ち”再発動の憂き目にあった。ただ、その災難にも係わらず、雲取山の山頂を踏むことができ、キジ撃ちマスターの称号を得ることができたのは不幸中の幸いであった。山で色んな経験を積むことによって精神的に随分と逞しくなっているのは間違いない。

雲取山で下痢になってしまったのは、やはりお腹が冷えてしまったのが原因であると判断した私は、今回次のような2つの対策を新たに講じることにした。

1.メリノウールのアンダーウェア
メリノウールとは、メリノ種という羊の毛が原料の羊毛の中でも最高級とされるウールで、その特徴は保温性・断熱性に優れており、更に、汗などの水蒸気を吸着することで吸着熱という熱を繊維自体が発生させるというもの。また、ウェア内を常に乾いた状態に保つため、いつまでも断熱効果を維持することができるらしい。つまり、お腹を冷さないためには理想的な素材ということだ。はっきりいってユニク〇のシャツなら10枚は買えるのではないかと思われるくらいお値段も相当なものであったが、この際多少の出費は止むを得ない。

2.ホットカルピス
1/30 に大菩薩峠に行った際にハイドレーションのチューブの水が凍ってしまった反省から、雲取山では凍る前に小まめに水分補給をしたのであるが、これがお腹を冷す直接の原因となってしまったと思われる。そこで今回はハイドレーションは使わずに、魔法瓶に熱々のホットカルピス(ほっとレモン味)を入れて持っていくことにした。

果たしてmakiwarikun は今回こそ”キジ撃ちジンクス”を打破して、安らかな気持ちで袋田の滝を眺めることができたのか?

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

日程:2011年2月27日(日帰り)
天候:晴れ[晴れ]

コースタイム:
6:57 袋田駅 [電車] 7:10 西金駅 →7:27 湯沢温泉 →8:03 古分屋敷 →8:12 大円地 →9:05 男体山山頂(5分休憩) →11:21 月居山山頂 →12:24 袋田駅

直線距離:14.461km
沿面距離:14.984km
累積標高(+):1423m
累積標高(-):1401m
所要時間:5時間14分

男体山地図.JPG
GPSトラックデータ

男体山グラフ.JPG
GPSデータグラフ表示

自宅を5時に出て、柏インターから常磐自動車道を北上し袋田駅に向かう。当初の予定では、袋田発7時27分の電車に乗るつもりでいたのであるが、道が空いていたことにより予定より30分も早く到着し、1本前の電車にギリギリ乗り込むことができた。まずは幸先よしである。
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袋田駅の駐車場(帰りに撮影)

袋田駅には券売機も自動改札もなかったので、どうやって運賃を払うのだろうと思いつつ乗車したのだが、そのうち車掌さんが回ってこられたので、声を掛けて運賃の200円を支払った。
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西金駅(7:10)

西金駅からは登山口まで舗装された道を1時間ほど歩くことになるが、途中で湯沢温泉~古分屋敷~大円地と呼ばれる集落を経由していく。歩くにつれて男体山の姿が段々と大きくなってきたが、急峻な岩場を目の当たりにして、あれの一体どこを登っていくのだろうかと少々不安になった。この岩場はかって修験者が悟りを開く宗教上の秘所であったらしい。
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古分屋敷から眺めた男体山(8:06)

一時間ほど歩いたところに綺麗なトイレがあったので、ここで用を足しておいた(今回は小のみ)。10台ほどの駐車スペースもあったので、ピストンする場合はここに車を置いて歩き出すことができる。
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古分屋敷の先にある駐車場とトイレ(8:09)

やがて大円地山荘という蕎麦屋の前を通り過ぎると、やっと登山道らしい細い道が現れた。
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大円地の手前にある蕎麦屋(8:12)

登山道はすぐに健脚コースとの分岐に達する。クサリ場の練習が今回の目的の一つなので、ここでは左に曲がり健脚コースを進むことにした。
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大円地の先にある健脚コース分岐(8:15)

健脚コースは初め杉林の中を進んでいくが、岩でゴツゴツとした足場の結構な急斜面であった。このところ整備された歩き易い山道ばかりを歩いていたので、久しぶりの感触に気が引き締まった。
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健脚コースの登山道(8:19)

やがてお目当てのクサリ場が現れ出したので、安全のためにストックを畳んでザックに装着した。クサリ場はかなりの急斜面となっているが、滑りにくい岩質の足場はしっかりしており、ホールドも豊富にあるので、基本である3点支持を守って着実に登れば、不安に感じる場所はなかった。途中で展望台と呼ばれる岩頭があるが、10名ほどの賑やかな団体さんが休まれていたのでここはスルーした。
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健脚コースのクサリ場(8:38)

いくつものクサリ場を登っていくとやがて男体山山頂に到着した。50分掛けて標高差400m以上を一気に登ったことになるが、ここではまだ疲れをほとんど感じていなかった。
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男体山山頂(9:05)

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男体山山頂標識(9:07)

男体山山頂で5分ほど休憩してから、月居山(つきおれさん)・袋田の滝を目指して気持ちの良いハイキングコースを歩き出した。このコースには所々に下の写真のような明瞭な道標が立っており、道迷いの心配はほとんどなかった。途中で2箇所ほどやや不明瞭な場所があったが、辺りを見回すと赤いテープか赤いペンキで進むべき方向が示されていたので全く問題はなかった。
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男体山~月居山のハイキングコース(9:59)

10時頃までは非常に順調に歩いていたのであるが、そのうち段々と息苦しくなり気持ち悪くなってきた。この日は気温が高かった為に大量の汗をかいてしまい、どうやら脱水症状になってしまったようである。お腹を冷さないようにと、熱々のホットカルピスを魔法瓶に入れて持ってきたのであるが、これが仇となった。熱いが為にゴクゴクと飲むことが出来なかったので、発汗量に比して水分補給が足りなくなってしまったと思われる。これまで休憩らしい休憩も取ってなかったので、ここでは腰を下ろしてホットカルピスを少しずつ時間を掛けて飲むことにした。

しかし、流石に大枚をはたいて購入したメリノウールのシャツだけのことはある。大量の汗を吸収しているにも係わらず、肌触りは相変わらずサラサラであり、冷たさを全く感じない。その上、消臭効果もあるようで、いつもの中年オヤジ独特の汗臭さもしないではないか。

更に悪いことには、以前から痛めていた右足首の状態がやっぱり思わしくない。前日に1ヶ月ぶりにバドミントンの練習をしたのが良くなかったのかもしれないが、右足首を少しでも捻った感じで着地するとかなり痛いのである。仕方がないので、コースの後半部分はとにかく歩幅を狭めて着地の際の衝撃をなるべく小さくするようにした。

やがて第2展望台→第1展望台と見晴らしの良い場所に辿りついたが、どうした訳か第2展望台が刻まれた岩は寝ているのに対して、第1展望台の方の岩はビンビンに立っていた。(なんか羨ましいぞ!)
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第2展望台(10:34)

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第1展望台(10:45)

第1展望台は鍋転山(423m)という山の山頂に設置されている。
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鍋転山山頂(10:46)

そして、第1展望台から月居山へ向かう途中で、遂に最も恐れていた事態が訪れたのであった。そうである、またしても便意が高まってきたのだ。いつも通り小さなオナラが小刻みにプップップッと出てきたことがその前兆であった。もはや”キジ撃ち”に関してはベテランの域に達した感のあるmakiwarikun の見立てに間違いはない。

こうなればキジ撃ちマスターの称号を得ているmakiwarikun にもはや迷いはない。早速”キジ撃ち”場所の選定作業に入った。ところが雲取山の時と違って今回は適当な場所がなかなか見つからない。

私は”キジ撃ち”場所の条件として重要な順から次のように考えている。
1.平坦な場所であること
2.人が立ち入らない場所であること
3.登山道から見えないこと

このうち1と2の条件はクリアしている場所はあるのだが、残念ながら登山道からはモロ見えなのだ。しかし、この際贅沢を言っている場合ではないので、覚悟を決めて実行することにした。幸いにもこの日同じコースを歩いている人は少なく、男体山からここまでわずか1組の団体さんとすれ違っただけなので、”キジ撃ち”中に誰かが来る確率は極めて低い筈である。そして前回同様、足場を均してから素早く事を済まし、念入りに落ち葉を掛ければそれで終了である。
ザッツ・オール!!

キジ撃ち場所のすぐ先が月居山であったが、ここにも誰一人として居なかった。
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月居山山頂(11:21)

月居山から袋田の滝は目と鼻の先にあるが、度重なる”キジ撃ち”によって茫然自失気味のmakiwarikun は、もはや名瀑を観光しようなんていう気持ちは失せていた。今回こそは下痢に対する完璧な準備をしてきたつもりだったのに一体何が悪かったのか?自分の中でこの日の出来事が全く消化できずにいたのである。「こんな調子では、もう山を止めなければならないかなぁ…」なんてすっかり弱気になっていた。とにかく、この時は1秒でも早く家に帰って、ゆっくりと休みたいとだけ思っていた。

袋田の滝の下流には数多くの土産店が建ち並んでいるが、日曜であるこの日はどこも観光客でごった返している。幸せそうに笑っている観光客の目を避けるようにして、肩を落としたmakiwarikun はトボトボと袋田駅に向かう。そして奥久慈名物のこんにゃくを食べている観光客を見てこう思った。
「お通じが良くなるこんにゃくなんて嫌いだよ!」

【感想等】
・今回は色々とあって悲惨な山行となってしまったが、コース自体はなかなか気に入ったので、紅葉の季節にでも再び訪れてみたいと思った(山を止めていないことが前提であるが…)。

・小手先の対策では”キジ撃ちジンクス”を打破することは出来ないと悟ったので、もう少し根本的な対策を講じる必要があると思い色々と調べた結果、『ミヤリサン』という整腸剤があることを知った。『ミヤリサン』とは、整腸生菌成分の一つであり、生物で最も耐久性があると言われている芽胞を形成する酪酸菌(宮入菌)を主成分とした整腸薬のことで、この酪酸菌(宮入菌)が腸内有益菌の働きを高め、有害菌の働きを抑えることによって整腸作用を示すらしい。『ミヤリサン』によって下痢症が治ったという数多くのユーザーレポートを読み勇気付けられた私にも果たして効果はあるのであろうか?
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最終兵器『ミヤリサン』

・『ミヤリサン』による整腸効果の検証と足首の状態が完全に戻るまで、とりあえず3月の1ヶ月間は山に向かわず休養することにした。4月の第1週末はバドミントンの試合に出るつもりなので、次回の山行は4月の第2週末になる予定である。

3月3日現在の体重 ?㎏(目標達成まであと?㎏減)
傷心のmakiwarikun はとてもスポーツジムに行く気にならず体重も計っていない。



ジンクスを打破せよ!(鴨沢~雲取山、日帰り) [登山]

皆さんは何か自分だけのジンクスをお持ちだろうか?

ジンクスとは、元々は英語の「jinx」から来ており、本来の意味は縁起の悪い言い伝えのことを指す。例えば、プロ野球の世界で1年目に新人王を獲得するなど大活躍した選手が翌年には成績が伸び悩むケースが多いことから”2年目のジンクス”という言葉が有名である。

一方、日本語の「ジンクス」は、必ずしも悪い意味といわけではなく、単に”縁起担ぎ”という感じで使われることが多い。勝負運を高めようとして恋人の陰毛を持ち歩くとか、金運を呼び込もうとして財布の中に蛇の抜け殻を入れるといった事が例として挙げられる。

私にとって縁起の悪い方のジンクスとして、雲取山に行った際に強烈な便意を催すという実に困った生理現象が確立しつつある。この1年間で4回雲取山にアタックしているのであるが、そのうち2回はこのジンクスによって頂上を踏むことなく敗退している。

1回目のピンチの時はなんとか奥多摩小屋のトイレに駆け込むことがことができたのであるが、2回目のピンチの時には遂に人生初の”キジ撃ち”(野グ〇)を経験してしまった。文字通りヤケクソになったmakiwarikun が「ウン〇の神様」という名曲を発表したのは記憶に新しいところだ。
(お忘れになられた人の為に下に再掲しておく。)

ウン〇の神様(作詞:makiwarikun)
[るんるん]雲取山には~ それはそれはくっさい~ ウン〇の神様がいるんやでぇ~[るんるん]
(植村花菜「トイレの神様(2010年)」のメロディーでどうぞ!)

雲取山は私の大好きな山である。これからも何度となく訪れる筈であるから、その度に野グ〇のピンチに襲われていたのではたまったものではない。なんとしてもこのあたりでこのジンクスを打破しておかねばならない。という訳で雪が積もった雲取山に再び向かうことにした。

果たしてmakiwarikun はこのジンクスを打破して雲取山の頂上を踏むことができたのか?

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

日程:2011年2月19日(日帰り)
天候:晴れ[晴れ]

コースタイム:
6:42 鴨沢駐車場 →7:02 小袖乗越 →8:07 堂所 →9:10 ブナ坂(10分休憩) →10:02 奥多摩小屋前(10分休憩) →10:50 雲取山山頂(5分休憩) →11:30 奥多摩小屋前(5分休憩) →12:05 ブナ坂 →12:53 堂所 →13:42 小袖乗越 →14:00 鴨沢駐車場

直線距離:23.132km
沿面距離:23.938km
累積標高(+):2133m
累積標高(-):2132m
所要時間:7時間18分

雲取山地図.JPG
GPSトラックデータ

雲取山グラフ.JPG
GPSデータグラフ表示

雲取山に登る際はいつも公共交通機関を乗り継いで登山口である鴨沢まで行くのであるが、今回は車を運転して行くことにした。なぜなら雲取山が涼しい山だからである。(んっ?なんで???)
雲取山=涼しい山→クール マウンテン→クールマ ウンテン→クルマ ウンテン→車 運転
バンザーイ!!バンザーイ!!

冗談はさておき本当の理由は、公共交通機関で行った場合にはバスの運行時間の関係により行動時間が7時間半しか取れないので、現在の体力および右足首の状態では、鴨沢~雲取山を時間内に往復する自信がイマイチ持てなかったからである。

自宅を4時に出て鴨沢バス停前の駐車場に到着したのが6時半。この時期の駐車場はガラガラだと思っていたのだが、予想に反して私の車でちょうど満車となった。やはり、14日に多くの雪が降った直後の土曜日だけに、私と同じように雪をまとった雲取山を歩くのを多くの人が待ち望んでいたということであろう。

今回の登山は、ジンクスの打破が目的なので、そのために考えられる対策は全て講じることにした。
1.お腹が冷えることにより下痢になっているものと考え、熱いコンソメスープを魔法瓶に詰めて持って行き、時々これを飲むことによりお腹が冷えないようにした。
2.以前に下痢になった日の朝にはチーズを食べていたような気がしたので、前日及び当日の朝にチーズやヨーグルトなどの乳製品を口にしないようにした。
3.当然ながら腸内残物が少なければリスクを減らすことが出来る筈なので、鴨沢バス停のトイレで用を足しておいた。
4.下痢止薬「ストッパ」を”転ばぬ先の杖”として歩き出す前に1錠飲んでおいた。

完璧である。これでは流石のゲリピー野郎も今回は出る幕がない筈だ。

雲取山への山行記事は既に4回も公表しているので、今回はコースの解説と写真はほとんど省略させていただくことにする。

それにしても、改めて過去の記事を読み返してみると、作風が最初の頃から随分と変っていることが分かりなかなか面白い。下に昨年の雲取山に向かった日を記すので、興味のある方はクリックして確認していただきたい。
1.2月21日(日帰り、登頂)
2.5月22日(テント泊、敗退)
3.8月14日(テント泊、登頂)
4.12月31日(日帰り、敗退)

雪を求めて訪れたこの日の雲取山であるが、残念ながら積雪量は全くの期待外れであった。堂所までの道で雪が積もっている箇所は半分程度しかなかった。更に前日の雨でシャーベット状になった雪が朝の冷え込みによってカチコチに凍ったらしく、雪というよりは氷の上を歩いているようである。適当な積雪量であれば、登山道のデコボコを均してくれる上にクッションにもなるので非常に歩き易くなるのであるが、こんな状態ならば雪が無い方が遥かにマシである。

堂所までは鴨沢から1時間25分掛かったが、コースコンディションの割には順調といって良いペース。堂所から先は傾斜が段々と急になってくるので、ここで安全のためにアイゼンを装着して進むことにした。

そして、七ツ石山の巻き道をブナ坂に向かっている時、恐れていたことが起こった。そう、お腹の調子がなんとなく悪いのである。あれだけ完璧な対策を講じたのだから、きっと気のせいだと願いながら歩き続けるが、時の経過につれ便意は増すばかりであった。認めたくはないけれど、いよいよ現実を直視しなければならない時が来たと思い、再び下痢止薬『ストッパ』を1錠口に含んで暖かいコンソメスープを飲んだ。

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ブナ坂(9:20)

そしてなんとかブナ坂に到着したのであるが、便意はMAXの80%ほどに達していたので、ここで重大な決断を迫られることとなった。選択肢は次の3つ。
1.このまま進み奥多摩小屋のトイレまで我慢する。
2.大晦日にキジ撃ちした場所を目指して引き返す。(余裕があれば七ツ石小屋へ向かう。)
3.この周辺で新たなキジ撃ち場所を開拓する。

まず1の選択肢であるが、ブナ坂から奥多摩小屋までは少なくとも30分は掛かる筈だし、途中には身を隠すことができるような場所もなかった筈なので、これはリスクが大き過ぎると判断して、真っ先に捨てた。

次に2の選択肢であるが、前回がそうであったように、15分程度であっても一旦引き返してしまうと心が折れてしまい、なんとしてでも山頂を踏んでやるんだという気力がなくなってしまいそうなので、これも捨てることにした。

となると、ブナ坂の周辺でキジ撃ちできそうな場所を探すことになるのであるが、唐松谷方面への下り道にはトレースがついてなかったので、そちらへ進んでいくことにした。そしてブナ坂から30mほど下ったところで脇に入っていき、そこに現れた平坦な場所を今回のキジ撃ち場所と決定した。

素早く1m四方の雪を踏み固め周辺より30cmほど低くなった天然トイレを作るやいなや、電光石火の如く事を済ませた。後始末は周りの雪をサッと被せるだけである。我ながら実に鮮やかな手際の良さだ。「山を歩いている時にウン〇をしたくなったらどうしよう…」などとビクビク怯えていた頃のmakiwarikun とはもうおさらばだ。凄いぞmakiwarikun !君こそキジ撃ちマスター だ。

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キジ撃ち場所を求めてさまよったmakiwarikunのトレース

無事にキジ撃ちを果たしたmakiwarikun は、なにくわぬ顔で山頂を目指して再び歩き出す。すれ違う人に対してはニッコリ微笑んで「こんにちは~[グッド(上向き矢印)]」と明るく挨拶を交わす。誰一人として私がつい先程キジ撃ちをしたばかりだとはこれっぽっちも思わないであろう。

ブナ坂は標高が1650mほどだから、さすがにその先の石尾根は雪が多いだろうと思っていたのであるが、この期待もあっけなく裏切られた。昨年2月21日の写真と比べてみると、今回は茶色い地肌が目立っている。

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思いのほか雪が少ないブナ坂付近の石尾根

石尾根.JPG
昨年2月21日の同じ場所の様子


そしてキジ撃ちから30分後、奥多摩小屋前のベンチまで来た時に休憩がてら一人写真を撮ることにした。その写真がこれである。題して 「フオッ フオッ フオッ ケムール人だ!」
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奥多摩小屋前にて(9:54 キジ撃ち30分後のmakiwarikun。すっかり立ち直っている)

ケムール人というのは、特撮テレビ番組『ウルトラQ』を始めとするウルトラシリーズに登場した架空の宇宙人のことで、下のような容姿をしている。(次回は黒の全身タイツが必要だな)
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小雲取山への急斜面が、このコースで唯一といっていいキツイ場所である。ヒーコラしながら休み休み登って行くが、ピークに達した時に振り返るとそこには富士山の雄大な姿が見えた。
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小雲取山から富士山を臨む(10:27 写真ではショボイなぁ…)


雲取山避難小屋が見えだすと山頂は目と鼻の先である。この辺りまで来ると、さすがに雪は深くなってきたが、それでも山頂直下の斜面ですら茶色い地肌が見えている。
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雲取山避難小屋が見えれば頂上はもうすぐだ(10:40)


そして出発から4時間あまり、ようやく雲取山頂上(2017m)に到着した。
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埼玉県の山頂標識(10:50)

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東京都の山頂標識(10:50)

山頂からの眺めはまぁ良い方と言っていいだろうか。南アルプスの山々が見えてるような雲がかかっているような中途半端な感じである。今回は積雪量といい景観といい、なんだかすっきりとしない。
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山頂から飛龍山越しの南アルプスを臨む(10:51)

復路はとにかく慎重にゆっくりと下った。気温の上昇によって雪が溶け出してきていたので、一層滑りやすくなっていたからである。加えて硬い氷状になった雪の上を長時間歩いたことによる右足首のダメージは大きかったようで、痛みも限界に達していた。

そして出発から7時間20分弱、なんとかスタート地点である鴨沢BS前の駐車場に一度も転ぶことなく無事戻ることができた。残念ながら今回は不満の多い山行となった。


【感想】
・今回は結局ジンクスを打破することができなかったばかりか、コースコンディションと右足首の状態が良くないといった様々な逆境の中で、7時間半を切るペースで鴨沢から山頂まで往復することが出来たのは、体力面での収穫ではあった。今年中に再び雲取山に雪が積もることがあれば、またチャレンジしたいと思っている。
・『シコふんじゃった(1992年)』という映画の中で竹中直人が演じる大学相撲部員が試合になると緊張のために必ず下痢になるというシーンがあったが、山に登っているという緊張感が下痢を呼び込むのであろうか?いずれにしても、抜本的な対策を検討しないといずれは山には登れなくなる日が来るかもしれない。北アルプスの森林限界を超えた人通りの多い表銀座コースでピンチに見舞われた時の恐怖を考えると夜も眠れない。


2月23日現在の体重 72.9㎏(目標達成まであと7.9㎏減)
ダイエットの方は約1ヶ月間で2.4㎏の減少と計画通り順調に進んでいる。

峠だからってなめんなよ!(丹波山村~大菩薩峠) [登山]

1月30日(日)。その前週に予定していた大菩薩峠に行くことにした。大菩薩峠および大菩薩嶺は、南側の上日川峠もしくは丸川峠から向かうのが一般的であり、私の持っているガイドブック(『ヤマケイアルペンガイド4.奥多摩・奥秩父』)にもそのコースが紹介されているが、ダイエットのためにもガッツリ歩きたいmakiwarikunは、北側の丹波山村からのロングコースを使うことにした。

厳冬期にこのロングコース。果たしてmakiwarikunは無事に大菩薩峠から戻ることができたのか?

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

日程:2011年1月30日(日帰り)
天候:晴れ[晴れ]時々曇り[曇り]

コースタイム:
8:10 ローラーすべり台駐車場 →8:54 高尾天平 →9:09 藤ダワ →10:07 追分 →10:44 ノーメダワ →12:05 フルコンバ小屋跡 →12:44 大菩薩峠 →14:56 追分 →15:42 藤ダワ →16:20 ローラーすべり台駐車場

直線距離:22.763km
沿面距離:23.577km
累積標高(+):2209m
累積標高(-):2209m
所要時間:8時間10分

大菩薩峠地図(実際).JPG
GPSトラックデータ

大菩薩峠グラフ(実際).JPG
GPSデータグラフ表示

当初の予定では、道の駅「たばやま」に車を止めて登山道まで歩くつもりでいたのであるが、登山口まではかなり遠いことに気付いたので、登山口に向かって車を走らせたところ、ラッキーな事に登山道のすぐそばにローラーすべり台の駐車場を発見した。

後で調べたところ、このローラーすべり台は、平成2年7月にふるさと創生資金により完成した滑り台で、当時は日本一長い(全長247m、高低差42m)ローラーすべり台だったらしい。冬季は営業していないようで、この日も遊ぶことはできなかったのであるが、最近(昔から?)ギャグが滑りっぱなしのmakiwarikunにふさわしい施設なので次回は是非とも遊んでみたいと思っている。

「ローラーすべり台!俺のギャグとどちらがよく滑るか勝負だ!」

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ローラーすべり台駐車場(8:07)


登山口は、駐車場から舗装道路を少し登った右手にある石の階段を登った所にある。
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高尾天平登山口(8:13)

登山道はジグザグに登っていくが、最初から結構な急勾配である。今回のコースは片道11kmほどのロングコースであったが、実は最初のこの登りが最も傾斜がきつかった。なので、10分も歩くと、早くも大量の汗が噴き出してきた。この日、目的地の大菩薩峠付近の予想気温が氷点下15℃になっていたので、防寒対策としてオヤジ丸出しのラクダのパッチ(タイツ?ももひき?)を履いていたのであるが、これは失敗であった。すぐさま、パッチとダウン入りのアウターを脱ぐことにした。

しばらく登ると、登山道は通行できなくなっており、「工事中・迂回せよ」の標識が掛かっている。案内によれば「高尾天平」経由で「藤タワ」に出るとなっているが、ガイドブックの地図にこの道は書かれていない。

仕方がないので迂回の指示に従い、えっちら登っていくと、登山口から40分ほどで東屋やベンチが設置されている平坦な場所に辿り着いたが、ここが「高尾天平」であった。ここまで標高差約300mの登りであった。
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高尾天平(8:54)


「高尾天平」の名の通り、しばらく平坦な場所が続くが、そこから少し下った所が「藤タワ」と呼ばれる場所である。
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藤タワ(9:09)


「藤タワ」からは、緩やかな傾斜で非常に歩き易い道が続く。このあたりではすっかりゴキゲンで、人気アイドルグループ嵐のデビュー曲のサビの部分を何度も口ずさんでいた。若者とのカラオケに備えてダビングした嵐のベスト盤を車の中で聴きながら運転してきたので、すっかり覚えてしまっていたのだ。

[るんるん]ユーアーマイ ソー ソー いーつもすぐそばにある ゆずーれないよ 誰もじゃまできない
体中に風を集めて 巻きおこーせ あーらし あーらし フォー ドリーム [るんるん]

この嵐というアイドルグループ。さすがに只今人気絶頂というだけあって、ノリノリの曲が多くてなかなか良い感じである。最近はカラオケに行くと、若者は嵐の歌ばかりを歌うので、この中年オヤジはほとんど付いていけなかったのであるが、これからはmakiwarikunも女性受けするためにレパートリーに加えてみようかと目論んでいる。そうすれば、「キャーmakiwarikun、ステキー」という黄色い声援を浴びるに違いない。

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藤ダワからの快適な登山道(9:39)

やがて沢沿いの雰囲気の良いところに出るが、なんと川が半分凍っていた。歩いているので寒さは全く感じなかったが、このあたりでおそらく氷点下10℃くらいまで気温が下がっていたものと思われる。この沢のあたりで雪のために道が不明瞭になるところがあるが、辺りを冷静に見回すと進むべき方向が見えてきた。
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凍る川(9:46)


沢から少し登っていくと、やがて小菅村からの登山道と合流する「追分」という場所に辿り着いたが、ここでとんでもないことに気付いた。なんとハイドレーションシステムのチューブの中の水分がカチコチに凍ってしまい、バッグの中の水が出なくなってしまったのだ。仕方がないので、ここから先は休憩の際にバッグから直接水を飲むことにしたのだが、こまめに水分補給をしなかったことを悔やんだ。
ハイドレーションシステム.gif
ハイドレーションシステム

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追分(10:07)

このコースのほとんどは見晴らしの効かない場所を進んでいくが、ここからは雲取山方面の山々が良く見えた。
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追分から雲取山方面を臨む(10:06)


「追分」からは再び平坦に近い緩やかな道が続き、あっけない感じで「ノーメダワ」という場所に辿り着いた。ここも「追分」と同じように、小菅村からの道が合流している。
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ノーメダワ(10:44)


「ノーメダワ」を過ぎると段々と雪が積もっている場所が増えてくるが、凍結しているような場所はないのでかえって歩き易い。
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雪が増えてきた登山道(11:13)


途中で鹿を2頭見かけたが、このあたりの鹿は人間を見かけると全速力で逃げるようである。雲取山や丹沢で見かけた鹿は人に慣れているのか、こちらからすぐ近くまで寄っていかない限り逃げなかった。この時私は、『情熱大陸』というテレビ番組で紹介されていたサバイバル登山家である服部文祥なる人物を思い出していた。番組の中で彼は、大菩薩嶺に何日も山篭りをして、やっと仕留めた鹿を前に「焼肉だぁ~!!」と狂喜乱舞していたからである。「鹿達よ、俺がサバイバル登山家でなくてラッキーだったな…」

「追分」で休憩してから1時間半後、座るのに手頃な倒木があったので、水分補給のために休憩することにした。ただ休憩するだけでは時間がもったいないので、一人写真の大家であるTerry師匠が実演権を放棄したという幻の一人写真に挑戦することにした。それがこれ。
名付けて”アイゼンかつら”だぁ~っ!!
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アイゼンかつら(11:42)
しかしこのギャグ(パロディと言うべきか?)、いったい何人の方から笑っていただけるのか?元ネタである小説『愛染かつら』は1937年という大昔に書かれたものであるし、この小説が何度も映画化されているといっても、最後に映画化されたのは1962年(私が生まれた年だ)である。そういう私も題名くらいはなんとか知っているといったレベルで、ストーリーなど全く知らないのである。なので、今回またしても滑ってしまったのは、決して私のせいではない。それに使用するアイゼンは、写真のような6本爪の軽アイゼンではダメだ。12本爪の本格的なもので、バンドをあご下でしっかり固定しなければならなかった。(そういう問題ではない?)


そして「フルコンバ小屋跡」という少し広い場所に出た。ここも小菅村からの道が合流している。ここでは道が左右に分かれているが、大菩薩峠を目指して左に進んだ。大菩薩嶺を目指すならば右の道を進むことになる。この先で初めて単独行者とすれ違ったのであるが、結局、この日の8時間10分に及ぶ行動時間中に出会った人はこの方だけであった。
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フルコンバ小屋跡(12:05)


フルコンバ小屋跡を過ぎたあたりから、凍結している場所が出始めたので、さきほど頭に載せて遊んだアイゼンを本来の目的に沿って装着することにした。当初、タイムリミットは12時半としていたが、その時刻になってもまだ大菩薩峠に着かない。明るいうちに駐車場まで戻れるか少し心配になってきたが、あと少しの筈なのでゴール(正確には折り返し点)を目指す。
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大菩薩峠間近の雪道(12:39)


そして12時44分、やっと大菩薩峠に到着した。ガイドブックには、ここは多くのハイカーで賑わっていると書かれているが、この日は誰一人として居なかった。ここは風を遮るものがないので、ビュービューと強風が吹いておりメチャクチャ寒かった。
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大菩薩峠(標高1897m)(12:44)


大菩薩峠からは、天気が良ければ南アルプスの絶景が目の前に広がる筈であるが、残念ながら山の上の方は雲で霞んでいた。
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大菩薩峠から南アルプス(北岳、間ノ岳方面)を望む(12:45)


余裕があれば、ここから大菩薩嶺まで往復するつもりでいたのであるが、さすがに無理である。介山荘での山バッチ購入は、大菩薩嶺を征服した時までのお預けとした。
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大菩薩峠に建つ介山荘(12:47)


下山は来た道を戻るだけであるが、所々に自分が登ってきた足跡がはっきりと残っているので、なんだか嬉しかった。おそらくこの日、私以外に同じコースを歩いた者はいなかったと思われる。

そして出発から8時間10分後、無事に駐車場まで戻ることができた。総じて歩き易い登山道で静かな山歩きを楽しむことができた。雪がなくなる頃に、同じコースを今度は大菩薩嶺まで足を延ばしてみたいと考えている。

最後に、下山途中の休憩時に撮影したmakiwarikunのカッコイイ一人写真を載せておく。
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フルコンバ小屋跡付近のmakiwarikun(13:22)


1月31日現在の体重74.0㎏(目標達成まであと9.0㎏減)

不安な時は撤退せよ!(古里駅~川苔山~本仁田山~奥多摩駅) [登山]

1月15日(土)。この日、お互いのブログを訪問しあっている伝説の男前ブロガーが一堂に会することになった。Jetstream777さんとTerryさんと私makiwarikunの3名である。15時に奥多摩駅前の餃子店で落ち合うことにして、それまでは各自が好き勝手に奥多摩の山々を歩くことになったのだ。

奥多摩駅に15時頃に下山できるコースを探した結果、古里駅から赤久奈山(924m)~川苔山(1363m)~本仁田山(1225m)と経由して奥多摩駅に下りるコースを選択した。当初の予定では、標準コースタイムの7割程度のスピードで歩けば13時半頃には奥多摩駅に到着できるので、駅前の温泉施設”もえぎの湯”でさっぱりしてから会合に向かえると考えたのだが、予想に反してこの山行が実にハードなものとなった。

最近は腹痛に転倒に道迷いと困難続きのmakiwarikunであるが、果たして今回はどんな困難に見舞われたというのか?

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

日程:2011年1月15日(日帰り)
天候:曇り[曇り]
コースタイム:
8:22 古里駅 →9:17 川井駅分岐 →9:49 赤杭山 →11:12 曲ヶ谷北峰 →11:21 川苔山 →11:38 舟井戸 →12:46 大ダワ →13:07 コブタカ山 →13:35 本仁田山 →14:56 奥多摩駅

直線距離:15.470km
沿面距離:16.263km
累積標高(+):1908m
累積標高(-):1849m
所要時間:6時間34分

川乗山地図.JPG
GPSトラックデータ

川乗山グラフ.JPG
GPSデータグラフ表示

川苔山計画.JPG
登山計画&結果表


いつも通り7時5分立川発奥多摩行の電車に乗ったのだが、古里駅には8時19分に到着した。古里駅の反対側ホームに渡り改札を出て線路脇の道を奥多摩方向に少し歩くと川苔山を示す道標が現れるので、後は適度に現れる道標に従って行けば良い。この日のコースには道標がイヤというほど立っているので、道迷いのスペシャリストのmakiwarikunでもこの日は全く迷う心配はなかった。

登山口は古里駅から10分ほど歩いた所に現れる標識の先にある階段を登った所から始まる。
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登山口を示す標識(8:30 )

赤杭山への登山道は結構な勾配であり、気温が低いこの日でもしばらく歩くとすぐに汗が吹き出てくる。登山道は道幅が狭いうえに崩落している箇所もあるので細心の注意が必要だ。
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崩落している登山道(9:07 落ち葉が積もっているので一層の注意が必要だった )

川井駅の分岐を過ぎると勾配は緩やかになり、落ち葉の絨毯を踏みしめながら気持ちの良い歩きが楽しめた。
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川井駅分岐(9:17 左折して赤杭山に向かう。)

出発から90分ほどで赤杭山(あかぐなやま)山頂に到着したが、山頂標識はなぜか”赤久奈山”と書かれている。
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赤杭山山頂(9:49 あまり展望はきかなかった )

赤杭山から尾根道をしばらく進むと突如として林道に出会うが、登山道は林道を5分ほど進んだところから再び現れる。
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赤杭山先の林道(10:10 )

登山道は、しばらく山腹を登って行くが、やがて赤杭尾根と呼ばれる尾根道となり、ここから曲ヶ谷北峰まで急登が続く。
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赤杭尾根(10:39 曲ヶ谷北峰まで厳しい登りが続く)

スタミナが落ちている最近のmakiwarikunにとって赤杭尾根は非常に厳しい登りとなったが、休憩を適当に取りながらノロノロと進み、なんとか曲ヶ谷北峰に辿り着いた。
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曲ヶ谷北峰(11:12 左折して川苔山を目指す )

川苔山方向に少し進むと休憩小屋跡の脇に鳩ノ巣駅への分岐(左折)があるが、当然ながらすぐ目の前の川苔山を目指して直進する。そして出発から丁度3時間で川苔山山頂(標高1363m)に到着した。

川苔山(かわのりやま)の名前の由来は、昔、この付近の沢で良質な川苔が採れたために”川苔山”と名付けられたということだ。従って、山頂標識や道標に記されている”川乗山”という表記は誤りであり、これはかつて国土地理院の地形図でそのように誤記されていたことが原因という嘘のような話。
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川苔山山頂(11:21 山頂標識や道標は全て”川乗山”と誤記されている )

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川苔山からの景色(11:22 残念ながら山々の名前が分からない…)


下山は先程の休憩小屋跡まで戻り、鳩ノ巣駅方面への急な道を下って行く。まもなく水場を示す道標が現れたので、水場フリークのmakiwarikunとしては大いに心引かれるものがあったのだが、既に予定よりも20分近く遅れていたこともあり、ここは泣く泣くスルーした。

なおもしばらく進むと、舟井戸と呼ばれる場所に出るが、そこには次のような道標が立っていた。直進する道には”本仁田山、大ダワ方面巻き道”とマジックで書かれており、道幅も太くて歩き易そうである。一方、右折する道には”本仁田山・大ダワ”と記された標識の下に黄色い紙で”通行注意”と書かれているので、普通なら直進するところだろう。しかも、ガイドブックの地図を確認したところ、右折する道には”鋸(のこぎり)尾根”という恐ろしい名前まで付いている。
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舟井戸の分岐(11:38 無謀にも右折して鋸尾根へ進んだのだが… )

ところが、巻き道を進むことになんとなく抵抗があるmakiwarikunは、敢えて右折して鋸尾根を進んでしまった。さすがは”真性M”のmakiwarikunの面目躍如と言いたいところであるが、すぐさまこの判断を大いに悔やむことになる。

鋸尾根をヒーコラ言いながら15分ほど登り、やっとの思いでピークに達したのであるが、そこからの下りが非常に怖かった。まず、落ち葉が大量に堆積しているので足元の状態が良く分からない上に非常に滑り易いのである。更に悪いことには、勾配が急過ぎて、上からはこの先の登山道の状態が把握できないといった有様だった。一応、5mほど下ってみたのであるが、あまりの恐ろしさに即座に撤退を決意した。
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鋸尾根の撤退地点手前(11:52 この先が急勾配になっている)

鋸尾根を舟井戸まで戻り、巻き道を進み直すことにしたのであるが、これにより30分ほど時間をロスしてしまったので、”もえぎの湯”で一風呂浴びてさっぱりする計画はここで断念である。

だが、この巻き道も決して安全な道ではなかったのである。鳩ノ巣駅方面への分岐を過ぎて大ダワに向かう途中、左に大きくカーブしている箇所があるのだが、ここの通過が結構怖かった。道幅が非常に狭い上に道の谷側はスッパリと切れ落ちている。おまけに山側の岩がせり出している所があるので、うっかりザックを引っ掛けてバランスを崩せば死ぬほど怖いだろう。
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舟井戸~大ダワ間の危険箇所(12:42 通過後にホッとして振り返り撮影した )

危険箇所を通過して程なく大ダワという場所に到着した。山にはこの他にも大ダワと呼ばれる場所を良く見かけるが、”ダワ”とは元々は峠のことを指す言葉ということだ。ここからは鋸尾根を見上げることができるのだが、その極めて急な斜面を見てしみじみと「さっきは無理をしないで引き返して良かったなぁ」と思った。やはり山では、少しでも不安を感じた場合は、安全第一で無理をしないことが大切であると再認識した。
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大ダワ(12:46 鋸尾根は悪路・急坂のため通行注意と書かれている)


大ダワから本仁田山への道は、再び急な登りとなるのであるが、ここまでほとんどノンストップで進んできたこともあり、もはやヘロヘロで足が前に出ない。途中にコブタカ山と呼ばれる休憩ポイントがあったので、この日初めて腰を下ろして一息つくことにした。
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コブタカ山(13:07 )

ところが、歩くのを止めた途端にめちゃくちゃ寒くなったので、たった5分ほど休んだだけで、これなら歩いた方がよっぽどマシだと思い、鉛のように重い足を引き摺りながら、この日最後のピークとなる本仁田山を目指すことにした。

そして、本仁田山山頂には13時35分に到着したが、ここには誰も居なかった。
チャーンス!!

この日は一人写真の巨匠としての名声を欲しいままにしているTerry氏との会談を控えているので、どこかで変なポーズの一人写真を撮るつもりで三脚を持参していたのであるが、ここにきてようやく実行することができる。

そこで撮影した写真が次の2枚であるが、全くのノープランだったために意味不明なポーズとなってしまった。う~ん、こんなことではダメだ。Terry氏に一人写真撮影のテクニックを伝授してもらわねば…
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本仁田山山頂(13:38 意味不明な変なポーズのmakiwarikun )

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本仁田山山頂(13:39 更に変なポーズのmakiwarikun )


本仁田山から奥多摩駅方向に下る道は大休場尾根と呼ばれており、急勾配が続く。ガイドブックによれば、本仁田山から奥多摩駅間の標高差は約880mであり、これは北アルプスの涸沢と北穂高岳との標高差に匹敵するとのことである。この標高差を待ち合わせまでの1時間チョイで下りなければならないと気持ちは焦るのであるが、急勾配の下りが大の苦手なmakiwarikunは、ここはゆっくりとしか進めなかった。
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本仁田山から安寺沢への大休場尾根(13:53 )

奥多摩駅まで2.5kmほどの所にある安寺沢に着いた時には、待ち合わせ時間まで残り20分ほどに迫っていたので、ひょっとしたら間に合わないかもしれないと一瞬弱気になったが、”決して諦めない男”ことmakiwarikunはここから必死に走った結果、ギリギリ15時前に到着することができた。

当初の目論見では、オフ会前の軽いウォーミングアップのつもりで臨んだ山行だったのだが、予想外にハードなものとなった。

(長くなったのでオフ会の様子は次回の記事にします。)

波乱続きのリハビリ登山(大倉~鍋割山~搭ノ岳~大倉) [登山]

今年の箱根駅伝は実に面白かった。今年度の学生駅伝3冠を狙う早稲田大学と箱根駅伝3連覇を目指す東洋大学の実力が伯仲しており、最後までハラハラドキドキの展開に大興奮してしまった。

特に、6区の山下りを任された早稲田大学の高野選手の鬼気迫る走りには感動した。凍結した路面に転倒した直後に前を抜く気合と精神力は実にあっぱれ!いや~、新年早々良いものを見せてもらった。

一方のmakiwarikunであるが、大晦日に雲取山に向かい”ウン”悪く(ウン〇悪くと言うべきか?)敗退することになってしまったばかりか、高野選手と同じように山を下っている時に凍結した路面に足を滑らせて転倒してしまった。高野選手と大きく違ったのは、転倒の際に右足の膝と足首を痛めてしまい、新年三が日はほとんど歩くことすら出来なかったことだ。

この怪我さえなければ、昨年と同様に今年も初詣を兼ねて筑波山に初登りに行く予定であったのだが、自分の不注意のせいでこのスケジュールに穴を開けることとなった。そこでその謝罪のために記者会見を開くことにしたのだが…

芸能レポーター:「大晦日の自分にもし一言声を掛けれるなら?」
makiwarikun:「出掛けるのを止めなさいと言いたいです。」
(お前は海老蔵か!)

いつもはイケイケのmakiwarikunであるが、さすがに今回は人生初の野グ〇に加え転倒による負傷によって懲りてしまったか?いやいやとんでもない!喉元過ぎれば熱さ忘れる!!

世間の目が麻木久仁子に向かっている隙を見計らって、海老蔵は懲りもせずに飲みに出かけるのだった…じゃなくて、makiwarikunは再び山に向かうのであった。

しかし、手負いのmakiwarikunにまたしてもハプニングが訪れる。いったいmakiwarikunの身に何が起こったのか!?

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

日程:2011年1月10日(日帰り)
天候:晴れ[晴れ]
コースタイム:
8:40 大倉BS →9:46 二俣 →10:58 後沢乗越 →11:58 鍋割山山頂 →12:32 二俣分岐 →12:53 金冷し →13:12 搭ノ岳山頂 →13:45 花立山荘 →15:22 大倉BS

直線距離:18.480km
沿面距離:19.128km
累積標高(+):1806m
累積標高(-):1806m
所要時間:6時間42分

鍋割山地図.JPG
GPSトラックデータ

鍋割山グラフ表示.JPG
GPSデータグラフ表示

大晦日に負った怪我はほとんど治ってはいるのだが、足首にまだ痛みが残っていたので、今回はリハビリがてら少し軽めの山行計画を立てることにした。そして何度か登ったことのある丹沢の搭ノ岳に行くことにしたのであるが、普段は大倉BS(標高290m)から歩くところを今回は標高の高いヤビツ峠BS(標高761m)から向かうことにした。そして下りの際に鍋割山に寄って名物の鍋焼きうどんを食べようと考えていた。

ところが、秦野駅のバス停でヤビツ峠行きのバスを待っていた時、バス会社の方が、前夜に降った雪のためヤビツ峠行きのバスは蓑毛止まりになると教えてくれた。蓑毛からヤビツ峠までは徒歩で1時間ほどかかる上に、方向オンチの自分が無事に辿り付ける自信もない。そこでとっさの判断で、いつものように大倉から登ることにして、一駅先の渋沢駅に向かった。まずこれが最初のハプニング。

それにしても、少々の雪くらいならチェーン巻いて登っていくのがプロの仕事と違うのかい!と思わずにはいられない。こっちは2WDの車にノーマルタイヤで車の運転にも自信がないから、冬は公共交通機関で山に向かうことにしているのに、これではシロートの自分と変らんではないか!!

内心でブツブツ文句を言いながらも、大倉BSに到着する頃には予想外の雪景色に期待が膨らむ。大倉からはいつも搭ノ岳を目指して大倉尾根(通称”バカ尾根”)に進むのであるが、この日は当初予定の逆回りコースを歩こうと思い鍋割山を目指すことにした。

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大倉BS(8:42 大倉尾根(搭ノ岳)は左へ進む。この日は鍋割山を目指し手前に進んだ。)

大倉BSから鍋割山を示す道標に従い進んでいくと、やがて西山林道と呼ばれる車道に出会うが、樹林帯の中の道は、葉っぱに積もった雪がキラキラと舞い散っておりとても綺麗だった。西山林道は傾斜も緩やかな上に非常に歩き易いので、この辺りではリハビリという事も忘れ、ご機嫌モードで先行者をバンバン追い抜きながら進んだ[グッド(上向き矢印)]
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西山林道の樹氷(9:13)

西山林道の終点辺りは少し広くなっているのであるが、ここに立っている鍋割山へは左折を示すショボイ道標に気付かずに直進してしまった。その誤った方向から何人かがこちらへ向かってこられるので、てっきり鍋割山から下山されているものだと決め付けてしまったのであるが、実はその方々は鍋割山への道を間違えた事に気付いて戻っているだけであった。

道を誤っていることにまだ気付いていないmakiwarikunは、10分程進んだところで道が忽然と消えていることに戸惑う。正面には滝が見えているのであるが(後で調べたところミズヒ大滝(落差25m)というらしい。)、先へ進む適当な道が見当たらないのだ。少し無理があると思いつつ、右手に見える小さな崖を登ったと思われる踏み跡があったので、その崖の先に登山道が続いているのかも?と考え、この崖を登ることにした。

ところが、簡単に登れると思えたこの崖であるが、足元が脆く手がかりになるホールドも少ないので、登り切るのに冷や汗をかくことになった。しかも、せっかく苦労して崖を登ったのに、先に続く登山道はどこにも見当たらなかったのでテンションは激下がりである[バッド(下向き矢印)]
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西山林道終点先の崖(10:26 写真では全く簡単に登れるように見えるが冷や汗をかいた)

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西山林道終点のショボイ道標(10:39 ここを左折して鍋割山方向に進まねばならなかった。)

この道迷いが2番目のハプニングであるが、これは全くの自業自得である。道標に頼っているからこうなるのであって、地図をこまめに確認していればこのミスは防げた筈である。地図は2万5千分の1のものがベストであるが、自分が持っているガイドブックの地図でも注意深く見ておれば、林道終点から左折して沢を渡ることは確認できていた。

テンションが下がったmakiwarikunは、このまま来た道を大倉まで戻り、家に帰ってしまおうかと思ったのであるが、林道終点まで戻ったところで鍋割山を示す道標に気付いた。「このまま帰宅してしまえば、恥ずかし過ぎてブログには書けないなぁ…」と思い、気を取り直して鍋割山に向かうことにした。このような心理状態のことを専門的には”ブログ公開によるプレッシャー効果”と呼んでいるが、自分の目標を多くの人に話すことによって達成せざるを得ない精神状態に自分を追い込むのと似ている。

林道終点から正しい道をしばらく進むと、登山道はやがてジグザグになり、間もなく後沢乗越に到着する。
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後沢乗越(10:58)

後沢乗越から鍋割山までは、樹林帯の急な登りがダラダラと続くが、大倉から後沢乗越までが総じてなだらかだっただけにかなりキツく感じる。ヒーコラ喘ぎながら登っていくと、後沢乗越からちょうど1時間で鍋割山荘が建つ山頂(1273m)に到着した。

少々不遜な感想ではあるが、標高差が1000mに満たないこのコースでこれほどヘロヘロに疲れるとは思わなかった。先日も思ったのであるが、やはりこの2ヶ月もの間、あまり山に登らなかったのでスタミナが相当に落ちてしまったのであろう。10月に標高差2200mの黒戸尾根を日帰り往復した頃の馬力は今や見る影もない。

鍋割山荘では名物の鍋焼きうどんを食べるつもりでいたのだが、この日もなんだかお腹の調子がイマイチだったので、休憩もそこそこに搭ノ岳を目指して歩き出した。先日と同じように、休憩を取るとお腹が痛くなるような予感がしたのである(まさかこの予感が的中することになろうとは…)。
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鍋割山荘(11:58 鍋割山荘名物の鍋焼きうどんが美味しそうだなぁ…じゅるるるる~)


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鍋割山頂(11:59)


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鍋割山頂からの富士山(11:59 この日も富士山は荘厳な姿を見せてくれた)


鍋割山から大倉尾根に続く道は、相模湾や伊豆の景色が眼下に広がり、起伏も柔らかく気持ちの良い歩きが楽しめた。
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鍋割山から大倉尾根へ続く登山道(12:28)

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二俣分岐(12:32)

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右手に大倉尾根を見る(12:35 花立山荘が見える)


やがて道は”金冷シ”と呼ばれる場所で大倉尾根に出会う。左に行けば搭ノ岳山頂へ、右に行けば大倉BSに戻る。ここでは相当の疲れを感じていたので、よほど右手に進もうかと思ったのであるが、ここで楽な道を選べば当ブログの読者の方から「makiwarikunも衰えたな…」とか「彼はもう終わったな…」とか思われそうな気がしたので、気力を振り絞って搭ノ岳山頂を目指すことにした。ここでも”ブログ公開によるプレッシャー効果”が発揮された。

因みに”金冷シ”を私は”カネヒヤシ”と読むのだと思っていたのだが、実際には”キンヒヤシ”であることが先日分かった。”キン”とは男にとって一番大切な”金タ〇”のことを指しているのであろうか?もしそうならば、ここで金冷法を実践すると精力絶倫になるというのか?幸いなことに付近には冷却に使用できる雪もたっぷり有るぞ。最近、めっきりと衰えの目立つmakiwarikunは、なんとか人の途切れるのを待って、火照ったボールを雪で冷そうとしたのであるが、そのチャンスは終に訪れなかった。
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金冷し(12:53)


金冷シから20分ほどで搭ノ岳山頂(標高1491m)に到着したが、ここはいつでも休憩している人が多く、この日も結構な賑わいを見せていた。私もそれまで4時間半に亘り歩き通しであったので、この日初めて腰を下ろして休憩することにした。
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搭ノ岳山頂(13:12 赤いモビルスーツに身を固めたmakiwarikunは赤い彗星と呼ばれている)

ところが、5分ほど休憩していると、鍋割山で予感した通り、大晦日に続いてまたしてもお腹が痛くなってきた。これが3番目のアクシデントであるが、どうやら次のような連鎖反応がmakiwarikunのデリケートな肉体に起こっていると思われる。

斜面を登る→汗をかく→休憩する→汗が冷える→お腹の体温が奪われる→腸の活動が鈍る→下痢になる

しかし、リスクマネジメント能力に優れるmakiwarikunは、こんなこともあろうかと今回は下痢止め薬『ストッパ』を持参していたのだ。「どうだ、ゲリピー野郎!参ったか!がっはっはっはっはぁ~っ!」と高笑いである。

私は素早く『ストッパ』をザックから取り出し1錠を口に含んだ。唾液によってサッと溶けるので水は要らないし、味もなかなか爽やかで美味である。すると、早くも効果が現れたようで腹痛が和らいだ。信じる者は救われる。これぞプラシーボ効果だ。

プラシーボ効果が現れているうちに冷えたお腹を暖めようと思い、休憩を切り上げ大倉に向かって歩き出すことにした。

ところが、花立山荘を目前にして、またしてもお腹が痛くなってきた。プラシーボ効果が切れたのか?いや、私はストッパに対しては絶大なる信頼を寄せているのでそれは無い筈だ。おそらくは、急斜面の下りで下腹部が激しく揺さぶられたのが原因であろう。

花立山荘にはトイレもあるので焦ることはない。私は落ち着き払った様子で花立山荘前のベンチに座り、2錠目のストッパを飲み、しばらく様子を見ることにした。すると、幸いにも腹痛がだんだんと治まってきたのだ。1錠目を飲んでから30分ほど経過したので、ようやく薬本来の効用が現れだしたものと思われる。「ざまーみろ、ゲリピー野郎!参ったか!わっはっはっはっはぁ~っ!」
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花立山荘(13:45 お腹の調子が良ければここでおしるこを食べたいのだが…)

腹痛が治まれば、後は無事に大倉まで下るだけである。先日のこともあるので、路面の状態には細心の注意を払いながらゆっくりと下った。
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歩き易い大倉尾根(14:36 なるべく下腹部に振動を与えないように下った)

そして出発から6時間42分後、色々とハプニング続きであったが、結果としては無事に大倉BSまで戻ることができた。もはやお腹に何の不安もない。凄いぞ!ストッパ! これからもオマエの助けが必要となる場面が度々訪れるであろう。頼むぞ!ストッパ! しかし、リハビリとしてはなかなかハードな行程であった。

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