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峠だからってなめんなよ!(丹波山村~大菩薩峠) [登山]

1月30日(日)。その前週に予定していた大菩薩峠に行くことにした。大菩薩峠および大菩薩嶺は、南側の上日川峠もしくは丸川峠から向かうのが一般的であり、私の持っているガイドブック(『ヤマケイアルペンガイド4.奥多摩・奥秩父』)にもそのコースが紹介されているが、ダイエットのためにもガッツリ歩きたいmakiwarikunは、北側の丹波山村からのロングコースを使うことにした。

厳冬期にこのロングコース。果たしてmakiwarikunは無事に大菩薩峠から戻ることができたのか?

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

日程:2011年1月30日(日帰り)
天候:晴れ[晴れ]時々曇り[曇り]

コースタイム:
8:10 ローラーすべり台駐車場 →8:54 高尾天平 →9:09 藤ダワ →10:07 追分 →10:44 ノーメダワ →12:05 フルコンバ小屋跡 →12:44 大菩薩峠 →14:56 追分 →15:42 藤ダワ →16:20 ローラーすべり台駐車場

直線距離:22.763km
沿面距離:23.577km
累積標高(+):2209m
累積標高(-):2209m
所要時間:8時間10分

大菩薩峠地図(実際).JPG
GPSトラックデータ

大菩薩峠グラフ(実際).JPG
GPSデータグラフ表示

当初の予定では、道の駅「たばやま」に車を止めて登山道まで歩くつもりでいたのであるが、登山口まではかなり遠いことに気付いたので、登山口に向かって車を走らせたところ、ラッキーな事に登山道のすぐそばにローラーすべり台の駐車場を発見した。

後で調べたところ、このローラーすべり台は、平成2年7月にふるさと創生資金により完成した滑り台で、当時は日本一長い(全長247m、高低差42m)ローラーすべり台だったらしい。冬季は営業していないようで、この日も遊ぶことはできなかったのであるが、最近(昔から?)ギャグが滑りっぱなしのmakiwarikunにふさわしい施設なので次回は是非とも遊んでみたいと思っている。

「ローラーすべり台!俺のギャグとどちらがよく滑るか勝負だ!」

0807駐車場.JPG
ローラーすべり台駐車場(8:07)


登山口は、駐車場から舗装道路を少し登った右手にある石の階段を登った所にある。
0813登山口.JPG
高尾天平登山口(8:13)

登山道はジグザグに登っていくが、最初から結構な急勾配である。今回のコースは片道11kmほどのロングコースであったが、実は最初のこの登りが最も傾斜がきつかった。なので、10分も歩くと、早くも大量の汗が噴き出してきた。この日、目的地の大菩薩峠付近の予想気温が氷点下15℃になっていたので、防寒対策としてオヤジ丸出しのラクダのパッチ(タイツ?ももひき?)を履いていたのであるが、これは失敗であった。すぐさま、パッチとダウン入りのアウターを脱ぐことにした。

しばらく登ると、登山道は通行できなくなっており、「工事中・迂回せよ」の標識が掛かっている。案内によれば「高尾天平」経由で「藤タワ」に出るとなっているが、ガイドブックの地図にこの道は書かれていない。

仕方がないので迂回の指示に従い、えっちら登っていくと、登山口から40分ほどで東屋やベンチが設置されている平坦な場所に辿り着いたが、ここが「高尾天平」であった。ここまで標高差約300mの登りであった。
0854高尾天平.JPG
高尾天平(8:54)


「高尾天平」の名の通り、しばらく平坦な場所が続くが、そこから少し下った所が「藤タワ」と呼ばれる場所である。
0909藤ダワ.JPG
藤タワ(9:09)


「藤タワ」からは、緩やかな傾斜で非常に歩き易い道が続く。このあたりではすっかりゴキゲンで、人気アイドルグループ嵐のデビュー曲のサビの部分を何度も口ずさんでいた。若者とのカラオケに備えてダビングした嵐のベスト盤を車の中で聴きながら運転してきたので、すっかり覚えてしまっていたのだ。

[るんるん]ユーアーマイ ソー ソー いーつもすぐそばにある ゆずーれないよ 誰もじゃまできない
体中に風を集めて 巻きおこーせ あーらし あーらし フォー ドリーム [るんるん]

この嵐というアイドルグループ。さすがに只今人気絶頂というだけあって、ノリノリの曲が多くてなかなか良い感じである。最近はカラオケに行くと、若者は嵐の歌ばかりを歌うので、この中年オヤジはほとんど付いていけなかったのであるが、これからはmakiwarikunも女性受けするためにレパートリーに加えてみようかと目論んでいる。そうすれば、「キャーmakiwarikun、ステキー」という黄色い声援を浴びるに違いない。

0939登山道.JPG
藤ダワからの快適な登山道(9:39)

やがて沢沿いの雰囲気の良いところに出るが、なんと川が半分凍っていた。歩いているので寒さは全く感じなかったが、このあたりでおそらく氷点下10℃くらいまで気温が下がっていたものと思われる。この沢のあたりで雪のために道が不明瞭になるところがあるが、辺りを冷静に見回すと進むべき方向が見えてきた。
0946凍る川.JPG
凍る川(9:46)


沢から少し登っていくと、やがて小菅村からの登山道と合流する「追分」という場所に辿り着いたが、ここでとんでもないことに気付いた。なんとハイドレーションシステムのチューブの中の水分がカチコチに凍ってしまい、バッグの中の水が出なくなってしまったのだ。仕方がないので、ここから先は休憩の際にバッグから直接水を飲むことにしたのだが、こまめに水分補給をしなかったことを悔やんだ。
ハイドレーションシステム.gif
ハイドレーションシステム

1007追分.JPG
追分(10:07)

このコースのほとんどは見晴らしの効かない場所を進んでいくが、ここからは雲取山方面の山々が良く見えた。
1006雲取山.JPG
追分から雲取山方面を臨む(10:06)


「追分」からは再び平坦に近い緩やかな道が続き、あっけない感じで「ノーメダワ」という場所に辿り着いた。ここも「追分」と同じように、小菅村からの道が合流している。
1044ノーメダワ.JPG
ノーメダワ(10:44)


「ノーメダワ」を過ぎると段々と雪が積もっている場所が増えてくるが、凍結しているような場所はないのでかえって歩き易い。
1113登山道.JPG
雪が増えてきた登山道(11:13)


途中で鹿を2頭見かけたが、このあたりの鹿は人間を見かけると全速力で逃げるようである。雲取山や丹沢で見かけた鹿は人に慣れているのか、こちらからすぐ近くまで寄っていかない限り逃げなかった。この時私は、『情熱大陸』というテレビ番組で紹介されていたサバイバル登山家である服部文祥なる人物を思い出していた。番組の中で彼は、大菩薩嶺に何日も山篭りをして、やっと仕留めた鹿を前に「焼肉だぁ~!!」と狂喜乱舞していたからである。「鹿達よ、俺がサバイバル登山家でなくてラッキーだったな…」

「追分」で休憩してから1時間半後、座るのに手頃な倒木があったので、水分補給のために休憩することにした。ただ休憩するだけでは時間がもったいないので、一人写真の大家であるTerry師匠が実演権を放棄したという幻の一人写真に挑戦することにした。それがこれ。
名付けて”アイゼンかつら”だぁ~っ!!
1142アイゼンかつら.JPG
アイゼンかつら(11:42)
しかしこのギャグ(パロディと言うべきか?)、いったい何人の方から笑っていただけるのか?元ネタである小説『愛染かつら』は1937年という大昔に書かれたものであるし、この小説が何度も映画化されているといっても、最後に映画化されたのは1962年(私が生まれた年だ)である。そういう私も題名くらいはなんとか知っているといったレベルで、ストーリーなど全く知らないのである。なので、今回またしても滑ってしまったのは、決して私のせいではない。それに使用するアイゼンは、写真のような6本爪の軽アイゼンではダメだ。12本爪の本格的なもので、バンドをあご下でしっかり固定しなければならなかった。(そういう問題ではない?)


そして「フルコンバ小屋跡」という少し広い場所に出た。ここも小菅村からの道が合流している。ここでは道が左右に分かれているが、大菩薩峠を目指して左に進んだ。大菩薩嶺を目指すならば右の道を進むことになる。この先で初めて単独行者とすれ違ったのであるが、結局、この日の8時間10分に及ぶ行動時間中に出会った人はこの方だけであった。
1205フルコンバ小屋跡.JPG
フルコンバ小屋跡(12:05)


フルコンバ小屋跡を過ぎたあたりから、凍結している場所が出始めたので、さきほど頭に載せて遊んだアイゼンを本来の目的に沿って装着することにした。当初、タイムリミットは12時半としていたが、その時刻になってもまだ大菩薩峠に着かない。明るいうちに駐車場まで戻れるか少し心配になってきたが、あと少しの筈なのでゴール(正確には折り返し点)を目指す。
1239雪道.JPG
大菩薩峠間近の雪道(12:39)


そして12時44分、やっと大菩薩峠に到着した。ガイドブックには、ここは多くのハイカーで賑わっていると書かれているが、この日は誰一人として居なかった。ここは風を遮るものがないので、ビュービューと強風が吹いておりメチャクチャ寒かった。
1244大菩薩峠.JPG
大菩薩峠(標高1897m)(12:44)


大菩薩峠からは、天気が良ければ南アルプスの絶景が目の前に広がる筈であるが、残念ながら山の上の方は雲で霞んでいた。
1245南アルプス.JPG
大菩薩峠から南アルプス(北岳、間ノ岳方面)を望む(12:45)


余裕があれば、ここから大菩薩嶺まで往復するつもりでいたのであるが、さすがに無理である。介山荘での山バッチ購入は、大菩薩嶺を征服した時までのお預けとした。
1247介山荘.JPG
大菩薩峠に建つ介山荘(12:47)


下山は来た道を戻るだけであるが、所々に自分が登ってきた足跡がはっきりと残っているので、なんだか嬉しかった。おそらくこの日、私以外に同じコースを歩いた者はいなかったと思われる。

そして出発から8時間10分後、無事に駐車場まで戻ることができた。総じて歩き易い登山道で静かな山歩きを楽しむことができた。雪がなくなる頃に、同じコースを今度は大菩薩嶺まで足を延ばしてみたいと考えている。

最後に、下山途中の休憩時に撮影したmakiwarikunのカッコイイ一人写真を載せておく。
1322makiwarikun.JPG
フルコンバ小屋跡付近のmakiwarikun(13:22)


1月31日現在の体重74.0㎏(目標達成まであと9.0㎏減)

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コメント 16

おど

この時期に頑張りますねぇ。 思ったよりも雪が少ないので、歩きやすいのでしょうが、滑って転ぶと危ないので慎重(遅め)に歩くことになってタイムが伸びないのでは・・・。
アイゼンかつらは、やっぱりガッチリと刃を頭に向けて装着して欲しかったですね。(笑)
しかし、重そうな装備で登っていますねぇ。(ザック何リットルですか?)
by おど (2011-02-03 00:54) 

makiwarikun

>おどさん
この日、ローメルポルドイHLSという登山靴を久しぶりに履きました。登山を始めた際に購入したのですが、初心者には重くて硬くて歩きにくいなぁと思ったので、ほどなくして軽めの靴に変えたのです。重くて硬い靴だと岩場では安定するのでしょうけど、平坦な場所でも走れないのでタイムが伸びないですねぇ。道は本当に歩き易かったですよ。夏に軽い靴で大菩薩嶺まで行ってリベンジしますよ。
アイゼンかつらの向きは悩みましたよ。(笑)でも結局、刃を毛に見立てて写真の向きとなりました。
ザックは35リットルです。しかし中身は軽い防寒着ばかりなので全く重くはないのです。
by makiwarikun (2011-02-03 06:49) 

よしころん

こんばんは^^
ご訪問ありがとうございました♪
しかし、距離なっ、長~!! うぅ~ん、おどさんか makiwarikun さんか。
そしてアイゼンかつら。。。この韻を理解出来る方が何人いるのか、ププッ^^
次回は12本爪アイゼンかつらをガッチリしっかり装着願います(爆)
by よしころん (2011-02-03 18:53) 

makiwarikun

>よしころんさん
nice!&コメントありがとうございました。
おどさんは私とは完全に別次元の方なので比べようもないですが、貧乏性なもんで、せっかく苦労して登山口まで行ったのだから、そこそこ歩かないともったいないと思ってしまいます。
アイゼンかつらは私のギャグの師匠であるTerryさんのパクリですが、なんとか1記事1ギャグを目指しています。
by makiwarikun (2011-02-03 19:03) 

Jetstream777

WAH, この時期に 24KM 8時間の歩き、本領発揮ですね。
お疲れ様でした。 最近パーフォーマンすが冴えて、師匠もびっくりでしょう。 (笑)(笑)(笑)
ハイドレーションチューブも凍るとは。 北面だし、峠も風が抜けるので寒そうですがいい景色。 あと9KGの減量は3か月くらいかかるんでしょうね。!(^^)!
by Jetstream777 (2011-02-03 23:31) 

Terry

景色の写真を見ていたら・・・・・・・突然の「アイゼンかつら」。
誰かに見られたらどうすんの!と考えると恥ずかしくて恥ずかしくてオラにはとても出来ません。流石です!
雪の道、気持ち良さそうだなあ。近いうちに行ってみっかなあ。
ハイドレーションシステム、凍ってしまいましたか。冬はダメなんですね。なるほどなるほど。
しっかし、このコースなら日曜日とはいえ、誰も合わないでしょうねえ。
by Terry (2011-02-04 04:49) 

ひろたん

頑張りましたよね^^
凄いです
それにアイゼン(笑)ってしまいました
その笑いが元気の元ですよね
可愛いです!!
アイゼンかつらをしっているって
それは何歳かなんて考えてしまいました
そうです。年ではありません
いかに楽しく過ごすかですよね^^
次回も楽しみにしています
by ひろたん (2011-02-04 12:38) 

ももこ

髪が黒々してご苦労がないんですね(笑)
大菩薩峠に誰もいないのはもう下山なさったんでしょうね。
丹波に抜ける道でもきちんとトレースがあるんですね、
そこは快適な道らしいですね
丸山峠からの牛の寝通り秋に歩きましたが
素晴らしい紅葉でしたよ。
又の山便り楽しみにしております。
by ももこ (2011-02-04 23:34) 

makiwarikun

Jetstream777さん
とりあえず歩けるうちは20kmを目処にして歩きたいと思ってます。
ハイドレーションは厳冬期はチューブに保温カバーを付けなければならないそうです。(『雪山登山(山と渓谷社)』という本に書いてありました。)
減量は期限を設定すると辛くなるので、ゆっくり落とせばいいと思っているのですが、できれば夏山シーズンの7月頃までに達成できれば最高ですねぇ。
by makiwarikun (2011-02-05 22:16) 

makiwarikun

>Terryさん
このコースは人がほとんど通らないので、恥ずかしい一人写真もキジ撃ちもやり放題ですよ。
”アイゼンかつら”ですが、Terryさんが50代のおっさんのやることではないと書いてあったので、まだ40代の私ならやっても良いかと思ってやっちゃいました。ナイスなギャグでお蔵入りにするにはあまりにも惜しかったもので…。パクッてしまい済みません。
by makiwarikun (2011-02-05 22:24) 

tochimochi

ダイエット登山、頑張ってますね。
この標高差にして3Km/h弱、気合も違います。
アイゼンかつら、私は古い人間なので一発で受けました。
ダブルストックはTerryさんのパクリでしょうか。
by tochimochi (2011-02-05 22:34) 

makiwarikun

>ひろたんさん
人は笑うことによって元気が出るらしいので、どうせなら笑って過ごしたいと思ってます。もう人生の折り返し地点をとっくに過ぎてしまっていますので…。ひろたんさんのようなバイタリティも向上心もありませんが、スベることを恐れないあつかましさだけは持ってます。
by makiwarikun (2011-02-05 22:35) 

makiwarikun

>ももこさん
確かに年齢の割には白髪が少ないですかねぇ…。おっしゃる通り、苦労人なら、こんなノー天気なギャグはやらないですね。
登山者は少なかったですが、昔から生活道として使われていたのか歩き易かったです。
by makiwarikun (2011-02-05 22:40) 

makiwarikun

>tochimochiさん
アイゼンかつらはTerryさんのパクリですが、ダブルストックは私の方が古いです。やっぱり楽なので、去年の夏からダブルストック続けてます。但し、T型のストックを2本使っているのは、非常に珍しいのではないかと思います。体重を掛けやすいのと、ザックに装着しやすいので、私はI型よりT型が好きです。”迷人に定石なし”ということで…。
by makiwarikun (2011-02-05 22:51) 

山子路爺

角付きカツラに大笑い!
こちらからのコースもよさそうですね。
ところで三脚持参?
by 山子路爺 (2011-02-06 13:38) 

makiwarikun

>山子路爺さん
”アイゼンかつら”笑っていただけて良かったです。
この写真は手を伸ばして撮りましたが、最後の後姿は三脚を使ってます。最近はいつ一人写真を撮りたくなるか分からないので三脚を持参するようにしています。
by makiwarikun (2011-02-06 18:32) 

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