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不安な時は撤退せよ!(古里駅~川苔山~本仁田山~奥多摩駅) [登山]

1月15日(土)。この日、お互いのブログを訪問しあっている伝説の男前ブロガーが一堂に会することになった。Jetstream777さんとTerryさんと私makiwarikunの3名である。15時に奥多摩駅前の餃子店で落ち合うことにして、それまでは各自が好き勝手に奥多摩の山々を歩くことになったのだ。

奥多摩駅に15時頃に下山できるコースを探した結果、古里駅から赤久奈山(924m)~川苔山(1363m)~本仁田山(1225m)と経由して奥多摩駅に下りるコースを選択した。当初の予定では、標準コースタイムの7割程度のスピードで歩けば13時半頃には奥多摩駅に到着できるので、駅前の温泉施設”もえぎの湯”でさっぱりしてから会合に向かえると考えたのだが、予想に反してこの山行が実にハードなものとなった。

最近は腹痛に転倒に道迷いと困難続きのmakiwarikunであるが、果たして今回はどんな困難に見舞われたというのか?

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

日程:2011年1月15日(日帰り)
天候:曇り[曇り]
コースタイム:
8:22 古里駅 →9:17 川井駅分岐 →9:49 赤杭山 →11:12 曲ヶ谷北峰 →11:21 川苔山 →11:38 舟井戸 →12:46 大ダワ →13:07 コブタカ山 →13:35 本仁田山 →14:56 奥多摩駅

直線距離:15.470km
沿面距離:16.263km
累積標高(+):1908m
累積標高(-):1849m
所要時間:6時間34分

川乗山地図.JPG
GPSトラックデータ

川乗山グラフ.JPG
GPSデータグラフ表示

川苔山計画.JPG
登山計画&結果表


いつも通り7時5分立川発奥多摩行の電車に乗ったのだが、古里駅には8時19分に到着した。古里駅の反対側ホームに渡り改札を出て線路脇の道を奥多摩方向に少し歩くと川苔山を示す道標が現れるので、後は適度に現れる道標に従って行けば良い。この日のコースには道標がイヤというほど立っているので、道迷いのスペシャリストのmakiwarikunでもこの日は全く迷う心配はなかった。

登山口は古里駅から10分ほど歩いた所に現れる標識の先にある階段を登った所から始まる。
0830登山道口.JPG
登山口を示す標識(8:30 )

赤杭山への登山道は結構な勾配であり、気温が低いこの日でもしばらく歩くとすぐに汗が吹き出てくる。登山道は道幅が狭いうえに崩落している箇所もあるので細心の注意が必要だ。
0907崩壊斜面.JPG
崩落している登山道(9:07 落ち葉が積もっているので一層の注意が必要だった )

川井駅の分岐を過ぎると勾配は緩やかになり、落ち葉の絨毯を踏みしめながら気持ちの良い歩きが楽しめた。
0917川井駅分岐.JPG
川井駅分岐(9:17 左折して赤杭山に向かう。)

出発から90分ほどで赤杭山(あかぐなやま)山頂に到着したが、山頂標識はなぜか”赤久奈山”と書かれている。
0949赤杭山.JPG
赤杭山山頂(9:49 あまり展望はきかなかった )

赤杭山から尾根道をしばらく進むと突如として林道に出会うが、登山道は林道を5分ほど進んだところから再び現れる。
1010林道.JPG
赤杭山先の林道(10:10 )

登山道は、しばらく山腹を登って行くが、やがて赤杭尾根と呼ばれる尾根道となり、ここから曲ヶ谷北峰まで急登が続く。
1039赤杭尾根.JPG
赤杭尾根(10:39 曲ヶ谷北峰まで厳しい登りが続く)

スタミナが落ちている最近のmakiwarikunにとって赤杭尾根は非常に厳しい登りとなったが、休憩を適当に取りながらノロノロと進み、なんとか曲ヶ谷北峰に辿り着いた。
1112曲ヶ谷北峰.JPG
曲ヶ谷北峰(11:12 左折して川苔山を目指す )

川苔山方向に少し進むと休憩小屋跡の脇に鳩ノ巣駅への分岐(左折)があるが、当然ながらすぐ目の前の川苔山を目指して直進する。そして出発から丁度3時間で川苔山山頂(標高1363m)に到着した。

川苔山(かわのりやま)の名前の由来は、昔、この付近の沢で良質な川苔が採れたために”川苔山”と名付けられたということだ。従って、山頂標識や道標に記されている”川乗山”という表記は誤りであり、これはかつて国土地理院の地形図でそのように誤記されていたことが原因という嘘のような話。
1121川乗山.JPG
川苔山山頂(11:21 山頂標識や道標は全て”川乗山”と誤記されている )

1122川乗山から.JPG
川苔山からの景色(11:22 残念ながら山々の名前が分からない…)


下山は先程の休憩小屋跡まで戻り、鳩ノ巣駅方面への急な道を下って行く。まもなく水場を示す道標が現れたので、水場フリークのmakiwarikunとしては大いに心引かれるものがあったのだが、既に予定よりも20分近く遅れていたこともあり、ここは泣く泣くスルーした。

なおもしばらく進むと、舟井戸と呼ばれる場所に出るが、そこには次のような道標が立っていた。直進する道には”本仁田山、大ダワ方面巻き道”とマジックで書かれており、道幅も太くて歩き易そうである。一方、右折する道には”本仁田山・大ダワ”と記された標識の下に黄色い紙で”通行注意”と書かれているので、普通なら直進するところだろう。しかも、ガイドブックの地図を確認したところ、右折する道には”鋸(のこぎり)尾根”という恐ろしい名前まで付いている。
1138舟井戸.JPG
舟井戸の分岐(11:38 無謀にも右折して鋸尾根へ進んだのだが… )

ところが、巻き道を進むことになんとなく抵抗があるmakiwarikunは、敢えて右折して鋸尾根を進んでしまった。さすがは”真性M”のmakiwarikunの面目躍如と言いたいところであるが、すぐさまこの判断を大いに悔やむことになる。

鋸尾根をヒーコラ言いながら15分ほど登り、やっとの思いでピークに達したのであるが、そこからの下りが非常に怖かった。まず、落ち葉が大量に堆積しているので足元の状態が良く分からない上に非常に滑り易いのである。更に悪いことには、勾配が急過ぎて、上からはこの先の登山道の状態が把握できないといった有様だった。一応、5mほど下ってみたのであるが、あまりの恐ろしさに即座に撤退を決意した。
1152鋸尾根撤退.JPG
鋸尾根の撤退地点手前(11:52 この先が急勾配になっている)

鋸尾根を舟井戸まで戻り、巻き道を進み直すことにしたのであるが、これにより30分ほど時間をロスしてしまったので、”もえぎの湯”で一風呂浴びてさっぱりする計画はここで断念である。

だが、この巻き道も決して安全な道ではなかったのである。鳩ノ巣駅方面への分岐を過ぎて大ダワに向かう途中、左に大きくカーブしている箇所があるのだが、ここの通過が結構怖かった。道幅が非常に狭い上に道の谷側はスッパリと切れ落ちている。おまけに山側の岩がせり出している所があるので、うっかりザックを引っ掛けてバランスを崩せば死ぬほど怖いだろう。
1242危険箇所.JPG
舟井戸~大ダワ間の危険箇所(12:42 通過後にホッとして振り返り撮影した )

危険箇所を通過して程なく大ダワという場所に到着した。山にはこの他にも大ダワと呼ばれる場所を良く見かけるが、”ダワ”とは元々は峠のことを指す言葉ということだ。ここからは鋸尾根を見上げることができるのだが、その極めて急な斜面を見てしみじみと「さっきは無理をしないで引き返して良かったなぁ」と思った。やはり山では、少しでも不安を感じた場合は、安全第一で無理をしないことが大切であると再認識した。
1246大ダワ.JPG
大ダワ(12:46 鋸尾根は悪路・急坂のため通行注意と書かれている)


大ダワから本仁田山への道は、再び急な登りとなるのであるが、ここまでほとんどノンストップで進んできたこともあり、もはやヘロヘロで足が前に出ない。途中にコブタカ山と呼ばれる休憩ポイントがあったので、この日初めて腰を下ろして一息つくことにした。
1307コブタカ山.JPG
コブタカ山(13:07 )

ところが、歩くのを止めた途端にめちゃくちゃ寒くなったので、たった5分ほど休んだだけで、これなら歩いた方がよっぽどマシだと思い、鉛のように重い足を引き摺りながら、この日最後のピークとなる本仁田山を目指すことにした。

そして、本仁田山山頂には13時35分に到着したが、ここには誰も居なかった。
チャーンス!!

この日は一人写真の巨匠としての名声を欲しいままにしているTerry氏との会談を控えているので、どこかで変なポーズの一人写真を撮るつもりで三脚を持参していたのであるが、ここにきてようやく実行することができる。

そこで撮影した写真が次の2枚であるが、全くのノープランだったために意味不明なポーズとなってしまった。う~ん、こんなことではダメだ。Terry氏に一人写真撮影のテクニックを伝授してもらわねば…
1338本仁田山1.JPG
本仁田山山頂(13:38 意味不明な変なポーズのmakiwarikun )

1339本仁田山.JPG
本仁田山山頂(13:39 更に変なポーズのmakiwarikun )


本仁田山から奥多摩駅方向に下る道は大休場尾根と呼ばれており、急勾配が続く。ガイドブックによれば、本仁田山から奥多摩駅間の標高差は約880mであり、これは北アルプスの涸沢と北穂高岳との標高差に匹敵するとのことである。この標高差を待ち合わせまでの1時間チョイで下りなければならないと気持ちは焦るのであるが、急勾配の下りが大の苦手なmakiwarikunは、ここはゆっくりとしか進めなかった。
1353大休場尾根.JPG
本仁田山から安寺沢への大休場尾根(13:53 )

奥多摩駅まで2.5kmほどの所にある安寺沢に着いた時には、待ち合わせ時間まで残り20分ほどに迫っていたので、ひょっとしたら間に合わないかもしれないと一瞬弱気になったが、”決して諦めない男”ことmakiwarikunはここから必死に走った結果、ギリギリ15時前に到着することができた。

当初の目論見では、オフ会前の軽いウォーミングアップのつもりで臨んだ山行だったのだが、予想外にハードなものとなった。

(長くなったのでオフ会の様子は次回の記事にします。)
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Jetstream777

今日の山行記事も手抜きなしですね。!(^^)!
私も先ほどアップ。 ずいぶん手抜きです。(笑)
赤杭尾根って写真でみると、いい感じですね。
川苔山からはノコギリの巻道も写真で見ると厄介そうですね。
本仁田山頂上の写真、ニュースタイル! 何枚も撮った中の厳選?
本仁田山からの下りはきつそうですね、ということは上りも。
お疲れ様でした。 !(^^)!
by Jetstream777 (2011-01-19 21:22) 

makiwarikun

今回は落ち葉に苦しめられました。いつもはクッションになるので落ち葉は好きなのですが、鋸尾根の急斜面での落ち葉はめちゃくちゃ怖かったです。落ち葉のない夏になったらまた行ってみたいと思います。
変なポーズの一人写真は時間も無かったので掲載した以外は1枚も撮ってないのですよ。やはりTerry巨匠のように、十分に構想を練った上で何枚も撮らなきゃだめだと思いました。
by makiwarikun (2011-01-19 21:37) 

おど

いやいや今回の記事も楽しませてもらいました。 頂上に到着して、一人であんなポーズの人がいたら引いてたでしょうねぇ。(笑) しかし、この時期落ち葉が多いと滑って危険ですよ。 雪が積もれば逆に安全なのでしょうが、低山で雪が少ないところでは転倒・滑落に気をつけねばと思いました。
by おど (2011-01-19 22:17) 

makiwarikun

>おどさん
おどさんが今後もしも頂上で変なポーズでセルフ写真を撮っているナイスミドルに遭遇しても、決して冷たい視線を投げつけないで下さいね。おそらく私かTerryさんだと思いますので…。しかし、なんかピタッとくる良いポーズはないものか…(そんなしょーもないことで悩むな!)。おどさんは自分の写真は撮らないのでしょうねぇ。でも山頂で誰かにシャッターを押してもらうことぐらいはあるのでしょう?
by makiwarikun (2011-01-19 22:30) 

テリー

GPSデータ記録計、上った経路や山の断面図で、表示されるのは便利ですね、
by テリー (2011-01-20 12:21) 

koh925

はじめまして
Jetstream777さんの、記事からお伺いしました
どうぞ宜しくお願いします
by koh925 (2011-01-20 14:17) 

Terry

トレビア~ンな一人写真ですよ!素晴らしい。でも一言だけ、「決して他人に見られないこと」。見た人が石になってしまいますから。
オラも一人写真用ポーズのネタ切れ状態です。仮面等の小道具が必要かもしれませんねえ。と、だんだんエスカレートするのかなあ・・・・

by Terry (2011-01-20 18:44) 

makiwarikun

>テリーさん
nice!&コメントありがとうございます。
GPSは道迷い防止にはあまり役に立たないですが、山行記録には非常に便利ですね。
今後ともよろしくお願いします。
by makiwarikun (2011-01-20 19:41) 

makiwarikun

>koh925さん
nice!&コメントありがとうございます。
ちょくちょく下品な記事もありますが、どうぞよろしくお願いします。
by makiwarikun (2011-01-20 19:45) 

makiwarikun

>Terryさん
お褒めいただいて恐縮です。
小道具かぁ~。しかし、ザックに仮面を付けて山を歩いてたら不気味でしょうねぇ~。それでウケるならなんでもやりますけど…(お笑い芸人か!)
by makiwarikun (2011-01-20 19:49) 

山子路爺

今日は。
頂上で待ち合わせ、という集中登山は何度かやった事がありますが、下山後というのはまだ無いですね。
待ち合わせ場所が奥多摩駅そばの「餃子屋さん」というのが、なんとも良いですね。
by 山子路爺 (2011-01-21 12:08) 

makiwarikun

>山子路爺さん
頂上で待ち合わせというパターンもあるのですか。それだと遅れられないプレッシャーが強くなりそうですね。今回は集合が店なので早く着いた人からガンガン飲んでましょうという事になってました。次回は山小屋集合にしましょうという案も出てました。いずれにしても楽しかったのでまたやってみたいです。
by makiwarikun (2011-01-21 19:15) 

tochimochi

Jetstresm777さんのところから来ました。
奥多摩もけっこう難所がありますね。
冷静沈着に歩みを進めていく姿に感動です。

by tochimochi (2011-01-21 22:40) 

makiwarikun

>tochimochiさん
nice!&コメントありがとうございます。
奥多摩といえば今まで雲取山とか大岳山とか難易度の低い場所しか知らなかったので、今回は奥多摩にも意外に怖い場所があるもんだなぁと驚きました。ただ、ガイドブックには難易度が高いとは書いてないので、私の技量と経験が低いだけかもしれません。
by makiwarikun (2011-01-21 22:55) 

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