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峠だからってなめんなよ!(丹波山村~大菩薩峠) [登山]

1月30日(日)。その前週に予定していた大菩薩峠に行くことにした。大菩薩峠および大菩薩嶺は、南側の上日川峠もしくは丸川峠から向かうのが一般的であり、私の持っているガイドブック(『ヤマケイアルペンガイド4.奥多摩・奥秩父』)にもそのコースが紹介されているが、ダイエットのためにもガッツリ歩きたいmakiwarikunは、北側の丹波山村からのロングコースを使うことにした。

厳冬期にこのロングコース。果たしてmakiwarikunは無事に大菩薩峠から戻ることができたのか?

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

日程:2011年1月30日(日帰り)
天候:晴れ[晴れ]時々曇り[曇り]

コースタイム:
8:10 ローラーすべり台駐車場 →8:54 高尾天平 →9:09 藤ダワ →10:07 追分 →10:44 ノーメダワ →12:05 フルコンバ小屋跡 →12:44 大菩薩峠 →14:56 追分 →15:42 藤ダワ →16:20 ローラーすべり台駐車場

直線距離:22.763km
沿面距離:23.577km
累積標高(+):2209m
累積標高(-):2209m
所要時間:8時間10分

大菩薩峠地図(実際).JPG
GPSトラックデータ

大菩薩峠グラフ(実際).JPG
GPSデータグラフ表示

当初の予定では、道の駅「たばやま」に車を止めて登山道まで歩くつもりでいたのであるが、登山口まではかなり遠いことに気付いたので、登山口に向かって車を走らせたところ、ラッキーな事に登山道のすぐそばにローラーすべり台の駐車場を発見した。

後で調べたところ、このローラーすべり台は、平成2年7月にふるさと創生資金により完成した滑り台で、当時は日本一長い(全長247m、高低差42m)ローラーすべり台だったらしい。冬季は営業していないようで、この日も遊ぶことはできなかったのであるが、最近(昔から?)ギャグが滑りっぱなしのmakiwarikunにふさわしい施設なので次回は是非とも遊んでみたいと思っている。

「ローラーすべり台!俺のギャグとどちらがよく滑るか勝負だ!」

0807駐車場.JPG
ローラーすべり台駐車場(8:07)


登山口は、駐車場から舗装道路を少し登った右手にある石の階段を登った所にある。
0813登山口.JPG
高尾天平登山口(8:13)

登山道はジグザグに登っていくが、最初から結構な急勾配である。今回のコースは片道11kmほどのロングコースであったが、実は最初のこの登りが最も傾斜がきつかった。なので、10分も歩くと、早くも大量の汗が噴き出してきた。この日、目的地の大菩薩峠付近の予想気温が氷点下15℃になっていたので、防寒対策としてオヤジ丸出しのラクダのパッチ(タイツ?ももひき?)を履いていたのであるが、これは失敗であった。すぐさま、パッチとダウン入りのアウターを脱ぐことにした。

しばらく登ると、登山道は通行できなくなっており、「工事中・迂回せよ」の標識が掛かっている。案内によれば「高尾天平」経由で「藤タワ」に出るとなっているが、ガイドブックの地図にこの道は書かれていない。

仕方がないので迂回の指示に従い、えっちら登っていくと、登山口から40分ほどで東屋やベンチが設置されている平坦な場所に辿り着いたが、ここが「高尾天平」であった。ここまで標高差約300mの登りであった。
0854高尾天平.JPG
高尾天平(8:54)


「高尾天平」の名の通り、しばらく平坦な場所が続くが、そこから少し下った所が「藤タワ」と呼ばれる場所である。
0909藤ダワ.JPG
藤タワ(9:09)


「藤タワ」からは、緩やかな傾斜で非常に歩き易い道が続く。このあたりではすっかりゴキゲンで、人気アイドルグループ嵐のデビュー曲のサビの部分を何度も口ずさんでいた。若者とのカラオケに備えてダビングした嵐のベスト盤を車の中で聴きながら運転してきたので、すっかり覚えてしまっていたのだ。

[るんるん]ユーアーマイ ソー ソー いーつもすぐそばにある ゆずーれないよ 誰もじゃまできない
体中に風を集めて 巻きおこーせ あーらし あーらし フォー ドリーム [るんるん]

この嵐というアイドルグループ。さすがに只今人気絶頂というだけあって、ノリノリの曲が多くてなかなか良い感じである。最近はカラオケに行くと、若者は嵐の歌ばかりを歌うので、この中年オヤジはほとんど付いていけなかったのであるが、これからはmakiwarikunも女性受けするためにレパートリーに加えてみようかと目論んでいる。そうすれば、「キャーmakiwarikun、ステキー」という黄色い声援を浴びるに違いない。

0939登山道.JPG
藤ダワからの快適な登山道(9:39)

やがて沢沿いの雰囲気の良いところに出るが、なんと川が半分凍っていた。歩いているので寒さは全く感じなかったが、このあたりでおそらく氷点下10℃くらいまで気温が下がっていたものと思われる。この沢のあたりで雪のために道が不明瞭になるところがあるが、辺りを冷静に見回すと進むべき方向が見えてきた。
0946凍る川.JPG
凍る川(9:46)


沢から少し登っていくと、やがて小菅村からの登山道と合流する「追分」という場所に辿り着いたが、ここでとんでもないことに気付いた。なんとハイドレーションシステムのチューブの中の水分がカチコチに凍ってしまい、バッグの中の水が出なくなってしまったのだ。仕方がないので、ここから先は休憩の際にバッグから直接水を飲むことにしたのだが、こまめに水分補給をしなかったことを悔やんだ。
ハイドレーションシステム.gif
ハイドレーションシステム

1007追分.JPG
追分(10:07)

このコースのほとんどは見晴らしの効かない場所を進んでいくが、ここからは雲取山方面の山々が良く見えた。
1006雲取山.JPG
追分から雲取山方面を臨む(10:06)


「追分」からは再び平坦に近い緩やかな道が続き、あっけない感じで「ノーメダワ」という場所に辿り着いた。ここも「追分」と同じように、小菅村からの道が合流している。
1044ノーメダワ.JPG
ノーメダワ(10:44)


「ノーメダワ」を過ぎると段々と雪が積もっている場所が増えてくるが、凍結しているような場所はないのでかえって歩き易い。
1113登山道.JPG
雪が増えてきた登山道(11:13)


途中で鹿を2頭見かけたが、このあたりの鹿は人間を見かけると全速力で逃げるようである。雲取山や丹沢で見かけた鹿は人に慣れているのか、こちらからすぐ近くまで寄っていかない限り逃げなかった。この時私は、『情熱大陸』というテレビ番組で紹介されていたサバイバル登山家である服部文祥なる人物を思い出していた。番組の中で彼は、大菩薩嶺に何日も山篭りをして、やっと仕留めた鹿を前に「焼肉だぁ~!!」と狂喜乱舞していたからである。「鹿達よ、俺がサバイバル登山家でなくてラッキーだったな…」

「追分」で休憩してから1時間半後、座るのに手頃な倒木があったので、水分補給のために休憩することにした。ただ休憩するだけでは時間がもったいないので、一人写真の大家であるTerry師匠が実演権を放棄したという幻の一人写真に挑戦することにした。それがこれ。
名付けて”アイゼンかつら”だぁ~っ!!
1142アイゼンかつら.JPG
アイゼンかつら(11:42)
しかしこのギャグ(パロディと言うべきか?)、いったい何人の方から笑っていただけるのか?元ネタである小説『愛染かつら』は1937年という大昔に書かれたものであるし、この小説が何度も映画化されているといっても、最後に映画化されたのは1962年(私が生まれた年だ)である。そういう私も題名くらいはなんとか知っているといったレベルで、ストーリーなど全く知らないのである。なので、今回またしても滑ってしまったのは、決して私のせいではない。それに使用するアイゼンは、写真のような6本爪の軽アイゼンではダメだ。12本爪の本格的なもので、バンドをあご下でしっかり固定しなければならなかった。(そういう問題ではない?)


そして「フルコンバ小屋跡」という少し広い場所に出た。ここも小菅村からの道が合流している。ここでは道が左右に分かれているが、大菩薩峠を目指して左に進んだ。大菩薩嶺を目指すならば右の道を進むことになる。この先で初めて単独行者とすれ違ったのであるが、結局、この日の8時間10分に及ぶ行動時間中に出会った人はこの方だけであった。
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フルコンバ小屋跡(12:05)


フルコンバ小屋跡を過ぎたあたりから、凍結している場所が出始めたので、さきほど頭に載せて遊んだアイゼンを本来の目的に沿って装着することにした。当初、タイムリミットは12時半としていたが、その時刻になってもまだ大菩薩峠に着かない。明るいうちに駐車場まで戻れるか少し心配になってきたが、あと少しの筈なのでゴール(正確には折り返し点)を目指す。
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大菩薩峠間近の雪道(12:39)


そして12時44分、やっと大菩薩峠に到着した。ガイドブックには、ここは多くのハイカーで賑わっていると書かれているが、この日は誰一人として居なかった。ここは風を遮るものがないので、ビュービューと強風が吹いておりメチャクチャ寒かった。
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大菩薩峠(標高1897m)(12:44)


大菩薩峠からは、天気が良ければ南アルプスの絶景が目の前に広がる筈であるが、残念ながら山の上の方は雲で霞んでいた。
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大菩薩峠から南アルプス(北岳、間ノ岳方面)を望む(12:45)


余裕があれば、ここから大菩薩嶺まで往復するつもりでいたのであるが、さすがに無理である。介山荘での山バッチ購入は、大菩薩嶺を征服した時までのお預けとした。
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大菩薩峠に建つ介山荘(12:47)


下山は来た道を戻るだけであるが、所々に自分が登ってきた足跡がはっきりと残っているので、なんだか嬉しかった。おそらくこの日、私以外に同じコースを歩いた者はいなかったと思われる。

そして出発から8時間10分後、無事に駐車場まで戻ることができた。総じて歩き易い登山道で静かな山歩きを楽しむことができた。雪がなくなる頃に、同じコースを今度は大菩薩嶺まで足を延ばしてみたいと考えている。

最後に、下山途中の休憩時に撮影したmakiwarikunのカッコイイ一人写真を載せておく。
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フルコンバ小屋跡付近のmakiwarikun(13:22)


1月31日現在の体重74.0㎏(目標達成まであと9.0㎏減)

素晴らしきかなブログオフ会 [雑記]

私がこのブログを書き始めてから早1年3ヶ月が経過した。生まれてこのかた、日記と名の付くものを書いたことがなく(小学校の夏休みの宿題でも書かなかった)、果たしていつまで継続できるのかと心配していたのだが、まさかここまで続くとは自分でも驚いている。

多くの方が様々な形式のブログを書かれており、ブログを書く理由もまた人それぞれである。会社名を出してブログを書いている人は自社製品に消費者を誘導したいという思いが強い筈だし、またアフィリエイトでお金を稼ぎたいという人も居るだろう。

一方、私がこのブログを書き続けたところで経済的には何の利益もないし、それなりの内容の記事を書くためにはそこそこ時間も掛かっている。それにも係わらず、私はどうしてこのような一見不合理な行為を嬉々として続けているのだろうか?

その疑問に答えるべく、私がブログを書いている理由について整理してみたところ、次のような理由にたどり着いた。

1.出来事を記録に残す
そもそも「日記・雑感」というテーマで始めたブログなので、自分の記録として日々の出来事を書き留めておくのが主目的となっていることに変りはない。自分で書いた文章でありながら、昔の山行記事を読み返してみると、懐かしく感じられなかなか楽しいものである。ブログとして公開しなければ、山で撮った写真も整理しないだろうし、そもそもそれほど写真を撮らないのではないかと思う。

2.自分の主張や意見を発信する
政治動向やニュースに対する自分の主張や意見を発信した結果、それに対して共感を得ることができればとても気持ちが良い。特にコイツは絶対許せないと感じた時にはブログを通じて糾弾せずにはおれない。”キーボードは剣よりも強し”という気概で、少しでも世論に働きかけたいと思っているからだ。以前、嘘の怪我を演出した女性議員や近所迷惑を顧みず猫にエサをやる将棋棋士、マナーの悪い自転車乗りや登山者などを批判してきたが、実はmakiwarikunというブログネームは、世の中にはびこる諸悪の根源を、まるでまきを斧で割るようにバッサリと一刀両断に切って捨てるという意味が込められている。
”ひと~つ、人の世の生き血をすすり、ふたつ、不埒な悪行三昧、み~つ、醜い浮世の鬼を退治てくれよう makiwarikun侍!!”

3.山行記録をガイドとして役立ててほしい
ブログとして公開している以上、やはり自分が書いた記事を多くの人に読んでいただくと嬉しいし、読んだ人にとって少しでも役に立つものであって欲しいと願っている。特に山行記事については、同じコースを歩こうと計画している人にとって参考になればいいなぁと思っている。私も山行計画を立てる際には、何か良い情報が他の方のブログから得られないかと探すのであるが、実際のところなかなか自分が欲しい情報を得ることができない。そこで自分が山行記事を書く際には、自分ならこんな情報が欲しいと思うもの、例えば、地図、標準コースタイム、登山口、危険箇所、トイレ&キジ撃ち場所(?)などを出来るだけ分かり易く伝えられればなぁと思っている。

4.笑いをとりたい
景気も政治も暗いニュースばかりの昨今の世の中で、自分のブログを読んでいただいて少しでも明るい気持ちになってもらえればこんなに嬉しいことはない。なので1つの記事の中に少なくとも1回はギャグや下ネタを盛り込みたいと思っているのであるが、お笑い芸人でもないのでそのほとんどがスベっているのは致し方ない。
下ネタに対しては眉をひそめる方も多いとは思っているが、笑いの天才島田紳介さえも手っ取り早く笑いを取る手段としてテレビで下ネタを連発しているくらいなので、あまりにも下品でない限りはお許し願いたい。それでも「makiwarikunの変態野郎!」とか「makiwarikunなんて死ねばいいのに!」とか容赦ない厳しい言葉が投げかけられるかもしれないが、自分がピエロになることによって暗い日本が少しでも明るくなるのであれば、どんな痛烈な批判も甘んじて受け入れよう!!というか本当はmakiwarikunが単に下ネタ大好きオジさんなだけなんだけどね…

このようにブログを書く理由・目的は、ほぼ上記の4点に集約できるが、ブログを書くことによって結果的に文章を書く練習にもなっていると思っている。会社ではほぼ一日中文章を書いているような仕事をしているので、自分の思っていることをブログに纏めることで、仕事にも少しは役立っているのかもしれない。

ところが、上に書いたようなブログを書く理由や効果について、自分でも全く想定していなかったことが実現することになった。前回の記事で書いた通り、お互いのブログを訪問しあっている3人のブロガーが奥多摩で一杯やることになったのである。これがいわゆる”ブログオフ会”というやつか?今までブログのコメントの中で対話していた人と実際に会うというのはどんな感じなのであろうか?かって経験したことのないイベントを前にして前夜は良く眠れなかった。

前置きが長くなってしまったが、前回の記事に続き、ブログオフ会の様子について以下書くことにする。

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

ブログオフ会の待ち合わせ場所は、奥多摩駅前の餃子店『天益』である。今回のオフ会の発起人であるTerryさんの行き着けの店であり、Terryさんのブログの中で何回か出ていたので、この店に行くのをとても楽しみにしていた。
天益.JPG
奥多摩駅前の餃子店”天益"

待ち合わせの時間のわずか4分前に奥多摩駅に駆け込んだ私は、トイレの中で身だしなみを整える。20分ほど必死で走ってきたので、髪の毛ボウボウの上に汗だくだったので、初対面ではさすがに恥ずかしいと思った。

店に入ると、Jetstream777さんとTerryさんのご両人で既に始められておられたが、最も若輩の私が最後に登場することになり恐縮しきりである。早速、乾杯を交わした後は、今まで登った山の事やこれから登ろうとしている山の計画などを話し合って大いに盛り上がった。もちろん3人はこの時初めて会ったのであるが、まるで旧知の友同士の飲み会のようだ。

Jetstream777さんとTerryさんとの付き合いは、昨年の2月に私が雪の雲取山を6時間で往復した時の記事にご訪問いただいた時から始まる。(その時の記事はこちら

それ以来、私からもお二人のブログを訪問させていただいているのであるが、ご両人のブログの特徴が、その後の私のブログに大きな影響を与えている。

まず、Jetstream777さんのブログからは、山行計画の立て方とその記事の書き方を教わるとともに、撤退のタイミングなど山に登る際に知っておかなければならない事も色々と勉強させてもらった。Jetstream777さんは、カメラやパソコンなどのメカにも非常にお詳しくて、メカオンチの私は「Jetstreamさん、凄いなぁ…」といつも感心している。ブログに掲載されている写真も素晴らしくて、自分が同じ場所で撮った写真と見比べてこうも違うものかと驚いている。私も時々Jetstream777さんの写真を思い出して、少しは構図に気を配ろうとすることもあるのだが、私にはこの方面のセンスが全くないようで、Jetstream777さんの足元にも及ばない出来栄えにがっかりである。

次に、Terryさんのブログからは、ギャグや替え歌のセンスを教わり、随分と笑わせていただいた。私のブログの方向性が段々と狂っていった…じゃなくて軽妙になっていったのは、このブログの影響によるところが大きい。そして、時として繰り出される諸悪に対する鋭い批判のパンチもまた、私のブログの書きぶりに影響を与えているのは間違いない。そして今、私が変なポーズによる一人写真という新たなジャンルに踏み込もうとしているのも、Terry師匠の後を追っているにすぎないのだ。

せっかくの機会なので、Terry師匠に一人写真のコツを伺ったところ、やはり山を歩いている途中では頭の中はその日のポーズのことでいっぱいということであった。また、実際にブログに掲載する写真は、数多く撮った中から見栄えの良い1枚を選んでいるとの話を伺い、さすがに巨匠と呼ばれる人は心掛けからして違うものだと感心した。

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記念写真(左からTerryさん、makiwarikun、Jetstream777さんの3名)

実はお二人とは以前から不思議な縁を感じていた。Jetetream777さんとは去年の7/31に武尊山の山頂で一緒になったばかりか言葉まで交わしていたことが分かっているし、Terryさんとも去年の10/2に谷川岳のオキの耳あたりですれ違っている筈である。事前に何の相談もしていないのに、同じ時間に同じ山で出会うという確率はそれこそ天文学的な確率であろう。

Terryさんとすれ違った頃には、ブログでしきりにmkiwarikunは速水もこみちにそっくりだと嘘をついていたので私に気付いていただけなかったが、今度すれ違うようなことがあれば、すぐに気付いていただけるものだと思っている。「あっ!福山雅治にそっくりのmakiwarikunだ!」と…。

楽しい時間はあっと言う間に過ぎていくようで、3時から始まったオフ会も気付いた時には8時前になっていた。名残惜しいがこの日はお開きとして、またの再会を誓いあった。会の前はいったいどうなるものかという不安もあって少し緊張していたが”案ずるより産むが易し”、素晴らしいオフ会であった。私がブログを書く理由として”素晴らしい仲間と交流の幅を広げることができる”ということを追加したいと思う。

最後に、『天益』の店内は、カウンター7席のみでこじんまりとしているが、私が尊敬する山野井夫妻のサインや荘厳な山々の写真が飾られているなど、山好きにはたまらない雰囲気であった。店のおばちゃんも愛想が良くて居心地が良いし、餃子も美味しくて値段的にもリーズナブルといえるレベル。ただ、残念だったのは、この日は私が楽しみにしていたシカ肉の竜田揚げがなかったことだ。またいつか寄ってみたいと思う。

不安な時は撤退せよ!(古里駅~川苔山~本仁田山~奥多摩駅) [登山]

1月15日(土)。この日、お互いのブログを訪問しあっている伝説の男前ブロガーが一堂に会することになった。Jetstream777さんとTerryさんと私makiwarikunの3名である。15時に奥多摩駅前の餃子店で落ち合うことにして、それまでは各自が好き勝手に奥多摩の山々を歩くことになったのだ。

奥多摩駅に15時頃に下山できるコースを探した結果、古里駅から赤久奈山(924m)~川苔山(1363m)~本仁田山(1225m)と経由して奥多摩駅に下りるコースを選択した。当初の予定では、標準コースタイムの7割程度のスピードで歩けば13時半頃には奥多摩駅に到着できるので、駅前の温泉施設”もえぎの湯”でさっぱりしてから会合に向かえると考えたのだが、予想に反してこの山行が実にハードなものとなった。

最近は腹痛に転倒に道迷いと困難続きのmakiwarikunであるが、果たして今回はどんな困難に見舞われたというのか?

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

日程:2011年1月15日(日帰り)
天候:曇り[曇り]
コースタイム:
8:22 古里駅 →9:17 川井駅分岐 →9:49 赤杭山 →11:12 曲ヶ谷北峰 →11:21 川苔山 →11:38 舟井戸 →12:46 大ダワ →13:07 コブタカ山 →13:35 本仁田山 →14:56 奥多摩駅

直線距離:15.470km
沿面距離:16.263km
累積標高(+):1908m
累積標高(-):1849m
所要時間:6時間34分

川乗山地図.JPG
GPSトラックデータ

川乗山グラフ.JPG
GPSデータグラフ表示

川苔山計画.JPG
登山計画&結果表


いつも通り7時5分立川発奥多摩行の電車に乗ったのだが、古里駅には8時19分に到着した。古里駅の反対側ホームに渡り改札を出て線路脇の道を奥多摩方向に少し歩くと川苔山を示す道標が現れるので、後は適度に現れる道標に従って行けば良い。この日のコースには道標がイヤというほど立っているので、道迷いのスペシャリストのmakiwarikunでもこの日は全く迷う心配はなかった。

登山口は古里駅から10分ほど歩いた所に現れる標識の先にある階段を登った所から始まる。
0830登山道口.JPG
登山口を示す標識(8:30 )

赤杭山への登山道は結構な勾配であり、気温が低いこの日でもしばらく歩くとすぐに汗が吹き出てくる。登山道は道幅が狭いうえに崩落している箇所もあるので細心の注意が必要だ。
0907崩壊斜面.JPG
崩落している登山道(9:07 落ち葉が積もっているので一層の注意が必要だった )

川井駅の分岐を過ぎると勾配は緩やかになり、落ち葉の絨毯を踏みしめながら気持ちの良い歩きが楽しめた。
0917川井駅分岐.JPG
川井駅分岐(9:17 左折して赤杭山に向かう。)

出発から90分ほどで赤杭山(あかぐなやま)山頂に到着したが、山頂標識はなぜか”赤久奈山”と書かれている。
0949赤杭山.JPG
赤杭山山頂(9:49 あまり展望はきかなかった )

赤杭山から尾根道をしばらく進むと突如として林道に出会うが、登山道は林道を5分ほど進んだところから再び現れる。
1010林道.JPG
赤杭山先の林道(10:10 )

登山道は、しばらく山腹を登って行くが、やがて赤杭尾根と呼ばれる尾根道となり、ここから曲ヶ谷北峰まで急登が続く。
1039赤杭尾根.JPG
赤杭尾根(10:39 曲ヶ谷北峰まで厳しい登りが続く)

スタミナが落ちている最近のmakiwarikunにとって赤杭尾根は非常に厳しい登りとなったが、休憩を適当に取りながらノロノロと進み、なんとか曲ヶ谷北峰に辿り着いた。
1112曲ヶ谷北峰.JPG
曲ヶ谷北峰(11:12 左折して川苔山を目指す )

川苔山方向に少し進むと休憩小屋跡の脇に鳩ノ巣駅への分岐(左折)があるが、当然ながらすぐ目の前の川苔山を目指して直進する。そして出発から丁度3時間で川苔山山頂(標高1363m)に到着した。

川苔山(かわのりやま)の名前の由来は、昔、この付近の沢で良質な川苔が採れたために”川苔山”と名付けられたということだ。従って、山頂標識や道標に記されている”川乗山”という表記は誤りであり、これはかつて国土地理院の地形図でそのように誤記されていたことが原因という嘘のような話。
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川苔山山頂(11:21 山頂標識や道標は全て”川乗山”と誤記されている )

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川苔山からの景色(11:22 残念ながら山々の名前が分からない…)


下山は先程の休憩小屋跡まで戻り、鳩ノ巣駅方面への急な道を下って行く。まもなく水場を示す道標が現れたので、水場フリークのmakiwarikunとしては大いに心引かれるものがあったのだが、既に予定よりも20分近く遅れていたこともあり、ここは泣く泣くスルーした。

なおもしばらく進むと、舟井戸と呼ばれる場所に出るが、そこには次のような道標が立っていた。直進する道には”本仁田山、大ダワ方面巻き道”とマジックで書かれており、道幅も太くて歩き易そうである。一方、右折する道には”本仁田山・大ダワ”と記された標識の下に黄色い紙で”通行注意”と書かれているので、普通なら直進するところだろう。しかも、ガイドブックの地図を確認したところ、右折する道には”鋸(のこぎり)尾根”という恐ろしい名前まで付いている。
1138舟井戸.JPG
舟井戸の分岐(11:38 無謀にも右折して鋸尾根へ進んだのだが… )

ところが、巻き道を進むことになんとなく抵抗があるmakiwarikunは、敢えて右折して鋸尾根を進んでしまった。さすがは”真性M”のmakiwarikunの面目躍如と言いたいところであるが、すぐさまこの判断を大いに悔やむことになる。

鋸尾根をヒーコラ言いながら15分ほど登り、やっとの思いでピークに達したのであるが、そこからの下りが非常に怖かった。まず、落ち葉が大量に堆積しているので足元の状態が良く分からない上に非常に滑り易いのである。更に悪いことには、勾配が急過ぎて、上からはこの先の登山道の状態が把握できないといった有様だった。一応、5mほど下ってみたのであるが、あまりの恐ろしさに即座に撤退を決意した。
1152鋸尾根撤退.JPG
鋸尾根の撤退地点手前(11:52 この先が急勾配になっている)

鋸尾根を舟井戸まで戻り、巻き道を進み直すことにしたのであるが、これにより30分ほど時間をロスしてしまったので、”もえぎの湯”で一風呂浴びてさっぱりする計画はここで断念である。

だが、この巻き道も決して安全な道ではなかったのである。鳩ノ巣駅方面への分岐を過ぎて大ダワに向かう途中、左に大きくカーブしている箇所があるのだが、ここの通過が結構怖かった。道幅が非常に狭い上に道の谷側はスッパリと切れ落ちている。おまけに山側の岩がせり出している所があるので、うっかりザックを引っ掛けてバランスを崩せば死ぬほど怖いだろう。
1242危険箇所.JPG
舟井戸~大ダワ間の危険箇所(12:42 通過後にホッとして振り返り撮影した )

危険箇所を通過して程なく大ダワという場所に到着した。山にはこの他にも大ダワと呼ばれる場所を良く見かけるが、”ダワ”とは元々は峠のことを指す言葉ということだ。ここからは鋸尾根を見上げることができるのだが、その極めて急な斜面を見てしみじみと「さっきは無理をしないで引き返して良かったなぁ」と思った。やはり山では、少しでも不安を感じた場合は、安全第一で無理をしないことが大切であると再認識した。
1246大ダワ.JPG
大ダワ(12:46 鋸尾根は悪路・急坂のため通行注意と書かれている)


大ダワから本仁田山への道は、再び急な登りとなるのであるが、ここまでほとんどノンストップで進んできたこともあり、もはやヘロヘロで足が前に出ない。途中にコブタカ山と呼ばれる休憩ポイントがあったので、この日初めて腰を下ろして一息つくことにした。
1307コブタカ山.JPG
コブタカ山(13:07 )

ところが、歩くのを止めた途端にめちゃくちゃ寒くなったので、たった5分ほど休んだだけで、これなら歩いた方がよっぽどマシだと思い、鉛のように重い足を引き摺りながら、この日最後のピークとなる本仁田山を目指すことにした。

そして、本仁田山山頂には13時35分に到着したが、ここには誰も居なかった。
チャーンス!!

この日は一人写真の巨匠としての名声を欲しいままにしているTerry氏との会談を控えているので、どこかで変なポーズの一人写真を撮るつもりで三脚を持参していたのであるが、ここにきてようやく実行することができる。

そこで撮影した写真が次の2枚であるが、全くのノープランだったために意味不明なポーズとなってしまった。う~ん、こんなことではダメだ。Terry氏に一人写真撮影のテクニックを伝授してもらわねば…
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本仁田山山頂(13:38 意味不明な変なポーズのmakiwarikun )

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本仁田山山頂(13:39 更に変なポーズのmakiwarikun )


本仁田山から奥多摩駅方向に下る道は大休場尾根と呼ばれており、急勾配が続く。ガイドブックによれば、本仁田山から奥多摩駅間の標高差は約880mであり、これは北アルプスの涸沢と北穂高岳との標高差に匹敵するとのことである。この標高差を待ち合わせまでの1時間チョイで下りなければならないと気持ちは焦るのであるが、急勾配の下りが大の苦手なmakiwarikunは、ここはゆっくりとしか進めなかった。
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本仁田山から安寺沢への大休場尾根(13:53 )

奥多摩駅まで2.5kmほどの所にある安寺沢に着いた時には、待ち合わせ時間まで残り20分ほどに迫っていたので、ひょっとしたら間に合わないかもしれないと一瞬弱気になったが、”決して諦めない男”ことmakiwarikunはここから必死に走った結果、ギリギリ15時前に到着することができた。

当初の目論見では、オフ会前の軽いウォーミングアップのつもりで臨んだ山行だったのだが、予想外にハードなものとなった。

(長くなったのでオフ会の様子は次回の記事にします。)

波乱続きのリハビリ登山(大倉~鍋割山~搭ノ岳~大倉) [登山]

今年の箱根駅伝は実に面白かった。今年度の学生駅伝3冠を狙う早稲田大学と箱根駅伝3連覇を目指す東洋大学の実力が伯仲しており、最後までハラハラドキドキの展開に大興奮してしまった。

特に、6区の山下りを任された早稲田大学の高野選手の鬼気迫る走りには感動した。凍結した路面に転倒した直後に前を抜く気合と精神力は実にあっぱれ!いや~、新年早々良いものを見せてもらった。

一方のmakiwarikunであるが、大晦日に雲取山に向かい”ウン”悪く(ウン〇悪くと言うべきか?)敗退することになってしまったばかりか、高野選手と同じように山を下っている時に凍結した路面に足を滑らせて転倒してしまった。高野選手と大きく違ったのは、転倒の際に右足の膝と足首を痛めてしまい、新年三が日はほとんど歩くことすら出来なかったことだ。

この怪我さえなければ、昨年と同様に今年も初詣を兼ねて筑波山に初登りに行く予定であったのだが、自分の不注意のせいでこのスケジュールに穴を開けることとなった。そこでその謝罪のために記者会見を開くことにしたのだが…

芸能レポーター:「大晦日の自分にもし一言声を掛けれるなら?」
makiwarikun:「出掛けるのを止めなさいと言いたいです。」
(お前は海老蔵か!)

いつもはイケイケのmakiwarikunであるが、さすがに今回は人生初の野グ〇に加え転倒による負傷によって懲りてしまったか?いやいやとんでもない!喉元過ぎれば熱さ忘れる!!

世間の目が麻木久仁子に向かっている隙を見計らって、海老蔵は懲りもせずに飲みに出かけるのだった…じゃなくて、makiwarikunは再び山に向かうのであった。

しかし、手負いのmakiwarikunにまたしてもハプニングが訪れる。いったいmakiwarikunの身に何が起こったのか!?

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

日程:2011年1月10日(日帰り)
天候:晴れ[晴れ]
コースタイム:
8:40 大倉BS →9:46 二俣 →10:58 後沢乗越 →11:58 鍋割山山頂 →12:32 二俣分岐 →12:53 金冷し →13:12 搭ノ岳山頂 →13:45 花立山荘 →15:22 大倉BS

直線距離:18.480km
沿面距離:19.128km
累積標高(+):1806m
累積標高(-):1806m
所要時間:6時間42分

鍋割山地図.JPG
GPSトラックデータ

鍋割山グラフ表示.JPG
GPSデータグラフ表示

大晦日に負った怪我はほとんど治ってはいるのだが、足首にまだ痛みが残っていたので、今回はリハビリがてら少し軽めの山行計画を立てることにした。そして何度か登ったことのある丹沢の搭ノ岳に行くことにしたのであるが、普段は大倉BS(標高290m)から歩くところを今回は標高の高いヤビツ峠BS(標高761m)から向かうことにした。そして下りの際に鍋割山に寄って名物の鍋焼きうどんを食べようと考えていた。

ところが、秦野駅のバス停でヤビツ峠行きのバスを待っていた時、バス会社の方が、前夜に降った雪のためヤビツ峠行きのバスは蓑毛止まりになると教えてくれた。蓑毛からヤビツ峠までは徒歩で1時間ほどかかる上に、方向オンチの自分が無事に辿り付ける自信もない。そこでとっさの判断で、いつものように大倉から登ることにして、一駅先の渋沢駅に向かった。まずこれが最初のハプニング。

それにしても、少々の雪くらいならチェーン巻いて登っていくのがプロの仕事と違うのかい!と思わずにはいられない。こっちは2WDの車にノーマルタイヤで車の運転にも自信がないから、冬は公共交通機関で山に向かうことにしているのに、これではシロートの自分と変らんではないか!!

内心でブツブツ文句を言いながらも、大倉BSに到着する頃には予想外の雪景色に期待が膨らむ。大倉からはいつも搭ノ岳を目指して大倉尾根(通称”バカ尾根”)に進むのであるが、この日は当初予定の逆回りコースを歩こうと思い鍋割山を目指すことにした。

0842大倉.JPG
大倉BS(8:42 大倉尾根(搭ノ岳)は左へ進む。この日は鍋割山を目指し手前に進んだ。)

大倉BSから鍋割山を示す道標に従い進んでいくと、やがて西山林道と呼ばれる車道に出会うが、樹林帯の中の道は、葉っぱに積もった雪がキラキラと舞い散っておりとても綺麗だった。西山林道は傾斜も緩やかな上に非常に歩き易いので、この辺りではリハビリという事も忘れ、ご機嫌モードで先行者をバンバン追い抜きながら進んだ[グッド(上向き矢印)]
0913樹氷.JPG
西山林道の樹氷(9:13)

西山林道の終点辺りは少し広くなっているのであるが、ここに立っている鍋割山へは左折を示すショボイ道標に気付かずに直進してしまった。その誤った方向から何人かがこちらへ向かってこられるので、てっきり鍋割山から下山されているものだと決め付けてしまったのであるが、実はその方々は鍋割山への道を間違えた事に気付いて戻っているだけであった。

道を誤っていることにまだ気付いていないmakiwarikunは、10分程進んだところで道が忽然と消えていることに戸惑う。正面には滝が見えているのであるが(後で調べたところミズヒ大滝(落差25m)というらしい。)、先へ進む適当な道が見当たらないのだ。少し無理があると思いつつ、右手に見える小さな崖を登ったと思われる踏み跡があったので、その崖の先に登山道が続いているのかも?と考え、この崖を登ることにした。

ところが、簡単に登れると思えたこの崖であるが、足元が脆く手がかりになるホールドも少ないので、登り切るのに冷や汗をかくことになった。しかも、せっかく苦労して崖を登ったのに、先に続く登山道はどこにも見当たらなかったのでテンションは激下がりである[バッド(下向き矢印)]
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西山林道終点先の崖(10:26 写真では全く簡単に登れるように見えるが冷や汗をかいた)

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西山林道終点のショボイ道標(10:39 ここを左折して鍋割山方向に進まねばならなかった。)

この道迷いが2番目のハプニングであるが、これは全くの自業自得である。道標に頼っているからこうなるのであって、地図をこまめに確認していればこのミスは防げた筈である。地図は2万5千分の1のものがベストであるが、自分が持っているガイドブックの地図でも注意深く見ておれば、林道終点から左折して沢を渡ることは確認できていた。

テンションが下がったmakiwarikunは、このまま来た道を大倉まで戻り、家に帰ってしまおうかと思ったのであるが、林道終点まで戻ったところで鍋割山を示す道標に気付いた。「このまま帰宅してしまえば、恥ずかし過ぎてブログには書けないなぁ…」と思い、気を取り直して鍋割山に向かうことにした。このような心理状態のことを専門的には”ブログ公開によるプレッシャー効果”と呼んでいるが、自分の目標を多くの人に話すことによって達成せざるを得ない精神状態に自分を追い込むのと似ている。

林道終点から正しい道をしばらく進むと、登山道はやがてジグザグになり、間もなく後沢乗越に到着する。
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後沢乗越(10:58)

後沢乗越から鍋割山までは、樹林帯の急な登りがダラダラと続くが、大倉から後沢乗越までが総じてなだらかだっただけにかなりキツく感じる。ヒーコラ喘ぎながら登っていくと、後沢乗越からちょうど1時間で鍋割山荘が建つ山頂(1273m)に到着した。

少々不遜な感想ではあるが、標高差が1000mに満たないこのコースでこれほどヘロヘロに疲れるとは思わなかった。先日も思ったのであるが、やはりこの2ヶ月もの間、あまり山に登らなかったのでスタミナが相当に落ちてしまったのであろう。10月に標高差2200mの黒戸尾根を日帰り往復した頃の馬力は今や見る影もない。

鍋割山荘では名物の鍋焼きうどんを食べるつもりでいたのだが、この日もなんだかお腹の調子がイマイチだったので、休憩もそこそこに搭ノ岳を目指して歩き出した。先日と同じように、休憩を取るとお腹が痛くなるような予感がしたのである(まさかこの予感が的中することになろうとは…)。
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鍋割山荘(11:58 鍋割山荘名物の鍋焼きうどんが美味しそうだなぁ…じゅるるるる~)


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鍋割山頂(11:59)


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鍋割山頂からの富士山(11:59 この日も富士山は荘厳な姿を見せてくれた)


鍋割山から大倉尾根に続く道は、相模湾や伊豆の景色が眼下に広がり、起伏も柔らかく気持ちの良い歩きが楽しめた。
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鍋割山から大倉尾根へ続く登山道(12:28)

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二俣分岐(12:32)

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右手に大倉尾根を見る(12:35 花立山荘が見える)


やがて道は”金冷シ”と呼ばれる場所で大倉尾根に出会う。左に行けば搭ノ岳山頂へ、右に行けば大倉BSに戻る。ここでは相当の疲れを感じていたので、よほど右手に進もうかと思ったのであるが、ここで楽な道を選べば当ブログの読者の方から「makiwarikunも衰えたな…」とか「彼はもう終わったな…」とか思われそうな気がしたので、気力を振り絞って搭ノ岳山頂を目指すことにした。ここでも”ブログ公開によるプレッシャー効果”が発揮された。

因みに”金冷シ”を私は”カネヒヤシ”と読むのだと思っていたのだが、実際には”キンヒヤシ”であることが先日分かった。”キン”とは男にとって一番大切な”金タ〇”のことを指しているのであろうか?もしそうならば、ここで金冷法を実践すると精力絶倫になるというのか?幸いなことに付近には冷却に使用できる雪もたっぷり有るぞ。最近、めっきりと衰えの目立つmakiwarikunは、なんとか人の途切れるのを待って、火照ったボールを雪で冷そうとしたのであるが、そのチャンスは終に訪れなかった。
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金冷し(12:53)


金冷シから20分ほどで搭ノ岳山頂(標高1491m)に到着したが、ここはいつでも休憩している人が多く、この日も結構な賑わいを見せていた。私もそれまで4時間半に亘り歩き通しであったので、この日初めて腰を下ろして休憩することにした。
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搭ノ岳山頂(13:12 赤いモビルスーツに身を固めたmakiwarikunは赤い彗星と呼ばれている)

ところが、5分ほど休憩していると、鍋割山で予感した通り、大晦日に続いてまたしてもお腹が痛くなってきた。これが3番目のアクシデントであるが、どうやら次のような連鎖反応がmakiwarikunのデリケートな肉体に起こっていると思われる。

斜面を登る→汗をかく→休憩する→汗が冷える→お腹の体温が奪われる→腸の活動が鈍る→下痢になる

しかし、リスクマネジメント能力に優れるmakiwarikunは、こんなこともあろうかと今回は下痢止め薬『ストッパ』を持参していたのだ。「どうだ、ゲリピー野郎!参ったか!がっはっはっはっはぁ~っ!」と高笑いである。

私は素早く『ストッパ』をザックから取り出し1錠を口に含んだ。唾液によってサッと溶けるので水は要らないし、味もなかなか爽やかで美味である。すると、早くも効果が現れたようで腹痛が和らいだ。信じる者は救われる。これぞプラシーボ効果だ。

プラシーボ効果が現れているうちに冷えたお腹を暖めようと思い、休憩を切り上げ大倉に向かって歩き出すことにした。

ところが、花立山荘を目前にして、またしてもお腹が痛くなってきた。プラシーボ効果が切れたのか?いや、私はストッパに対しては絶大なる信頼を寄せているのでそれは無い筈だ。おそらくは、急斜面の下りで下腹部が激しく揺さぶられたのが原因であろう。

花立山荘にはトイレもあるので焦ることはない。私は落ち着き払った様子で花立山荘前のベンチに座り、2錠目のストッパを飲み、しばらく様子を見ることにした。すると、幸いにも腹痛がだんだんと治まってきたのだ。1錠目を飲んでから30分ほど経過したので、ようやく薬本来の効用が現れだしたものと思われる。「ざまーみろ、ゲリピー野郎!参ったか!わっはっはっはっはぁ~っ!」
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花立山荘(13:45 お腹の調子が良ければここでおしるこを食べたいのだが…)

腹痛が治まれば、後は無事に大倉まで下るだけである。先日のこともあるので、路面の状態には細心の注意を払いながらゆっくりと下った。
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歩き易い大倉尾根(14:36 なるべく下腹部に振動を与えないように下った)

そして出発から6時間42分後、色々とハプニング続きであったが、結果としては無事に大倉BSまで戻ることができた。もはやお腹に何の不安もない。凄いぞ!ストッパ! これからもオマエの助けが必要となる場面が度々訪れるであろう。頼むぞ!ストッパ! しかし、リハビリとしてはなかなかハードな行程であった。

2010年最後の登山は最低だった(雲取山敗退) [登山]

2010年度は私が山登りを始めて実質的に最初の年となったが、その中でも印象深いのは、雪の雲取山爆走(2月)、八ヶ岳で山小屋デビュー(8月)、槍ヶ岳で涙の敗退(9月)、黒戸尾根(甲斐駒ヶ岳)気合の日帰り往復(10月)の4つであろう。

特に、登山初心者である私が無謀にも積雪の雲取山に軽アイゼン1つで挑み、箱根駅伝の山下りを彷彿させる爆走により山頂から2時間で鴨沢まで戻ったのがmakiwarikun伝説の始まりだった。(その時の記事はこちら

雲取山ではあやうくウン〇を漏らしそうになったり(その時の記事はこちら)、燧ケ岳で滑落した後にテント泊でトレーニングを行ったり(その時の記事はこちら)と、何かと思い出の多い山であるが、2010年の大晦日にこの雲取山へ行くことにした。

今回のテーマは、先日購入した冬山用の登山靴の慣らしと12本爪の本格アイゼンの練習である。雲取山荘のホームページによれば、山頂付近では20cm程度の積雪があるということなので、なんとかアイゼンの練習はできるだろう。

ところが、2010年を締めくくる筈のこの登山が私にとって実に辛いものとなった。こんなことなら家でのんびりと「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!大晦日年越しスペシャル絶対に笑ってはいけないスパイ24時」を観るのだったと後悔している。

いったいmakiwarikunに何が起こったというのか?!(今回はハプニングによりほとんど写真を撮っていません。また、食事中の方はこの先は読まないで下さい。)

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

日程:2010年12月31日(日帰り)
天候:晴れ
コースタイム:
9:15 鴨沢BS→9:43 小袖乗越→10:50 堂所(5分休憩))→11:50 七ツ石小屋→12:15 ブナ坂→12:20 休憩地(30分休憩)→13:15 七ツ石小屋→13:48 堂所→14:45 小袖乗越→15:04 鴨沢BS

直線距離:17.111km
沿面距離:17.773km
累積標高(+):1680m
累積標高(-):1680m
所要時間:5時間49分

雲取敗退地図.JPG
GPSトラックデータ

雲取敗退グラフ.JPG
GPSデータグラフ表示

10月に甲斐駒ヶ岳への黒戸尾根を日帰り往復して以来、山に登る回数が急激に減ってしまった。11月、12月と続けて僅か1回ずつしか山に向かっていないのだ。来年度の目標に掲げていた黒戸尾根をあっさりクリアしてしまった事により、少し気が抜けてしまったのであろうか?あるいはこれが所謂”燃え尽き症候群”というやつかもしれない。

いつも通り始発電車に乗り奥多摩駅に向かうが、電車の中は登山姿の乗客が非常に少なかったので、さすがに大晦日にまで山に登ろうとする物好きは少ないのかと思った。ところが、奥多摩駅からのバスが不思議なことに超満員である。どうやら雲取山荘に泊まって初日の出を見ようとされる団体さんと運悪く乗り合わせてしまったようなのだ。

バスは定刻通り9:10に鴨沢BSに到着する。35分もの間、立ちっぱなしで満員の車中で揺られると、無駄なエネルギーを消費して少々損をしたような気分になる。

いつも通り停留所前のトイレで用を足し、準備を整えてから歩き出す。今回のテーマは雪山登山の予行演習なので、とにかく汗をかかない程度のゆっくりとしたペースで歩くことを心掛けた。雪山で大量の汗をかくと、その汗が冷えて非常に危険だからである。

なので、この日は先行者が前に見えても敢えて抜くようなことはせずに、ゆっくりと付いて行く。もっとも、新しい雪山用の登山靴(アク/フィッツロイGTX)は夏山用の登山靴に比べて非常に硬く私にはまるでスキーブーツを履いているように感じられたので、スピードを上げようにも上げられないのが正直なところ。

登山道にはほとんど雪は積もっていないのだが、所々で凍結している箇所があるので、滑らないように注意しながら進む。それでも日が当らない場所は雪が融けずに残っているので、雪景色の雰囲気だけは楽しむことができた。気温は氷点下4~5℃くらいであろうか、キリッとした空気が火照った顔を冷やしてくれるのでとても気持ち良い。
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雪が残る登山道(9:59 標高900m付近)

この日は、極寒の中で暖かいカップラーメンを食べてみたくて、ガスバーナーを持参してきたのだが、ラーメン用の水を七ツ石小屋先の水場で補給する。七ツ石小屋からブナ坂までの巻き道には雪が10~20cm積もっており、そろそろアイゼンを付けようかと思ったのであるが、装着に不慣れであることを考慮すると少し広い場所が現れるまでは登山靴のまま進むことにした。先行者の足元および足跡を観察してみても、ほとんどの方はアイゼンを付けていないようであった。

そしてブナ坂に到着したのが12:15。いくらゆっくり歩いたといっても、前回(11/3)に歩いた時より約50分も遅い。新しい登山靴による影響もあるとは思うが、山行不足によりスタミナが落ちていることに間違いはないだろう。2011年はコンスタントに週に1回程度の山登りを行いたいと思っている。

広々としているブナ坂でアイゼンを装着しようとしたのであるが、先に目をやるとなんと雪がほとんど無いではないか!!これではアイゼンを付けることはできない。お腹も空いてきたので、ブナ坂から5分程のところの休憩ポイントでカップラーメンを食べることにした。早速ガスバーナーでお湯を沸かすが、歩いている時にはあんなに暑かったのに、止まった途端にメチャクチャ寒くなったので防寒服を着込んだ。

極寒の中でのカップラーメンはやはり美味しかった。体の芯から温まるようだ。日帰り登山の際には、行動食のみを持参し落ち着いて食事を採ることが少ないmakiwarikunであるが、たまにはコッヘルとバーナーを持参するのも良いものだと思った。

ところが、カップラーメンを食べ終わるのを見計らうかのように”奴”が襲い掛かってきたのだ。「きゅるるるるる~」と下腹部から不気味な音がするし鈍い痛みもある。「まずい!こんな時に…」 ”奴”に襲われたのでは、登頂もアイゼントレーニングも二の次である。とにかく一刻も早くトイレに辿り着くだけだ。

先の奥多摩小屋に向かうよりも七ツ石小屋の方が近いと判断して来た道を引き返すことにしたのだが、こんな時は僅か20分程度の距離が無限の道程のように遠く感じる。

そんな時、突然私の目の前に脇へのうっすらとしたトレースが現れた。七ツ石小屋はあと10分くらいだろうから頑張れば行けないことはないと思ったのだが、そのトレースの先には”キジ撃ち”するのに絶好の場所があるような気がした。私のようにO.P.P(お腹ピーピー)症候群を抱える者にとって、”キジ撃ち”は山を続ける為には避けられない道であろう。「お前も山登りをしようとするならば、一発かましてみろ!!」と山の神様が私を試しているのではないかと考えた。

そして、トレースを辿り、更に低木をかき分けて脇に入っていくと、まさに”キジ撃ち”に絶好な場所が現れたのである。登山道からは完全に見えない上になによりも平坦でしっかりしたスタンスを取れるのが良い。その朝、忘れ物はないかと持ち物チェックをして、念のためティッシュをザックのポケットに詰め込んだナイスな判断に感謝しながら、これはやるしかないと決断した。

人生初の野グ〇を経験し、すっかり意気消沈してしまったmakiwarikunは、トボトボと帰路に着く。当初の予定では16:46発のバスに乗るつもりであったのだが、このアクシデントによってなんとか1本前(15:17発)のバスに間に合いそうである。目的としていたアイゼンの練習も出来なかったし、散々な年の瀬となってしまったなぁと思っていた。

そんなmakiwarikunに更なる災難が襲い掛かる。堂所を越えて後はゆっくりと下るだけだと思っていたのであるが、ハンディGPSを探してポケットに手を突っ込んだ時のこと、うっかり凍結している箇所を踏んでしまい、ツルンと派手に滑ってしまったのだ。松本人志も真っ青の決してすべらない男のmakiwarikunにしてまさかの事故である。

転んだ際に右膝を強打するとともに右足首を捻ってしまった。あまりの衝撃にこの先歩けるかどうか心配になったのだが、相当な痛みがあるもののなんとか歩けるのでホッとした。ズボンは擦り切れており、膝からの出血が衝撃の強さを物語っている。しかし、考えようによっては出すものを出した後の転倒であったので本当に良かった。これがもし”キジ撃ち”前に起こっていたら…と考えただけでも恐ろしい。黄門様の大決壊は必至であろう。

と色々あった大晦日の山行であったが、足を引きずりながらも15:04になんとか鴨沢BSに戻ることができた。硬い登山靴により、小指の外側にはマメも出来ているらしくとても痛い。満身創痍とはmakiwarikunのこの状態を表すためにあるような言葉である。

山の中で強烈な便意に襲われたのは今回で三回目(二回目は9/15大天井岳付近、その時の記事はこちら)となるが、不思議なことに自分にとってラッキーな状況が訪れなんとかピンチを脱することができている。(今回はピンチを脱したと言えるかは微妙であるが…)

おそらく私は”ウン〇の神様”に守られているのだろう。ウン〇の神様よありがとう!そこで私は感謝の意も込めてウン〇の神様を称える歌を作ることにした。これで来年の紅白出場は決まったようなものだ。

ウン〇の神様(作詞:makiwarikun)
♪♪ 雲取山には~ それはそれはくっさい~ ウン〇の神様がいるんやでぇ~ ♪♪
(植村花菜さん、ごめんなさい…)

当ブログをご訪問いただいている皆様。年明け早々から下品な記事になってしまいましたが、今年も宜しくお願い申し上げます。

雪山の準備完了 [登山]

私にはそのネーミングのカッチョ良さからして、とても気になっている山がある。その山の名前こそ
飛龍山!!(ひりゅーさん!!)

槍ヶ岳や剣岳もまぁまぁカッチョ良い名前だとは思うが、こいつの山名に比べれば遥かに凡庸に感じてしまう。

名前から受けるイメージというのは、意外と重要であると私は思っている。例えば、もしも私の名前が”反町 龍司”なんていうめっちゃカッチョ良い名前だとしたら、おそらく私の立ち居振舞いもワイルドかつクールになっていた筈であり、女性からも更にモテモテだった筈だ。(まぁ高貴な私の本名通りの高貴な立ち居振舞いにより、十分モテモテではあるのだが…という夢を良く見る)

その点、南アルプスの北岳(3193m)、間ノ岳(3189m)、農鳥岳(3026m)のいわゆる白峰3山は、そのぼんやりした名前によって随分と損をしているのではなかろうか?いずれも3000mを越える堂々たる名峰なのだが、私にはイマイチ登頂してやろうという意欲がなぜか湧かないのである。日本で2番目の高さを誇る山の名前が北岳って…。まぁ世界第2位の標高の山が更に味も素っ気も無いK2(ケーツー)という名前なので、1番でなければそんなもんなのかもしれない。

さて、12月19日(日)にそのカッチョ良い飛龍山に登る計画を立てた。その隣の雲取山を経由してピストンで行こうとしたのだが、かなりのロングコースになるため、車で小袖乗越まで乗りつけ、6時頃からヘッドライトの明かりを頼りに歩き出せば、なんとか日暮れ前には戻ってこれる筈だと考えた。次のグラフがその予定の概要であるが、片道14kmにもなるハードコースである。体調万全の状態において気合十分で臨まないと完走は危うい。
雲取飛龍グラフ.JPG
小袖乗越→雲取山→飛龍山 グラフ

ところが、前日(18日)になっても12日のバドミントンの練習で痛めた右足首の状態が思わしくない。この状態では、筑波山すら登れないのは明らかなので、残念ながらこの計画は延期にすることにした。しかし、今になって冷静に計画を見直すと、日の長さが1年で最も短いこの時期に決行するにはちょっと無謀のような気がする。もう少し日が長くなった頃にチャレンジしたいと思う。


それにしても、今年のmakiwarikunはバドミントンで足首を痛める事が多い。その理由は分かっている。私のプレー中のフットワークがおかしいからである。次の写真は、現在練習で履いているバドミントンシューズをテーブルの上に置いて後方から撮ったものであるが、明らかに外側に向かって傾いている(特に右足)のが分かる。これは、普段歩いている時も同じなのだが、makiwarikunが極端に足の外側から着地する癖があるので、靴の外側ばかりが擦り減っていることによる。そして靴が擦り減ることによって、更に足の外側に重心が掛かるという悪循環に陥っているのだ。山道具ばかりを買うのではなく、そろそろバドミントンシューズも買い換えなければならないと思っている。
シューズ.JPG
外側が極端に擦り減っているバドミントンシューズ


足首が痛いために山に行けなくなり、悶々とした気持ちを鎮めるためには、やはり登山用品をパーッと買うしかない!!

今年の2月に雪の雲取山に登り(その時の記事はこちら)、雪山の素晴らしさが忘れられないmakiwarikunは、今シーズンはもう少し本格的に雪山に挑戦したいと思っていた。そこで、先月からコツコツと冬山用具を買い揃えてきたのであるが、最後に残しておいた登山靴とアイゼンとピッケルをこの日一挙に購入することにした。

まず、登山靴であるが、「アク/フィッツロイGTX」というモデルを選んだ。足首の自由度が高く、アイゼンとスノーシューを半々で利用する人や、歩き易さも重視したい人向けのモデルという点が自分に合っていると思ったからだ。それにしても冬山用の登山靴はアイゼンを装着しなければならないので当然ではあるが、夏用の登山靴に比べて非常に硬く感じる。

次にアイゼンであるが、購入した登山靴がワンタッチ式に対応していないので、セミワンタッチ式の国産(カジタックス製)12本爪アイゼンを選んだ。雪の雲取山に登った時には6本爪の軽アイゼンで十分であったが、本格的に冬山をやろうとするならば、10本爪以上のアイゼンは必携だ。

最後のピッケルは何が良いのかさっぱり分からないので、アイゼンと同じメーカーの縦走用の国産品(75cm)を購入したのであるが、自分の身長(172cm)からするとあと3~5㎝ほど短い方が使い易かったようだ。

それ以前に購入していた冬山用具は以下の通りであるが、今回の分も含めての購入金額総計は約15万円である。12月分給料の年末調整により平常月より多い分はこれですっかり相殺されてしまった。

スパッツ:雪山用のロングサイズであり、アイゼンの爪でも切れにくい丈夫な生地のものを購入。
ゴーグル:曇り止め加工がされた眼鏡をかけたままで装着できるタイプのものを購入。
スノーシュー:「TSLスノーシュー305エクスプローイージー」を半額という値段につられて購入。色はピンクで少し気持ち悪い…
アウター:厚手のハードシェルタイプのジャケットとパンツを購入。
アンダーウェア:高機能ロングタイツを購入。
ソックス:メリノウール素材のものを購入。
バラクラバ(目出帽):銀行強盗する際にも使えるものを購入(んっ?)。
手袋:インナーグローブと3層構造となっている防水グローブを購入。
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11月から買い揃えた冬山用具の数々


昨年、大阪の実家に帰省した際に山登りを始めた事を親に話したのであるが、危ないから冬山だけはやらないようにと忠告されている。しかしながら、登山が趣味だと宣言しておきながら夏山しか登らないようでは、ふぐのフルコースを食べに行ったにも係わらず毒が怖いからと白子を食べないようなものではないかと思う。(私自信はふぐの白子を一度も食べたことがないのだが、これは単に私が貧しいからである。)多少のリスクを恐れていては、本当に美しい景色に出会うことはできない。

とにかく冬山は素晴らしい。何よりもアブが一匹も居ないのが良い。夏に武尊山に登った際には、恐ろしい顔をした巨大な殺人アブがどどすこ(んっ?どどすこ?)と襲ってきたので私は思わず叫んでしまっていた。
「どどすこすこすこアブ突入!」
(なるほど!これが言いたかったのね。それほど上手くもないし…)

奥多摩(日向和田駅~日ノ出山~大岳山~奥多摩駅) [登山]

12月5日(日)、なんやかんやで1ヶ月間も山から遠ざかっている。久しぶりに訪れる山はどこにしようかとしばし悩んだのであるが、結局、7ヶ月前のゴールデンウィーク(5/4)に行った奥多摩の7山の頂を巡る縦走コースを再び歩くことにした。

このコース、歩行距離が20km程度で電車だけを乗り継いで行ける場所はないかと考え、やっと探し当てたmakiwarikunお気に入りのコースである。前回では体調の悪さもあり、フラフラになりながらやっとの思いでなんとか完走することができたのであるが、この7ヶ月間に積んだ経験によって成長した今のmakiwarikunなら余裕で歩き通せることが出来るだろうか?

奥多摩よ!マゾっ気十分なmakiwarikunを今回も楽しませてくれ!「おくたまはマゾ[黒ハート]」なんちゃって…(「わっかるかなぁ~?わかんねぇだろうなぁ~!」 それにしてもmakiwarikunのダジャレ&ギャグはことごとく古過ぎる!!)

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

日程:2010年12月5日(日帰り)
天候:快晴[晴れ]
コースタイム:
8:05 日向和田駅→9:07 三室山山頂→10:08 日ノ出山山頂→10:45 御岳神社→11:39 奥の院→11:55 鍋割山山頂→12:48 大岳山山頂→13:40 鋸山山頂→14:52 愛宕山→15:15 奥多摩駅

直線距離:19.909km
沿面距離:20.947km
累積標高(+):2563m
累積標高(-):2409m
所要時間:7時間10分

御岳神社地図.JPG
GPSトラックデータ

御岳神社グラフ.JPG
GPSデータグラフ表示


御岳神社計画.JPG
登山計画&結果表


いつも通り始発電車に乗り奥多摩に向かう。電車の中は、1ヶ月前(11/3)の紅葉シーズンや7ヶ月前(5/4)のゴールデンウィークに比べると、遥かに登山スタイルの乗客が少ない。これなら静かな山歩きが楽しめそうだ。

登山口は日向和田駅から20分程歩いたところにある梅の公園の奥にある。駅に設置されている案内図で道順を確認してから歩き出すが、長袖のシャツの上にフリースとダウンのジャケットを着ているにも係わらずとても寒い。
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日向和田駅の案内図(8:03)


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梅の公園(8:21)


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登山口(8:25)


ゴルフコースを右手に見ながら登山道が始まるが、ジグザグに進みながら少しづつ高度を上げていく。つい先程まであんなに寒かったのに、10分も歩くと早くも汗が噴き出してきたので、フリースとダウンジャケットをザックに収納する。

登山口から40分程で最初のピークである三室山山頂に到着した。今回の山行のコンセプトとして50歳突入を目前にして40台の美しい肉体(?)を写真に残すことを掲げていたので(ナルシストか!)、山に初めて三脚を持ち込むことにした。カメラはもちろん先日購入した山カメラ”ソニーサイバーショットDSC-TX5”だが、今回が記念すべきデビューとなる。

そして三脚を使って最初に撮った写真がコレだ!!(後ろが明るいので逆行補正モードで撮るべきだったか?)
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三室山山頂(9:08 647m 「とっつぁんよ!まだまだ余裕だぜ!!」)


続いて哀愁たっぷりに歩いている後姿も撮ってみた。自分のカッコイイ(?)登山姿をブログで世界に発信して、気分はすっかり登山家”栗城史多”である。
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三室山からの登山道(9:09 makiwarikunの哀愁漂う後姿。男は背中で人生を語るのだ!)


三室山から少し下ると”つるつる温泉”への分岐に到着する。つるつる温泉は、都心から近い天然温泉施設ということで、結構人気のある場所らしいのだが、いつか今回の逆コースとなる奥多摩から歩いて、つるつる温泉でのんびりしてから帰路につくというのも面白いと思った。
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つるつる温泉分岐(9:24)


三室山から1時間ほどで2番目のピークである日ノ出山山頂に到着した。雲ひとつないこの日は、山頂からの展望は素晴らしく、丹沢の山々もはっきりと眺めることができた。ただ少し残念だったのは、手前の山に隠れてしまい、富士山が先っぽの方しか見えないことだった。
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日ノ出山山頂(10:09 902m 「へへっ、見ろよとっつぁん!最高の天気だぜ!!」)


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日ノ出山山頂から丹沢方面を臨む(10:13)


次に目指すは、日ノ出山山頂からも目にすることができた御岳神社である。御岳神社はパワースポットとして最近注目の場所ということで、安易にパワーをゲットしたがっている人で(?)溢れている。

しかしパワースポットってなんじゃらほい?定義付ければ、そこに行くことによりパワーが貰えて、元気になったり健康になったりすると信じられている場所ということになるのだろうが、私に言わせりゃアホらしいの一言。明治神宮にある加藤清正の井戸がパワースポットとして特に有名らしいが、なんで井戸を見てパワーが出るんじゃい?パワーなんてもんは本人のやる気ひとつでどうにでもなるもんで、そんなもんに頼るという発想自体が情けないと思う。


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御岳神社仲見世(10:43 わさびなど新鮮な山菜やお菓子や記念品などが売られている)


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御岳神社大鳥居(10:45)


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武蔵御岳神社本殿(10:51 「パワーを下さい。お願いします。アーメン」)


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畠山重忠像(10:56 宝物殿には畠山重忠が奉納した鎧が収納されているらしい)


パワースポットに寄らずともパワー十分のmakiwarikunはノンストップでズンズン進む。今回も行動食はポケットの中に大量に詰め込みながらハイドレーションとの組み合わせで、ゴールまで写真撮影以外の休憩は取らない予定である。

神社の階段を少し戻り、右手の細い道を下って行くと登山道に戻るが、間もなく休憩所がある長尾平に到着する。そこには展望台への案内があったので、左折してどんな景色が見れるのかとワクワクしながら5分ほど進む。展望台というからには富士山の全容が拝めるのかと思いきや、そこで目にした景色がコレだ。 
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長尾平展望台からの眺め(11:05 なんの変哲も無い景色が広がる)

「なんの変哲もないがな!!」 ガックリである[バッド(下向き矢印)]。奥ノ院への急登を前にして往復10分の時間と体力を無駄に消耗してしまった。どうもこの展望台、都心の高層ビルを遠望することができる場所という位置付けらしいのだが、嫌でも毎日のように高層ビルを見ている人間にとっては、「なんの意味もない!なんの意味もない!」


鍋割山に向かう途中に奥ノ院へ向かう分岐があるが、そこには”天狗の腰掛杉”と呼ばれる樹齢350年、樹高60m、幹周6,5mの大きな杉の木がある。
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天狗の腰掛杉(11:16 確かに向かって左に張り出した枝に腰掛けることができれば気持ち良さそうだ)


天狗の腰掛杉から奥ノ院までは標高差200m程度の急登であるが、ここがこの日のコースの中で最もきつかった。
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奥ノ院(11:39)


前回(5/4)に登った時には気付かなかったのだが、奥ノ院は”男具那ノ峰(オグナノミネ)”という山頂のすぐ下にある。山頂には日本武尊(ヤマトタケル)を祀っている祠があり、ヤマトタケルが幼少時にオグナと呼ばれていたことがこの山名の由来ということだ。
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男具那ノ峰(オグナノミネ)山頂(11:42 1070m なんて読みにくい山頂標識だ!)


次のピークである鍋割山山頂へは、男具那ノ峰から10分ちょいで到着したが、ここは見晴らしも効かないので写真を1枚撮っただけで先を急ぐ。
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鍋割山山頂(11:55 1084m 「とっつぁんよ!やっと半分過ぎたぜ!!」)


鍋割山から大岳山への道も非常に歩き易いので順調に飛ばして行く。日向和田駅から大岳神社までの道はmakiwarikunの苦手な岩場もなく気持ちの良い歩きが楽しめた。

大岳神社まで来ると、大岳山の頂は目と鼻の先だ。岩場の急登をヒーコラしながら10分ほど進むと、多くの人で溢れている山頂に到着した。

ここが人で溢れている理由がこの景色である。ここでこの日初めて富士山の荘厳な全容を拝むことができた。
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大岳山山頂から富士山を臨む(12:48 逆行補正モードで撮影)


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登山者で溢れている大岳山山頂(12:49 「富士山が綺麗だね~[ハートたち(複数ハート)]」)


大岳山からゴールの奥多摩駅までは、基本的に下り道が続くのであるが、所々で岩場の急斜面が現れる。このあたりから疲労によりだんだん足に力が入らなくなり始めていたので、細心の注意を払いながらゆっくりと降りていく。

前回はヘロヘロになり息も絶え絶えに乗り越えた鋸山と愛宕山の小ピークであるが、今回は幾分余裕を残しながら最後まで着実に歩を進めることができた。流石は黒戸尾根を日帰り往復した男、makiwarikunだ!
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愛宕神社(14:52)


愛宕神社からの長い急階段を下り、舗装された道まで来れば奥多摩駅はすぐそこだ。奥多摩ビジターセンターのトイレで汗臭い下着を替えて、出発から7時間10分後の15時15分に奥多摩駅に無事到着した。

【感想】
・この日は1.5㍑の水分を用意してきたのであるが、予想以上に気温が上がり汗を大量にかいてしまったことにより、鋸山を越えたあたりで水切れとなってしまった。たとえ冬場であっても何があるか分からないので、水分は余裕を持って用意すべきであった。

神戸市秋季リーグ戦 [バドミントン]

11月27日(土)、バドミントンの試合に出る為に、遠路はるばる神戸まで行ってきた。バドミントンの為だけに高い交通費を出して千葉から神戸に遠征するのはバカじゃないかと思われそうだが、実家(大阪)への盆と正月の帰省の代わりにこの試合に合わせて(春と秋)親に顔を見せていると思えば、一石二鳥と考えることもできる。

この試合は神戸市が主催する団体戦であるが、元々は大学バドミントン部の同期でありmakiwarikun山の会の第1号会員であるN氏(以後、N氏のことを大学時代のニックネームを踏まえて”熊さん”と呼ぶことにする。)が勤務する会社のバドミントン部で参加していたのであるが、8年ほど前からそのチームにmakiwarikunが何故か参加するようになった。

その後、makiwarikunの大学時代のダブルスパートナーであった”キャプテンN”を引っ張り込み、最近では”昭和60年卒大阪府立大学バドミントン部同期会”の匂いが強すぎる気がしないでもない。

団体戦ということでチームメイトに迷惑を掛ける訳にはいかないmakiwarikunは、この試合に備えて山登りを控え、この3週間の週末はバドミントンの練習に励んだのだが、如何せん付け焼刃的で練習不足の感は否めない。特に日曜が練習日となっているクラブへは梅雨明け以来の約4ヶ月ぶりの練習参加という有様だった。(土曜が練習日となっているクラブへはかろうじて月に1回程度は行っていた。)

団体戦は2複(ダブルス)1単(シングルス)で行われる為に5人のメンバーが必要となるが、今回集まったメンバーのプレースタイルと実力について独断と偏見により評価してみた。

キャプテンN(50歳)…華麗なテクニックを操るファンタジスタ。中学からバドミントンを始める。
パワー4、テクニック5、スピード4、スタミナ4、総合力17

makiwarikun(48歳)…スマッシュを打ちまくるパワーヒッター。高校からバドミントンを始める。
パワー5、テクニック3、スピード4、スタミナ3、総合力15

熊さん(49歳)…バランスのとれたオールラウンドプレーヤー。大学からバドミントンを始める。
パワー3、テクニック3、スピード3、スタミナ4、総合力13

ミスターX(60歳)…パワー2、テクニック2、スピード2、スタミナ2、総合力8

ミスターY(62歳)…パワー2、テクニック2、スピード2、スタミナ2、総合力8


このメンバー構成において勝利にこだわるならば、一番の実力者であるキャプテンNをシングルスに回して、二番手のmakiwarikunと三番手の熊さんとでダブルスを組むしかない。なぜならば、実力差の大きい二人のプレーヤーでダブルスを組んだ場合には、徹底的に実力の劣るプレーヤーが狙われてしまうからである。

そのことを如実に示す試合結果は以下の通りである。

第1試合…勝ち
 1ダブルス…ミスターX & ミスターY  負け
 シングルス…キャプテンN  勝ち
 2ダブルス…makiwarikun & 熊さん  勝ち

第2試合…勝ち
 1ダブルス…ミスターX & ミスターY  負け
 シングルス…キャプテンN  勝ち
 2ダブルス…makiwarikun & 熊さん  勝ち

第3試合…負け
 1ダブルス…キャプテンN & ミスターX  勝ち
 シングルス…熊さん  負け
 2ダブルス…makiwarikun & ミスターY  負け

第4試合…勝ち
 1ダブルス…makiwarikun & 熊さん  勝ち
 シングルス…キャプテンN  勝ち
 2ダブルス…ミスターX & ミスターY  負け


このように勝利の方程式を用いなかった第3試合のみ負けることになってしまった。この試合でダブルスに回っても勝利したキャプテンNは流石としか言う他ないが、一方でmakiwarikunはミスが多く惜しくも敗れてしまった。この試合中のmakiwarikunは、自分が決めなければならないという気負いが強すぎて、無理な体勢からスマッシュを打つなどしてミスを重ねてしまっていたのだ。このあたりパートナーが信頼できないと良いプレーができないのは、信頼できるパートナー同士じゃないとザイルを結び合って険しい岩稜を登攀できないのと似ているのではないかと思う。(もっともクライミングは命が懸かっているだけにバドミントンとは比較にならないのだが…)

以下、キャプテンN、makiwarikun、熊さんの奮闘ぶりを写真で紹介する。

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50歳とはとても思えない若々しいプレーのキャプテンN。シングルス3連勝は流石だ!


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華麗なテクニックで対戦相手を翻弄するキャプテンNのスマッシュレシーブ。


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ダブルスでも勝利したキャプテンNのスマッシュ。この日は4戦全勝と文句なしのMVP。


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ダブルスで3勝とチームの勝利に貢献したmakiwarikun(前)と熊さん(後)。サーブレシーブの体勢をとる。


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接戦をきわどく勝利した勝負強い熊さん(前)とmakiwarikun(後)。


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パワーヒッターmakiwarikunのキャノン砲が炸裂する。


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善戦むなしく惜しくも敗れた熊さんのシングルス。

山カメラを買ってしまった [雑記]

ついに買ってしまった”山カメラ”。”山カメラ”とは防水性、防塵性、耐衝撃性、耐寒性を備えた登山向きのデジカメのことを言うが、これでここ半年で3台ものデジカメを購入したことになる。アホである。

まず1台目がコレ、『ニコンD3000』。初心者用とはいえ、堂々の一眼レフである。コイツは7月18日に権現岳に登った時にデビューし、9月15日に槍ヶ岳で敗退するまで行動を共にした。
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ニコンD3000 (ダブルズームキット 6/30 48,650円で購入)

昨年の秋から山登りを始めて以来、初の夏山シーズン到来に、少しでも綺麗な写真を記録に残したいと思い、一眼レフを20数年ぶりに購入したのだ。望遠ズームレンズ(55~200mm)が付属して5万円を切る価格はリーズナブルの一言で、久しぶりに手にする一眼レフの技術の進歩にも驚いた。

但し、一眼レフとしては小型で軽い(485g)というのがこのカメラの謳い文句なのだが、それまで使っていたコンデジ(カシオEXILIM EX-S600)が120gを切る軽量だったこともあり、首からコイツをぶら提げて山を登るようになってからは以前に比べて疲れ易くなったように感じた。あるいは重さそのものよりも落としたり岩場でぶつけないように気を遣うのに疲れるのかもしれない。実はmakiwarikun、以前に首から提げていたGPSを尾根道から10mほど下に落とした経験があり、その救出のために非常に怖い思いをしているのだ。(その時の記事はこちら

初心者の自分には十分なほど豊富な機能を全く使いこなしてなかったので、このカメラで撮った写真の出来は置いておくとして、槍ヶ岳で敗退した原因の1つに重い荷物を背負っていたことがあったのは間違いなく、やはり登山に持っていくには軽いカメラに越したことはないなぁと再認識した次第。


それを受けて次に購入したのがコイツ、『リコーCX1』だ。重量は約180gとコンデジとしてはやや重めながら、高機能という点において非常に評価の高いこのカメラ。後継機種が発売され価格が随分と下がっていたのでコストパフォーマンス重視で購入に踏み切ったのだ。
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リコーCX1 (9/21 14,500円で購入)

高機能を売りにしているだけあって、「超高速連写モード」では1秒間でなんと120枚の連続撮影が可能だし、「ダイナミックレンジダブルショットモード」という明暗の差が激しい場所を同時に撮影する場合に、今までなら白飛びや黒潰れしてしまっていた部分をきちんと写せるという機能まで付いている。 とにかく機能満載のコンデジだけに使用説明書も分厚くて、ものぐさなmakiwarikunは読む気にもならない。

ところがこのカメラにも弱点があった。おそらく結露による影響だと思われるが、10/2に谷川岳に登った時と10/16に甲斐駒ヶ岳に登った時にカメラの電源を入れてもレンズカバーが全開しないという症状が出たのである。
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10/16に甲斐駒ヶ岳に登った時の写真(右上のレンズカバーが開かなかった部分が黒くなっている。)

まぁこのカメラの使用温度範囲は0℃~40℃なので、これから厳冬期における雪山での写真撮影を秘かに狙っているmakiwarikunにとっては明らかにスペック不足である。そもそもタウンユースを想定して作られている普通のデジカメを登山のような厳しい環境で使用すれば、岩にぶつけたり雨や汗に濡れたりして壊れてしまうのは時間の問題であろう。


そして真打ち登場、今回購入した決定版がコレだ!ジャジャ~ン!『ソニーサイバーショットDSC-TX5』だぁ~!!下の写真ではレンズカバーを下げてレンズとフラッシュを露出しているが、レンズカバーを上げれば、鉄の鎧で身を固めたように堅牢なオーラがビンビン出ている。
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ソニー サイバーショットDSC-TX5 (11/13  21,794円で購入)

山カメラとしての実力は次の通り。この性能だけ見ると登山向きの多くのカメラの中では、それほど高い性能ではないが、まぁ必要にして十分と言えるであろう。
 防水性:水深3mまでの水中活動での使用可能
 耐衝撃性:1.5m(1.5mの高さから硬い所に落としても壊れないということか?)
 耐寒性:-10℃

静止画の有効画素数は1020万画素で、パノラマ画像を撮ることもできるなどカメラとしての基本性能も十分であるが、このカメラを選んだ最大の理由は、なによりもその薄さ(17.7㍉)と軽さ(本体のみ128g)にある。カメラはポケットの中に常に入れておき、撮りたい時にサッと取り出すというスタイルで山に登りたいmakiwarikunにとって、ポケットの中に入れても違和感がしないこのコンパクトさは有り難い。

このカメラの弱点は、このコンパクトさから仕方が無いことであるが、バッテリーの持ちが少し悪い(バッテリー性能は250枚)ということであるが、山に持ち出す度に充電すれば問題ないレベルだと思われる。

来週(11/27)に参加するバドミントンの試合のために、週末はこのところ山登りを控えてバドミントンの練習をしているのであるが、早くこの山カメラを持って冬山に向かいたいものである。

奥多摩石尾根(鴨沢~七ツ石山~鷹ノ巣山~奥多摩駅) [登山]

7月17日に梅雨が明けて以来、毎週のように山に向かっていたmakiwarikunであるが、この2週間は車の故障と悪天候のために自宅待機を余儀なくされていた。その間、山岳小説を読んだり登山に関するテレビ番組(録画)やDVDを観たりして暇を潰していたのであるが、山を始めてから1年で山中毒にかかってしまったのであろうか、以下のような禁断症状が出始めた。
 1.眠りが浅くて、毎晩、リアルに山に登っている夢を見る。(たまにはエッチな夢も見たいぞ!)
 2.倦怠感でなんとなくやる気がしない。(単なる更年期障害か?)
 3.ちょっとしたことでイライラする。(いとうあさこと同じ症状か?)
 4.登山に関する道具が無性に買いたくなる。(冬山用登山靴とピッケルを買おうかと思案中…)

これはイカン!と文化の日にかねてから気になっていた奥多摩の石尾根を歩くことにしたのであるが、このコースは標高差がそれほどない代わりに距離が長い。標準コースタイムは10時間ということであるが、15時26分発のホリデー快速おくたま号に乗って家路に着きたいと考えたので、6時間10分で走破することを目標として計画を立てた。最近、ウォーキングすらサボり気味であるmakiwarikunは果たして無事に奥多摩駅に戻ることができるのか?
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

日程:2010年11月3日(日帰り)
天候:晴れ[晴れ]
コースタイム:
9:16 鴨沢バス停 →9:38 小袖乗越 →10:36 堂所 →11:27 ブナ坂 →11:38 七ツ石山 →11:58 千本ツツジ→12:36 巳ノ戸の大クビレ→12:54 鷹ノ巣山 →13:06 水根山 →13:45 六ツ石山分岐→14:11 三ノ木戸山分岐→15:18 奥多摩駅

直線距離:23.617km
沿面距離:24.303km
累積標高(+):2111m
累積標高(-):2329m
所要時間:6時間2分

奥多摩地図.JPG
GPSトラックデータ

奥多摩グラフ.JPG
GPSデータグラフ表示

奥多摩エクセル.JPG
登山計画&結果表


いつも通り始発電車に乗り奥多摩駅に向かうが、紅葉シーズン真っ盛りの中での絶好の観光日和とあって、青梅駅から先はまるで通勤電車のような混雑ぶりだった。必然的に奥多摩駅から鴨沢に向かうバスも混雑していたのであるが、おかげで鴨沢バス停への到着が少し遅れた上にバス停のトイレにも行列が出来ていた。

当初より余裕のない計画に加えて出発時間が予定より遅れてしまった事に焦ったmakiwarikunは、ストレッチも行わずいきなりトップスピードで歩き出す。行動食はザックのサイドポケットに詰め込んでいるので、ハイドレーションシステムと相まって食料および水分補給の際にザックを降ろすことなく歩き続けることができる。(9:16)
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小袖乗越手前の広場 (09:35 普段は余裕たっぷりの場所もこの日はほぼ満車状態)


小袖乗越から堂所までは緩やかな歩き易い道が続く。ここを登るのは今回で5回目であるが、樹林帯の中の雰囲気の良いこの道を歩くのは本当に気持ちが良い。おそらくこれからも何度となくこの道を歩くことになるだろう。
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歩き易い登山道 (09:47 堂所までは緩やかな雰囲気の良い道が続く)


雑木林の中の小さな平地である「堂所」は、この先の急登に備えての休憩ポイントであるが、makiwarikunは当然ながらノンストップで通過する。この日の厳しいスケジュールによって、6時間ノンストップもやむなし!という覚悟だ。(10:36)
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堂所 (10:37 見上げれば美しい紅葉が…)


堂所からの道は段々と傾斜を増してくるので少々キツイ場所であるが、木々の間から姿を現す富士山や紅葉が目を楽しませてくれる。
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七ツ石尾根の紅葉 (10:46 堂所の先の急傾斜から臨む)


そして出発から2時間11分後、石尾根との合流点であるブナ坂に到着した。前回(8/14)はトレーニングを兼ねてかなり急いで2時間50分かかっているので(但しテントを担いでいた)、それより40分も速い今回は自分の限界に近いハイペースだと言える。いつもはここを左折して雲取山方面に向かうのであるが、この日は右折して七ツ石山山頂を目指す。(11:27)
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ブナ坂 (11:27 ここを右折して七ツ石山方面に向かう)


そしてこの日の最高標高地点である七ツ石山山頂(1757m)に到着した。ここで雲取山に向かうという方と一緒になり、お互いに写真と撮り合った後にしばし談笑するが、スケジュールに余裕がないので後ろ髪を引かれながらも先を急ぐ。(11:43)

それにしても自分自身の姿を改めて写真で確認するに、お腹がポッコリ出ていてなんと見苦しいものよ。自分自身の姿を鏡に映すことにより、嫌でもたるんだ身体を目にさせ、意識および潜在意識に訴えかけてダイエット意識を高めるという「鏡ダイエット」なる方法があるらしいが、これは真理だなぁと認識した次第。自分も少しは痩せないと…。でも冬は太りやすいんだよなぁ…。
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七ツ石山山頂 (11:39 メタボだジョー!その出っ腹で何故に山に登れる?)

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富士山 (11:42 七ツ石山から富士山を臨む)


七ツ石山から奥多摩駅までの石尾根が道の未知…じゃなくて未知の道。雲取山~七ツ石山間の石尾根は何度か歩いているが、アップダウンが少なくて展望も良くて開放感いっぱいの素晴らしい道だけに、否が応でもこの先の道にも期待感が膨らむ。

期待通り、七ツ石山~鷹ノ巣山の石尾根は実に快適で素晴らしい道だった。しかも、ここを歩く人はトレイルランナー以外はほとんど居なかったというところも自分好みである。
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快適な石尾根 (11:48)


やがてログハウス風の綺麗な建物が見えてきたと思ったらそこが鷹ノ巣山避難小屋であった。避難小屋の前には多くの方が休憩されていたが、おそらくは峰谷のバス停から浅間尾根を登ってこられたのであろう。(12:36)
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鷹ノ巣山避難小屋 (12:36)


鷹ノ巣山の急登をヒーコラしながら登りきったところが山頂(1737m)であるが、「展望の山」と呼ばれることがある程ここからの眺めは素晴らしく、多くの登山者がこの景色を楽しんでいた。
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鷹ノ巣山への急斜面から南西方面を臨む (12:43 奥にはうっすらと富士山が…)

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鷹ノ巣山山頂 (12:54)

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鷹ノ巣山から水根山方面を臨む (12:55)


鷹ノ巣山から先は、防火帯の幅広い登山道が続いているが、落ち葉によりフワフワの道はトレイルランナーならずとも走りたくなる。防火帯とは、防災上設けられる可燃物(樹木)が無い延焼被害を食い止めるための帯状の地域のことを言うのであるが、ここは視界も良好で実に爽快な歩きが楽しめた。
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幅広い防火帯の登山道 (13:10)


途中の水根山(1620m)は周りより少しだけ高くなっている場所であるが、山頂を示す板も何もないので、GPSにチェックポイントとして登録してなければ気付かずに通り過ぎたであろう。

石尾根は総じて緩やかな歩き易い道が続くのであるが、途中で一箇所だけmakiwarikunの苦手な岩場混じりの急斜面の下りがあった。後で調べたところそこは城山(1523m)からの下りであることが分かった。

城山からの急な下りを過ぎれば再び歩き易いが現れたので、快調に飛ばすことが出来た。やがて六ツ石山分岐に辿り着いたが、ここから5分程度の場所にある六ツ石山の山頂を踏むかどうかで少し迷った。ここまで予定より15分ほど早く来ているので往復10分なら行けないことはないと思ったが、ノンストップで4時間半も歩き続けており、さすがに足の疲れを感じ始めていたので、確実に時間内に戻るために自重することにした。(13:46)
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六ツ石山分岐 (13:46)


六ツ石山分岐から狩倉山の南側を巻いて下って行き、三ノ木戸山の分岐を過ぎると、うっそうとした杉の樹林帯に入りこれまでと雰囲気がガラリと変る。日当たりが悪いので粘土質の道はジメジメと湿っており、おかげで滑って転んでしまった。泥を払いながら更に下っていくとやがて舗装された林道に出会った。(14:52)
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舗装された林道に出る (14:52)


しばらくクネクネした林道を下り、途中から再び登山道に入って少し行くと、つつましい羽黒三田神社に出た。見覚えのある奥多摩ビジターセンターが見えてきたので、ここで初めて予定時刻内に奥多摩駅へ戻れると確信した。(15:05)
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羽黒三田神社 (15:05)


神社からの急坂を下り、民家の間を抜けてしばらく進み、階段を下ると交通量の多い国道411号線(青梅街道)に出る。そして15時18分、出発から6時間あまりで奥多摩駅に到着した。15時26分発ホリデー快速おくたま号は既に多くの乗客で埋まっていたが、最後尾の車両になんとか座ることができた。疲労困憊のこの状態で、もし座れなければかなり辛かった筈だ。


【感想】
・結局、この日はザックを一度も降ろすことなく6時間ノンストップで歩き続けることができた。気温や道の状態等のコースコンディションが絶好で体調も良かったからであろうが、24km弱の道程を6時間余りで歩けた(平均速度3.9km/h)という事は自分でも驚いている。これぞ黒戸尾根日帰り達成効果(自信)というものであろうか?

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